「さようならー」
塾の授業が終わり、学生達はゾロゾロと帰路を急ぐ。
「先行ってて」「うんっ」
エレベーターは混んでいるので、ミエは階段を小走りで降り出した。
すると。
「おい、ファン・ミエ 」
振り返ると、そこにはキム・チョルが立っていた。
「あ・・うん?何?どしたの?」
なんだかちょっと期待 しながらミエは、階段の上にいるチョルに聞く。
もしかしたら一緒にネットカフェに行ってもいいと言ってくれるのだろうか・・。
しかしチョルの口から出たのは、予想もしていなかった話題だった。
「ピアス返したか?」
ピ ア ス・・・?
突然すぎて目がまん丸になるミエ。
何故チョルは、そのことを何度も聞いてくるのだろうか。
「あ・・ううん?」
「モ・ジンソプが誤解したらどーすんの?」
「それは俺がどうにかするから。とりあえずピアスを俺に渡せ」
チョルは淡々と要点のみを口にする。
二人が話している光景を、ホンギュとジョンウクが少し離れた所から窺っていた。
何だ? 何の話?
「あ・・だから一体どうして・・」
そこまで言ったところで、ミエはチョルの心の内をキュピーンと察知した。
「私のことが心配だから?!」
パアッと目を輝かせるミエ。チョルは青ざめて言い返す。
「なっ・・!」
「何だそりゃ!?なんで俺が・・!」
「それじゃどうして?バレるかも知んないじゃん!アンタだってそうなったら嫌なくせに!」
「このっ・・!いいから渡せって!俺がどうにかするから気にすんじゃねぇ!」
チョルがこう言い始めたあたりから、ミエの心の中に怒りの炎が燃え始めた。
「なんで?アンタこそ何を突然そんなに気にしてんの?」
「つべこべ言うんじゃねぇ!」
「何でこんな・・ただ渡しゃあいいんだよ!」
メラメラと、一気に炎は燃え上がった。
そしてミエは遂に、爆発したのである。
「やだね!!ふざけんなっ!」
「?!なっ・・!!」「あのねぇ!」
「アンタが知り合いだってのバレるのが嫌って言うから協力してるんでしょ
「ピアスの前に自分のスニーカー持ってったらどうなの?!
アンタのス二ィーカァー!!」
スニーカー・・!!!
突然スニーカーを引き合いに出され、チョルは頭が真っ白になってしまった。
ミエは捨て台詞を吐いてその場から走り去る。
「バーカ!」
ダダダダダ・・・
「・・・なっ・・何だぁ?!」
あんぐりと口を開けて青ざめるチョルを、
ホンギュとジョンウクは信じられない思いで見ていた・・。
「あ・・あいつ何なんだ・・キム・チョルに向かって・・」
第二十四話④でした。
ミエちゃんめっちゃ言い返すなww
チョル君も言葉足らずだな〜〜〜。
普通の子相手には通用するかもですが、ミエちゃんにはそれは通用しない・・。
お互いの距離感がまだまだつかめない感じですね。
この先に期待です!
第二十四話⑤に続きます