ブログ仙岩

各紙のコラムや報道番組、読書の感想、カメラ自然探索など。

あなたを忘れない

2022-03-27 09:41:10 | エッセイ
3.11の新地町谷地小屋釣師の津波で亡くなった姪も、この「あなたを忘れない7」に載った。
16日夜の地震から1週間となった23日、相馬市栗津の自宅で死亡した太田悦朗さん(63)の遺族の長女は、太田さんの自宅近くに住んでいる。
長女によると、太田さん夫婦暮らし、しかし地震発生前、1階の奥の部屋に居り、入院中の妻と電話で会話していたという。
その後床に就いた太田さんは、地震の揺れで飛び起き、玄関から外に避難しようとして、玄関先で倒れており、異変に気付いた近所の方に発見されたという。
長女によれば、太田さんは以前から心臓に不安があり、死因は心不全だったという。
倒れていた太田さんの手には携帯電話が握りしめられていた。
建設業に従事し、ゴルフや料理が趣味で、三年前の台風19号の水害、昨年2月13日の地震災害が相次いでおり、皆で「もしもの備え」が必要だと話していたという。
長女は地震後の後片付けで、落ち着きがもどるにつれて、ふと「父はもういないんだ」と、寂しさや悲しさが込み上げてくるかもしれないと目を伏せた。24日福島民報より。
写真は、2011.4.7原発事故で避難先の水戸から帰宅後すぐ撮影した我が家の様子。玄関のガラス戸が倒れてガラス破片で入れず、裏から入ったことを思い出す。


ハクチョウ北へその北は?

2022-03-27 08:40:19 | 旅行
雪国猪苗代湖の北岸で冬を過ごした白鳥の北帰行が続いている。
猪苗代湖の自然を守る会のk氏は飛来した白鳥の観察を続け、今年は寒い日が多く昨年より10日遅いという。
23日から始まった北帰行は3月末迄続く見込みで約3000羽の白鳥が順次飛び立っていく。24日福島民報より。

しかし、その目指す北は今戦争をしている。
中国の故事名言に「戦いで勝は易く、守りで勝は難し」「仁者は人を愛す、人を愛するがゆえに、人のこれを害するを憎む」等。
古来戦争は大義名分をもっている。醜悪な侵略戦争も、「悠久の平和のため」「自由防衛のため」等の名目がつく。
およそ戦争に、正義の戦争と不義の戦争の区別で、正当防衛が認められるように、仕掛けられた戦いを不義の戦いということはできない。
戦争はしょせん殺人の積み重ねである。武力を使わずに目的を達成できればこれにこしたことはない。が武力にまさる手段は少ない。
仁者は博愛主義に満ちた人格であり、どんな悪人をも暖かく包み込む人である。
このような仁者でも、相手が非道の君主であれば、こちらから仕掛ける。人を愛するからこそ、人を苦しめる者を憎むからである。
戦争は人の苦しみを取り除くことで、決して利益が目的ではない。
仁者は争わぬ者、聖者は人を殺さぬ者、しかし、政治の現実は対句で「義者は理に循う、理に循うがゆえに人のこれを乱るを憎む」のである。荀子より。