12時を少し回っていた。
バッゲイジクレイムを過ぎたところで大きな荷物はすべて回収された。
小さなリュックを右肩に掛けた私はゲートで歓迎を受けた。
富士山静岡空港の小さな出口は多くの人で埋め尽くされていたのだ。
拍手の嵐と生花の小さな薔薇ブーケを受け取り大きく息を吸った。
新鮮な香りが満ちている。
私たち一行はその香りの方向に導かれていった。
緑茶の香りが会場一杯に拡がっている。
その時、人型ロボットが私にお茶を勧めてきた。
「緑茶もございます、抹茶もございます。どちらになさいますか。」
落ち着いた女性の合成音が香りと共に私を包んだ。
「緑茶を」
人型ロボットは様々な言語を繰り広げていた。
小一時間、この場で軽食を済ませるとバスに誘導された。
何の変哲もない大型バスだったが、座席は広々と気持ちよい。
ここから2時間掛けて富士山の麓へ向かうのだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます