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新日鉄が買収されるとき!

2006年09月13日 | Weblog
■世界的規模で進む企業買収
 世界経済のグローバル化が進む中、M&Aが猛威をふるっています。特に歴史も浅いインド系資本のミタル・スチール(鉄鋼世界最大手)が、世界第2位のアルセロールに対するTOB(株式公開買い付け)を成功させたことは、世界に大きな衝撃を与えています。
 ニッケイネットはこの点につき、「鉄鋼世界最大手ミタル・スチール(オランダ)は26日、同業2位アルセロール(ルクセンブルク)に対するTOB(株式公開買い付け)に92%の株主が応じたと発表、ミタルによるアルセロール買収が決定した。8月1日付で取得手続きを終え、アルセロールを傘下に収める。買収額は株式交換と現金の組み合わせにより約248億ユーロ(約3兆6000億円)。粗鋼生産量が年間1億トンを超す巨大鉄鋼グループの誕生が正式に決まった」と報じています。
 世界の鉄鋼企業へM&Aを仕掛けているミタル・スチールが、やがて中国や日本などのアジア企業へ触手を伸ばしてくることは必然でしょう。日本の鉄鋼各社はどのように対応するのでしょうか。
■買収嫌いの日本企業?!
 ところで日本の企業は、M&Aが嫌いなのでしょうか。かつて日本の企業が世界を席捲していた頃や円高で企業買収に極めて有利な時でも、積極的にM&Aを行っていなかったように思います。
 もちろん一部の企業がアメリカの有名ビルを買い取ったり、ハリウッドの映画会社を買収したりしたケースもありましたが、数は多くなかったように思います。まるで日本企業は、企業買収が嫌い、苦手なようでした。
 本業で十分に利益を上げられるならば、余計なことをしたくない、と言うことでしょうか。たしかに企業が異なれば、文化も風土も人種も異なるのですから、むやみやたらに企業買収を行うことは、苦労が多く、余分なことなのでしょう。
 しかし、今はM&Aを行わなければ、自分の会社が買収されてしまう時代なのです。好きとか嫌いとか、面倒だとか、煩わしいとか贅沢を言える時代ではなくなっているのです。
 新日鉄も過去に積極的なM&Aを行っていれば、もしかしたら今頃は世界一の鉄鋼メーカーになっていたのではないかと思いますが、いまは買収に怯える毎日のようです。国内企業と株式の相互株持ち合いを進めたり、韓国の鉄鋼メーカーと提携を強化したり、株価の引き上げに努力したり、いろいろ苦労しているようです。
 日本企業が世界の多くの企業を買収する今日、逆に買われる企業も増えています。新日鉄が買収されないよう願っています。
                              以上