紀藤正樹弁護士が勧める広岡裕児『カルトと対決する国』。
70歳の、反家庭連合の方。全体的に論旨不明でした。文章力に難あり。
例えば、最後の212頁で「セクトは何か」は結局「愛とは何か」を考えることなのだ、とキレイにまとめようとしておきながら、その直前で「愛は…時にはそのために自分を滅ぼしてしまうかもしれない」って書いて、愛をディスっていたり。
その直後の締めでも、「セクト問題は宗教問題ではなく、…同時にセクト問題は、もっとも深遠な意味で宗教的な問題なのである」だって。意味不明、、、
その他のツッコミどころをいくつか。
■ 85頁の「統一教会の霊感商法が特定商取引法違反で有罪判決を受けている」は間違い。教会自体が有罪判決を受けたのではなく、判決を受けたのは信者。
家庭連合自体は、60年間、霊感商法で犯罪を食らったこともなければ、民事責任を問われたこともない。
■ 86頁で「そもそも宗教は荒唐無稽なのだ」。
…反カルトどころか、反宗教の立場を鮮明にしていらっしゃる。
■ この70才の広岡氏、「破壊的カルト」って言葉を冒頭から連発しているのが、昭和の宮村峻(たかし)さんっぽいです、、 今日び、その言葉誰も使いませんよ、、、
■ 135頁では
「欧州で(おそらくアメリカでも)日本式の脱会カウンセリングをすると拉致監禁という判決が出てしまう」。
おい、「日本式の脱会カウンセリング」、国際的にヤバいじゃないか!
■ あと、日本の「脱会カウンセリング」と海外の「ディプログラミング」は「まったく違う」と書いておきながら(37頁)、後藤徹事件に触れないのは、片手落ちで、卑怯だろう。
後藤徹事件では、いわゆるディプログラミングの違法性が、15度も、高裁で「違法」と認定されています。