吉田松陰は「狂」を愛した。
論語でも二番目に価値の高いとされる、「狂」。
ま、四の五の言わず、行動に移せ、って考え。
松陰自身も、旧姓「杉」と「吉田」を分解して「二十一回」って見つけて、自分を「二十一回猛士」と名付けた。21回の「狂」を実現しようとした。
その松陰に焚きつけられて、高杉晋作は「狂夫」「東海一狂生」と号し、山縣有朋は「狂介」と号した。
そんな松陰の漢詩で、
「狂愚誠に愛すべき、才良誠に虞(おそ)るべし」
ってのがある。産経新聞の阿比留瑠比さんがfbかなんかで引用していた。
調べると、、
狂愚誠可愛 / 狂愚は誠に愛すべきもので
才良誠可虞 / 才良は誠に恐るべきものだ
狂常鋭進取 / 狂人は常に鋭く新しい物事に取り組み
愚常疎避趨 / 愚者は常に危険を避けたりしない
才多機變士 / 才人には変節漢が多く
良多郷原徒 / 良識者とされる者は八方美人が多い
流俗多顚倒 / 俗世間の評価はしばしば転倒していると
目人古今殊 / 古今の人物を見れば殊更に思われる
才良非才良 / 才良など本当は才良ではないし
狂愚豈狂愚 / 狂愚のなにが狂愚であろうか
原文:『松陰詩稿』国文学研究資料館のデータベース
47頁の、左ページの、「狂愚」と題名のついたもの
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俺ももっとトチ狂わないといけませんなぁ。
何せうぞ くすんで
一期は夢よ ただ狂へ
閑吟集