『夜と霧』のフランクル研究者で、勝田茅生(かやお)さんっていう、すっごい女性がいる。
彼女のこの本の素晴らしさに驚愕した。
↑の本は、アドラー心理学の第一人者の岩井俊憲先生によれば、「必読書」だと。
この勝田さんの本を他にも読まないと、と思って買ったのが、これ ↓
まだ読み途中ですが、いいエピソード(昔話、Anecdote)があったので、取り急ぎシェアします。
▼人生の重荷
一人の年取ったベドウィンが重い病気に罹り、人生には意味などない、と絶望していました。
一人の年取ったベドウィンが重い病気に罹り、人生には意味などない、と絶望していました。
彼はある日のことオアシスにやって来て、そこに生えている若い小さなヤシの木の傍らを通りかかりました。
この老人はすべてに不満で、何の夢も持てなくなっていたので、大きな石を手に取って若いヤシの木の上に乗せました。
そして「お前だったら こんな重荷をどう克服するか、見てやろうじゃないか」と悪態をつきました。
若いヤシの木は最初何とかしてこの重荷を振り落とそうとしました。風で左右に揺れて長い葉を揺り動かしてみたのです。
けれども何の役にも立ちませんでした。そこでヤシの木はもっと強くなるために地中深く深く根を伸ばし始めました。
そして最後にヤシの根は新しい水脈に突き当たったのです。深いところにある水と、空の太陽のお蔭で、このヤシは普通のヤシよりもずっと強くなり、大きな石を頭に乗せていてもどんどん伸びて行くことができたのです。
数年してから例のベドウィンがヤシの木を見るためにまたやって来ました。そこで彼は特別に丈の高いヤシの木を見ました。しかもその木の頂には石が乗っていました。
風の中で幹を傾けながらこう思っているかのようでした。
「あなたにありがとうと言わなくてはなりません。あなたの乗せたこの重荷は、私が弱さを超えて成長できるようにしてくれたのです。」
(オリエントの話)
(オリエントの話)
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とってもフランクル的!
似たような、マーガレット・サッチャーが好きだった言葉を思い出します。
同じ風に吹かれながら一隻の船は西に行きもう一隻の船は東に行く行き先を決めるのは帆の張り方であって風向きではない
この詩は、米国詩人のエラ・ウィーラー・ウィルコックスの『The Winds of Fate』(運命の風)だそうですね。
原文は:
One ship drives east and another drives west
With the selfsame winds that blow.
Tis the set of the sails
And not the gales
Which tells us the way to go.
Like the winds of the seas are the ways of fate,
As we voyage along through the life:
Tis the set of a soul
That decides its goal,
And not the calm or the strife.
って、エラい文語体でむずい!
同じ風を受けていながら
一隻の船は東に進み、
別の船は西に進む
行き先を決めるのは疾風ではない
それは帆の張り方なのだ
人生航路を進む時
運命の路は海風に似ている
ゴールを決めるのは
凪でもなければ嵐でもない、
それは魂の構え方なのだ
この邦訳は取り急ぎ こちら から拝借しました!