枚方市の南部地域にある香里ヶ丘団地中央公園内に地元の方の申し出による負担付き寄付として美術館が収受されることが、この3月議会で採択された。その後、初めて、住民の希望により周辺住民への説明会が開催されている。
私は改めて3月議会の総務常任委員会の審査報告書を読むことにした。それは、枚方市の第二清掃工場建設工事の談合事件が明らかになった時、当該工事が市議会で審議された当時の市議会記録を読んだ時の衝撃が忘れられないから。楠葉図書館で、分厚い報告書を読む中で、「談合」または「談合の可能性」が審議中にだされていたこと。何故、このような内容で審議がされていながら「談合は止めれなかったのか」という疑問が沸いた。数の力で、押し切られたのだろうが、その当時の市議会議員は何一つ責任をとらなかった。取れなかった。
今回の美術館問題での総務常任委員会の報告を読む中で、二人の議員が共通の問題点を指摘している。しかし、賛否の立場が異なっている。2議員の意見を多くの方に読んでいただきたいと思う。特に、多くの疑問を持ちながら公明党議員団、民主クラブ、みんなの党市民会議、自由民主党議員団の4会派を代表して発言し、賛成した議員の意見の中で指摘された問題点は、下記の通り(総務常務委員会報告書より 抜粋)
まず、そもそもの問題点としては、美術館を香里ケ丘中央公園内に建設することです。
もともと、本市では、交通の便のよい枚方市駅周辺において、一定の美術館機能を備えた総合文化施設の整備が予定されていました。そうであれば、総合文化施設建設予定地と比べて交通の便が大きく劣り、駐車場も十分に整備することができないと思われる香里ケ丘中央公園に単体の美術館を建設するのではなく、寄附金をいただく形をとり、その寄附金を総合文化施設内の美術館機能の整備に充てるべきと考えます。
香里ケ丘地区において美術館を建設したいという寄附者の意向があるとのことですが、本市の文化芸術活動を振興する観点からは、市内外から多くの来館者が見込めるとともに、文化ホール等との一体的な管理が可能になる総合文化施設に美術館機能を整備する手法の方がはるかにすぐれていることは明らかであり、寄附者の目的にも沿うものと考えます。
こうした意見は、この間、議員から何回も聞かれましたが、その後、美術館の建設計画が変更されることはなく、一市民が建設する美術館の敷地として市有地を提供するかのごとき本市の姿勢には、疑問を持たざるを得ません。まずは先ほど述べたような利点を説き、粘り強く寄附者の理解を求めるべきであったと、指摘しておきます。
また、香里ケ丘中央公園に単体の美術館を建設することにより、多額の維持管理経費が生じる点も大きな問題です。
美術館の寄附を受けることにより総合文化施設の整備経費は若干低減するものの、財政状況が厳しい中、浸水対策や子育て支援策を初め、優先的に行わなければならない施策を多数抱えている本市において、本市が美術館を直接運営することを前提に試算すれば、毎年度7,000万円前後の財政負担が想定されます。ほかの自治体の美術館を見ても、黒字での運営は容易ではなく、こうした財政負担が続けば、たとえ寄附により建設費用がかからなかったとしても、そのメリットは大きくはなく、むしろ負の遺産となる可能性の方が高いと考えられます。
この点については、本年2月の総務委員協議会で、指定管理者制度を導入し、隣接する香里ケ丘図書館と一体的な管理運営を行うことにより経費縮減を図ると説明されました。また、先日の代表質問における市長答弁では、市民や事業者から寄附を募るような手法も検討されるとのことです。しかし、これらの経費縮減策は、議会の指摘を受け、後付けのようにして出てきたものであり、本来であれば、実際の収支見込みなどを含め、あらかじめ議会に対し明確に示すべきものです。そのような資料もなく、加えて、同時に寄附を受ける美術品の価額等も明確には示されないといった状況の中で、本議案に賛成せよと言われても、議会として責任ある判断はできないと、強く異議を唱えます。
さらに、この寄附には、本市が収受物件を寄附者の承認を得ないで美術館以外の用途に供した場合、寄附者から請求されれば、建設費用を負担しなければならない旨の条件が付されています。
しかし、一定の年数が経過した場合や、美術館の管理運営経費の負担がかさみ、やむを得ず閉館する場合など、今後は、行政の合理的な判断として、美術館以外の用途に供する場合も十分に考えられます。
行政の合理的な判断に基づく用途変更の場合、寄附者は承認する旨の覚書を交わすなど、直ちに適切な措置を講じるべきとの意見がこの間出されていましたが、その後、寄附者との調整の中、本日提示されたような覚書の案が示されたことは、一定評価したいと思います。
また、本年2月の総務委員協議会では、「市立の美術館をもつということは、本市のイメージアップにつながる」との説明がありましたが、美術館を持つだけでイメージアップにつながると考えているならば、それは大きな勘違いと言わざるを得ません。
新たな美術館に市内外から多くの来館者が訪れ、その方たちがすぐれた美術作品の鑑賞を楽しんでこそ本市のイメージアップにつながるものであり、すべては今後の美術館運営に懸かっていると言っても過言ではありません。(略)
以上のように問題点指摘しつつ、多額の私財をなげうつ寄附者の熱い思いを受け止めさせていただき、本市の文化芸術施策の大きな核となることを期待して、賛成討論といたします。・・・・・私は、この発言での指摘からはどうしても「賛成」になるとは思えない。
私は改めて3月議会の総務常任委員会の審査報告書を読むことにした。それは、枚方市の第二清掃工場建設工事の談合事件が明らかになった時、当該工事が市議会で審議された当時の市議会記録を読んだ時の衝撃が忘れられないから。楠葉図書館で、分厚い報告書を読む中で、「談合」または「談合の可能性」が審議中にだされていたこと。何故、このような内容で審議がされていながら「談合は止めれなかったのか」という疑問が沸いた。数の力で、押し切られたのだろうが、その当時の市議会議員は何一つ責任をとらなかった。取れなかった。
今回の美術館問題での総務常任委員会の報告を読む中で、二人の議員が共通の問題点を指摘している。しかし、賛否の立場が異なっている。2議員の意見を多くの方に読んでいただきたいと思う。特に、多くの疑問を持ちながら公明党議員団、民主クラブ、みんなの党市民会議、自由民主党議員団の4会派を代表して発言し、賛成した議員の意見の中で指摘された問題点は、下記の通り(総務常務委員会報告書より 抜粋)
まず、そもそもの問題点としては、美術館を香里ケ丘中央公園内に建設することです。
もともと、本市では、交通の便のよい枚方市駅周辺において、一定の美術館機能を備えた総合文化施設の整備が予定されていました。そうであれば、総合文化施設建設予定地と比べて交通の便が大きく劣り、駐車場も十分に整備することができないと思われる香里ケ丘中央公園に単体の美術館を建設するのではなく、寄附金をいただく形をとり、その寄附金を総合文化施設内の美術館機能の整備に充てるべきと考えます。
香里ケ丘地区において美術館を建設したいという寄附者の意向があるとのことですが、本市の文化芸術活動を振興する観点からは、市内外から多くの来館者が見込めるとともに、文化ホール等との一体的な管理が可能になる総合文化施設に美術館機能を整備する手法の方がはるかにすぐれていることは明らかであり、寄附者の目的にも沿うものと考えます。
こうした意見は、この間、議員から何回も聞かれましたが、その後、美術館の建設計画が変更されることはなく、一市民が建設する美術館の敷地として市有地を提供するかのごとき本市の姿勢には、疑問を持たざるを得ません。まずは先ほど述べたような利点を説き、粘り強く寄附者の理解を求めるべきであったと、指摘しておきます。
また、香里ケ丘中央公園に単体の美術館を建設することにより、多額の維持管理経費が生じる点も大きな問題です。
美術館の寄附を受けることにより総合文化施設の整備経費は若干低減するものの、財政状況が厳しい中、浸水対策や子育て支援策を初め、優先的に行わなければならない施策を多数抱えている本市において、本市が美術館を直接運営することを前提に試算すれば、毎年度7,000万円前後の財政負担が想定されます。ほかの自治体の美術館を見ても、黒字での運営は容易ではなく、こうした財政負担が続けば、たとえ寄附により建設費用がかからなかったとしても、そのメリットは大きくはなく、むしろ負の遺産となる可能性の方が高いと考えられます。
この点については、本年2月の総務委員協議会で、指定管理者制度を導入し、隣接する香里ケ丘図書館と一体的な管理運営を行うことにより経費縮減を図ると説明されました。また、先日の代表質問における市長答弁では、市民や事業者から寄附を募るような手法も検討されるとのことです。しかし、これらの経費縮減策は、議会の指摘を受け、後付けのようにして出てきたものであり、本来であれば、実際の収支見込みなどを含め、あらかじめ議会に対し明確に示すべきものです。そのような資料もなく、加えて、同時に寄附を受ける美術品の価額等も明確には示されないといった状況の中で、本議案に賛成せよと言われても、議会として責任ある判断はできないと、強く異議を唱えます。
さらに、この寄附には、本市が収受物件を寄附者の承認を得ないで美術館以外の用途に供した場合、寄附者から請求されれば、建設費用を負担しなければならない旨の条件が付されています。
しかし、一定の年数が経過した場合や、美術館の管理運営経費の負担がかさみ、やむを得ず閉館する場合など、今後は、行政の合理的な判断として、美術館以外の用途に供する場合も十分に考えられます。
行政の合理的な判断に基づく用途変更の場合、寄附者は承認する旨の覚書を交わすなど、直ちに適切な措置を講じるべきとの意見がこの間出されていましたが、その後、寄附者との調整の中、本日提示されたような覚書の案が示されたことは、一定評価したいと思います。
また、本年2月の総務委員協議会では、「市立の美術館をもつということは、本市のイメージアップにつながる」との説明がありましたが、美術館を持つだけでイメージアップにつながると考えているならば、それは大きな勘違いと言わざるを得ません。
新たな美術館に市内外から多くの来館者が訪れ、その方たちがすぐれた美術作品の鑑賞を楽しんでこそ本市のイメージアップにつながるものであり、すべては今後の美術館運営に懸かっていると言っても過言ではありません。(略)
以上のように問題点指摘しつつ、多額の私財をなげうつ寄附者の熱い思いを受け止めさせていただき、本市の文化芸術施策の大きな核となることを期待して、賛成討論といたします。・・・・・私は、この発言での指摘からはどうしても「賛成」になるとは思えない。