青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

第二十六話②

2021-07-29 | 第二十五話〜第二十七話

ミエが皆のアイスクリームを選んでいると、スンジョン姉さんが告白した。

「実は、私見たんだよね」「えっ?何を?」

「前に、ゴミ捨て場に二人でいるとこ」

「!!」

「タバコ吸いに外出たら、チョルが転んだりアンタらがわちゃわちゃしてんの見たの。超ウケた

忘れもしない3月1日、あの日の夜に、なんとスンジョン姉さんもゴミ捨て場に居たと言うのだ。

「泣いてんの?!」

ミエは、チョルに言われた”約束”のことを思い出していた。

「・・あの日、ゴミ捨て場で俺を見たこと」

「ただ喋らないでほしい・・そうしてくれるか?」

 

チョルの家で試験勉強をした時、念を押されていたのに。

どうしたらいいのか分からないミエは、ただただ動揺した。

「あ・・それは・・!あ・・あの・・」

スンジョンはそれも折り込み済みのようで、ミエが言葉を選ぶ前にこう言う。

「別に言ったりしないから、アンタも知らないフリしててよ。

チョルが知ったらショック受けるでしょ」
 

「・・どっちにしろ私も親も、大体分かってるからさ」

そしてスンジョン姉さんは、弟のことをゆっくりと話し出した。

「あの子はこれ以上、波風立てるような話は絶対にしない」

「あのことのせいであの子は黙りがちになったし、変なお願いをしても肯くことしかしなくなった。

私が何か言えば、あの子はもっと黙り込んでしまう」

 

下を向いて、心を殺して、ずっと何かに耐え続けているような弟を見るのは、

姉としては辛い。

スンジョンはそういった思いを、昔からずっと弟に対して感じて来た——。

「小さい頃からチョルは、大きな体と傷のせいでたくさん誤解されたんだ。

父さんの仕事の都合上転校もたくさんしたし、そのせいでだんだん口数も少なくなって、
 
もう家族にも何も言わなくなっちゃって」
 
 
「一年耐えて田舎に戻れば、全部解決できんのかな?」

前を向きながらそう話すスンジョン姉さんの横顔を、ミエは目を丸くして見ていた。

その真意を、心のアンテナでキャッチしながら。

スンジョンがミエにこう聞いた。

「アンタはどう思う?あの子のこと理解できる?」
 
「え?あ・・うーん・・」

「・・・・」

考え込んで黙り込むミエを、スンジョンは温かな表情で見守っていた。

視線の先に、家族の中に佇むチョルの後ろ姿が見える。

その背中を、ミエは今までとは少し違う気持ちで見つめている——。

「ねぇ、ミエ」

「一つ教えてあげよっか?」 「? はい!」

スンジョンはそう言って、ミエを自分の方に引き寄せた。

こっちこっち おお?

ヒソ・・

スンジョンはチョルの”秘密”を一つ、ミエに打ち明けた。

「呆れたでしょ?早く行こ。アイス食べよう」

少し憂いを含んで見えるその横顔を、ミエは見つめていた。

皆の前に出ると、いつものスンジョン姉さんに戻っていたけれど。

「はーいデザートですよ〜!」「あたしキャンディーバー!」

「・・・」

右側から見たチョルの横顔。目の下の傷が目立つ。

ミエは先ほど打ち明けられた”秘密”を思いながら、彼の横顔をじっと見ていた——・・。

 

 

 

 

+)おまけ

「あ〜ったく!」

「ちょっとチョル!

アンタのスニーカー、何でいつも片方しかないの?
 
せっかくお姉ちゃんが買ってあげたのにー・・」
 
無駄にリアクション見たくて何度か怒鳴ってみてる人

スンジョンがチョルに対して怒鳴ったり苛立たせたりするのは、

姉なりの心配の裏返しだったようだ。

もちろんチョルが置いて来たスニーカーの片割れの行方も、スンジョンは知っていた。

「あ、スニーカーはアンタが処分してね?」

いつまでも返せないスニーカーは、ずっとミエの部屋のタンスの上に置いたままだ。

どこか異質なそれはずっと、ミエの心の隅に引っかかっていた———・・。

 


第二十六話②でした。

みんなでお昼食べた後のデザートとしてコンビニでアイスを買う、っていうの新鮮ですね・・!

韓国ではあるあるなのでしょうか?(店にはデザートが置いてないってことなのか??)

 

そしてスンジョン姉さん・・!

いつもチョルをイラッとさせてたのは、姉ゆえの愛だったのですね〜〜!

↑こういうのもきっと、姉の愛(笑)

 

さてスンジョン姉さんが打ち明けた秘密とは・・!?

 

第二十六話③に続きます