ブログ仙岩

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大石邦子「あれから10年」を読んで

2022-03-11 04:46:44 | 問題
こんなに大雪になるとは思ってもいなかった。
そんな時京都の友人から小包が届いた。京都も雪らしい。
中から一枚の新聞のコピーが出てきた。あれから10年?。急いでパソコンの保存の写真2012/6/14とある。
写真には、私と友人、仏教系の出版社の社長さん、若いお坊さんが写っていた。
神戸の講演での帰り、社長さんに案内された比叡山延暦寺だった。
そこには、宗祖最澄の御廟浄土院が谷底のようなところで、12年間最澄に仕える籠山行が行われる場だという。
聖地であれば、敷地内に落葉一枚、草一本生やしてはならず、陰で掃除地獄とも呼ばれているらしい。
女人禁制の不安もあったが、渡部光臣様が優しく迎えられ、緊張を破った一言は
「大石さん、カイジョ出身ですね」私は一瞬カイジョ?まさか会女のこと?
すると、お坊さんは山形大学の合唱部で、会津女子高合唱部と交流もあり、この本で貴女のことを知ってねという。
机の下から出した一冊の本は拙著「人は生きるために生まれてきたのだから」だった。
恥ずかしさ、嬉しさ、何だか分からない神仏へのもやもや感で胸が熱かった。
当時お坊さんは修行に入って3年目という。そして、昨年「十二年籠山行」を成し遂げたと京都新聞の大きな記事だった。
江戸時代から、やり遂げた人は81人しかいないという。
雪のことで嘆いてなんていられない・・・と。
仙岩の私は、お坊さんは本当の仏教を知っていても、我々一般人は、葬式仏教で読経の意味すら分からない。唯有難がって聞いている。それで成り立っている。
日本人は本当の仏教を知らない。
私も般若心経を写経し、松原泰道著「般若心経入門」や今枝由郎著「ブータン仏教から見た日本仏教」など読んでも感じる。色即是空は形あるものは凡て壊れる知恵の心を学ぶ。
物質的現象にはすべて実体がない。俺の家だという自我、そこには自己がない。この自己に目覚めることが自覚である。・・・この辺で。