私のような海外往査を得意とする人間には追い風ですね,このグローバル・ガバナンス強化の波が。
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2つめのポイントととして、監視体制の強化は欠かせない。
YKKは世界各国の工場のチェックを強化している。従来行っていた現場の自主点検、内部監査に加え、16年からは、外部の専門家に依頼して外部監査も始めた。
外部監査は四半期に1回のペースで主要工場を順次点検。湯本克也法務・知的財産部長は「中国、パキスタンなどアジアを中心に、監査対象の半分にあたる約10工場を回り終えた。19年3月末までに約15カ国・地域のすべての対象工場の監査を完了する」と話す。
きっかけのひとつは、中国工場が取引先の米小売りチェーンの監査を受け、従業員の労働環境改善を求められたことだ。
15年施行の英現代奴隷法など、海外ではサプライチェーンに従業員の人権や環境への配慮を求める法令が増えている。ファスナーを納入するYKKにも品質だけでなく、労務面でも自社の取引基準の順守を強く求めるようになっている。
取引基準は各国の法令よりも厳しく細かいが、受け入れなければ、取引停止の可能性もある。監査には社員約60人が専従し「事前に不備を発見し、是正することに注力している」(湯本氏)。