青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
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第八十話④

2023-03-08 | 第七十九話〜第八十一話

キム・チョルがもしミエのことを好きだとして、その先は一体どうすればいいんだろう?

考えたことのないその問いを、ミエは今初めて目の当たりにしている。

 

<自然ということは>

ミエはブンブンと頭を振り、とりあえず考えるのを止めにした。

いやいや!ビデオ観よっ!

 

気づけばビデオの内容は佳境で、バスジャック犯からの連絡のシーンだった。

とりあえず字幕を追うミエ。

主人公がバスと並走し、事態が目まぐるしく進行して行く。

この辺りから、ミエはビデオの内容に引き込まれて行った。

おお・・

その様子を隣で見ているチョル。

食い入るように画面を追うミエ。

なんて分かりやすいんだろう。

口を開けっぱなしで画面に釘付けのミエを見て、

チョルは(よだれ垂れそう)と思って少し笑う。

そんな折、画面の中で大爆発が起こった。

ドカーン!!

「うわぁっ!」

驚いた拍子に、ミエがチョルの袖口を掴んだ。そのままグイグイと引っ張る。

「わっわっ!バスが!どうしよう!バスが!」

先程までの不自然なミエではなく、今のミエはとても自然な”ファン・ミエ”だ。

本能のままに大声を上げ、肩に触れ、前髪が目に入って痒いのか瞼を擦る。

「チクチクするー」

そんなミエに、チョルもまた自然に手が伸びた。

「子供じゃねーんだから・・」

「観終わったら前髪切れよ。目に入ってんぞ」

そんな自然なチョルに、ミエもまた自然に返す。

「ふぁ〜い」

「もう見えてるってばー」

そんなミエを見つめるチョルの眼差しは温かかった。

それは妹の前で見せるような、心を許した人に向けるような、チョルの自然な顔・・。

 

そんな自分に、チョルはビックリした。

映画は終盤に差し掛かり、バスのスピードが50マイルを切る。

バスのタイヤは大きな音を立てた。

 

「うわっ!あれヤバ・・」

ミエがチョルの肩に手を伸ばしたのと、チョルが「食いもん持ってくる」と立ったのが同時だったので、

ミエはドスンとソファから落ちてしまった。

 

とうもろこしが、電子レンジの中で温められている。

ウイーンという電子音を聞きながら、チョルは一人キッチン台に手を置いて固まっていた。

後ろでミエがブー垂れている。

「ちょっと!ひどいじゃんー!頭打ったし!

チョルは考えていた。

先程感じた気持ちが何なのか、どうしてあんなにも自然にミエの髪に手が伸びたのか。

そしてそんな自分に、自分が一番驚いていた。

ついさっきの自分の行動と、ミエの顔が浮かぶ。

柔らかな髪に触れた時の、胸がこそばゆくなるような感情も・・。

 

チョルは「まさか」と思っていた。

そおっと、その感情が向かう先の彼女の方を見る。

 

 

「ビデオ一時停止するー?」

「ふわぁぁ〜」

そこには、自然すぎるほど自然に寛ぐミエがいた。

「何?とうもろこし?」

「田舎の時からずっととうもろこしだよねぇ。美味しいけど!」

 

チョルはやはり思っていた。

「まさか」と。

まさか自分が、ファン・ミエを————・・・・。

 

 

 

 


第八十話④でした。

おわーーー!!!これぞ「自然」!!

そしてもう自然に、チョルのテリトリーの中にミエがいるんですね〜〜〜

面白くなってまいりました!!

 

チョルの家でくつろぎまくってるミエが爆笑ですw

 

第八十一話①に続きます