<ファーストキスの味>
[キスってどんな感じなんだろう?綿菓子みたいに甘いかな?]
[プラムの飴みたいに甘酸っぱいのかな?]
[それとも・・]
彼女らのその問いに、ファン・ミエがリアルに答えます。
時は数分前。
「お兄ちゃーーーーーーん!!」
すごいスピードで迫り来るファニ。
「えっ?!ファニ・・」
チョルは前から来るファニと、後ろにいるミエを助けようと両方に手を伸ばした。
だから両手は塞がって、下りてくる重力に従う他なかったのである。
倒れ込んだミエの顔に、チョルの顔が近づいてくる。
まるでスローモーションのように見えた。
触れた唇は、衝撃のせいで互いの歯まで接触を許した。
ガチッ、と骨と骨が当たる音と振動が伝わる。
そして、この状態である。
ファニの取り巻き(?)が心配そうに近づいた。
「ファニ、大丈夫か?!」「だから手を繋ぎながら行こうって・・」
「お兄ちゃん!」「えっ!ファニのお兄さん?!こんにち・・・」
小学生三人は、そのまま石のように固まった。
目の前にいるファニの兄ちゃんが、キスをしている・・・・。
ミエの上唇に、たらりと一筋血が流れた。
あああああああああ!!!!
これがファン・ミエのファーストキス——・・・。
その味はと言うと・・・。
[・・鉄分風味?]
現場からは以上です!
第八十二話①でした。
ありゃ〜ミエちゃん血が・・!衝撃がすごかったんでしょうね・・
けど咄嗟に二人とも助けようと体が動いたチョルにあっぱれです
そして冒頭のチヘたちの世界観w
ユンヒの顔がジワります
第八十二話②に続きます