バッ
ミエはもう一度確かめることにした。
Eye to eye、目と目で通じ合うその確信を探して。
じーっ・・
「何・・」
ミエはひたすら見つめ続けた。
チョルがどんな反応を見せるかを見るために。
まるで超音波を発しているかのような眼差しで・・・。
バッ
「なんなんだよ?!」
チョルは勢いよく顔を逸らした。
「なんか言いたいことがあんのか?ふざけてねーでビデオ観ろよ!借りてきてんだぞ」
この反応は・・
ほお・・?
[この程度なら可能性は低いんじゃ?]
そんなチョルの反応を見て、ミエは次の作戦に出る。
<それなら二段階目は>
ミエの頭の中で、チヘ先生の教えが響いた。
[一段階目の反応で脈があったら]
[二段階目は、あんたから直接近づくの]
ターゲットが一人でいるところを見計らって、
自分から意識的に動けとチヘ先生は言った。
[偶然じゃなく]
[自然にね]
一緒に問題を解いている最中に、手が触れ合うハプニングなどあれば尚良い。
相手が自分をみるみる意識していくのを、きっと実感できるから。
[分かった?]
・・という教えが、ミエの脳内に降ってきた。
ミエは早速行動に移す。
「あーここ、端すぎてなんか集中できないわ」
「私もこっちで観るから、ちょっと詰めてくれる?」
そしてミエはドスン、と座った。
チョルのすぐ隣に!
「あーよく見えるわ〜」
<どうしたんですか?>
映画は続いていた。
チョルは突然距離を詰めてきたミエのことが理解出来ず、息を吐いた。
しかし近い。
腕が触れている。
すると次の瞬間、ミエがさらに距離を詰めてきたのだ。
チョルはそれとなくミエから離れた。
しかし間髪入れずに、再びミエはチョルに近づく。
気がつけば、ミエがチョルの方に体を預けていた。
チョルはミエの頭をぐいっと押し除けた。
あれ?チヘ先生の教えが通用しない・・?
[失敗]
ミエは考えた。
今のは”自然に”という条件から外れていたのかもしれない、と。
そこでもう一度、意識的に行動することにしたのだった。
第八十話②でした。
ミエってば積極的ー!!
そしてチヘ先生!小悪魔ですね!
なんだかドキドキしてしまいます
第八十話③に続きます