おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

「挑む」Vol.9

2017-08-05 23:54:02 | 観たもの
 昨日、中之島のABCホールで、尾上松也さんの歌舞伎自主公演「挑む」を見てまいりました。大阪初御目見得でございます。「Vol.9」とありますので、これまで8回なさっています。最初の「口上」によれば、お父様をお亡くしになって、後ろ盾がなくなり、「自分で何とかしなければ道は開けない」と悲壮な覚悟でお始めになったそうです。最初はお客さんの入りもイマイチだったようです。それでも8回なさって、今年は9回目、来年は10周年です。続けていらっしゃるというのはそれなりにお客さんもついてきたのでしょう。愛之助さんの永楽館歌舞伎と被りますね。お二人ともワイドショーネタでブレークしてるし(愛之助さんは「半沢直樹」のおネェキャラ、松也さんはAKBの敦っちゃん)。ワイドショーネタになると、とりあえずお客さんは入ります。それがいいか悪いかはわかりませんが。まあ、興行なんで「入ってナンボ」ですから大事なことです。

 お江戸での公演のことはネットで見ていたので、どんなんやろかと興味津々で伺いました。が、そもそもの問題として、何でABCホールでなさったんでしょうね。プログラムの「協力」のところに松竹株式会社と並んで朝日放送があったので、その関係?キャパは200人ぐらいです。こじんまりとして舞台も近くていいんですけど、もひとつ歌舞伎観た感が薄いというか、何だかもやっとした気分でした。定式幕もあるし所作台もあるし劇場の構造を生かした花道もあるし…。周りのスタッフさんのせいかもしれません。スーツ姿の男性やいかにもアルバイトの女性がちょっと違うと思ってしまうのかもしれません。

 「口上」の後は國矢さんと蔦之助さんの「三社祭」です。お二人とも上手さでは定評があります。國矢さんはこの「挑む」で「切られ与三」の蝙蝠安をなさって(松也さんが与三郎)、それが良くて浅草歌舞伎でも同じコンビでなさいました。お二人ともキビキビした踊りで、要所要所の見えも美しく決まります。ただ、音楽がスピーカーから聞こえてくるんです。テープなんでしょうか?でも長唄さんも三味線さんも鳴物さんも皆さんいらっしゃってたので、裏で演奏されていたのでしょうか。でも、それだったら黒御簾から聞こえてくると思うのですが。スピーカーからって何だか興ざめします。踊りが良かっただけにちと残念でした。

 それが終わると「抽選会」がありました。第1回からずっと続けていらっしゃるそうです。少しでもお客様と近づきたいという思いからだそうです。何と、まぁ、皆さん、ここでワタクシ、出演者のサイン入りポスターが当りました!普段、ほとんどクジ運なんてないので、どうせ当りっこないわと思っていたら、席番号を呼ばれビックリしました。この抽選、結構な数の商品があって、20名近く当たるようになっていたような気がします。200名のキャパで20人だと10人に1人、当たる確率高いです。

 「抽選会」が終わって、30分の休憩を挟んで、「二人袴」です。一昨年の「挑む」で一度かかったことがあるそうです。狂言を基にした歌舞伎舞踊です。とにかく楽しくて面白いお話です。ご出演の皆様もノリノリでテンポよくお話が進みます。松也さんっていつも二枚目のお役なので、三枚目が入ったお役は新鮮でした。チームワークですよね。これまで8年間の積み重ねの“勝利”って感じです。勘十郎さん振付の踊りはやっぱり歌舞伎です。まだ19歳のまつ虫クンも後見がんばったはりました。まだ4月に入門されたばかりだそうです。初々しくて可愛らしい男子です。「がんばれ!」と思いました。

 来年もまたお見えになるんでしょうか。できれば「晴の会」とバッティングすることのないように願います。ついでに「双蝶会」と「研の會」も大阪へ来ていただけると嬉しいです。

 
 ABCホールの入り口

 
 
 中之島の夜景
 大阪にもこういうところがあるんです。コテコテばかりではありません。
コメント (2)
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