青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
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第八十二話③

2023-03-28 | 第八十二話〜第八十四話

ミエは唇に手を当てたまま、チョルとキスをした後のことを思い返した。

 

 

ありえないことが起こりすぎて、二人ともふわふわと現実感がなかった。

ただ心臓の振動だけが、二人の間の空気を震わせる。

ミエの上唇から、たらりと一筋の血が流れた。

その赤い滴を目にした途端、チョルは現実に引き戻されたようだ。

バッ!

叫び声が、青い空に響き渡る。

「うわああああああ!!!!」

ミエが叫ぶならまだしも、誰よりも大きな声を上げたのはチョルだった。

そのチョルの狼狽っぷりに、ミエもファニもファニの二人の友人も、思わずポカンと口を開ける。

そこからのチョルはすごかった。

叫び、項垂れ、突っ伏し、壁に頭をぶつけ・・。

「うおおおおおおお!!

うわあああああ!!」

ブルブル・・・

「があっ!!うわぁあああ!!」

「ぐああああああああああああああああ!!!!」

ミエは呆気に取られた。

一通り暴れた大魔王は、ギッとミエに一瞥を食らわす。

 

ダダダダダ!!ドタッ!ゴロゴロ・・

ダダダダ・・・

チョルは叫び声を上げながら、そのまま走って行った。

ミエはなんのリアクションもできないまま、ただその場に残された・・。

 

 

半日経って、ミエは気づいた。

チョル、お前ものすごく失礼だぞ、と。

「クソーーーッ!!」

「ふっざけんなっ!!消えろっ!!なんであんたの方がテンパってんだよ!!

マジで超超超ムカつく!!!私はバイキンか!?バイキンだってか?!」

暴れ回るミエに、母が一喝した。

「早く布団入って寝なさい!!」

「めっちゃムカつくぅぅぅ!」

その日は夜遅くまで、ミエの叫び声とムンクの鳴き声が響き渡っていた・・。

 

[16歳、ファーストキスの夜は更けていく・・]

 

 

 

 


 

第八十二話③でした。

チョルの狼狽っぷりが・・

小さい頃にミエとからかわれた時も、チョルは叫び声を上げて逃げてましたね。

普段は冷静なチョルですが、ハプニングがあるとこうなっちゃうみたいです

 

第八十二話④に続きます