【執筆原稿から抜粋】
消極的なカルチャーにも古典が効く
①誤った正当化の他に、不祥事の原因が、②消極的で自己中心的なカルチャーでした。モノが言えない風土です。
このモノが言えない風土の原因は、勇気のなさです。この勇気も、美意識から導かれます。
勇気が出ないのは、美意識よりも保身を優先しているからです。
不正に対してモノを言うという勇気は、「このような不正を見逃してはいけない」という正義感であり、道徳、美学ないし美意識に基づきます。
勇気が出ないのは、美意識を感じなかったり、美意識を犠牲にしたりして、保身を図っているからです。
「これを言ったら干されて出世できなくなる…」という保身が勇気を挫きます。勇気とは世間的に後ろ指を差される覚悟であり、美学です。
このように、美意識に基づく勇気があれば、消極的なカルチャーも改善します。
美意識や道徳が、不正原因②の消極的なカルチャーへの対策となります。
そのヒントを古典から得るのが本書の役割です。