一言、云いたいね

社会の状況を見て一言云わせて貰う

乱立した美術館、博物館の行く末

2010-08-30 05:19:40 | 日記
バブル期以降、美術館、博物館が数百館できたが、その後のバブル崩壊で多くが運営に行き詰まり閉館の憂き目に会っている。そこに展示された美術品や工芸品、骨董品、文化財などはどのように処理されたのだろうか。借りたものは持ち主に返し、購入したものは他の美術館や博物館に移る、と云うのが一般的な見方だが、その運命は。
テレビの報道が総てとは思わないが、博物館を閉鎖するとその後処理には大変苦労しているようだ。特に日本は湿度と温度管理をしっかりやらないと直ぐにカビを生ずる。美術品などはカビが生えたら大事である。ところが、一部の閉館した博物館などは、展示品がそのままに放置されている。当然カビや錆が出てくる。
大体、博物館や美術館がどうして数百館もできてしまうのか。そこに就労する館長や管理職の殆どがお役人の天下りである。天下りの受け皿として開館したとしか思えない状況だ。本来の目的、即ち文化財の展示をして市民に観賞してもらうというのが目的ではないか。そもそも、市民に鑑賞してもらうというのが先ではなく、天下り先を作るという目的に沿ったものを作ったというのが間違いの元なのである。
国立博物館や国立美術館、一部の地方自治体が大鉈を振るって作った美術館は、多くの観覧者を集めている。その影には、どうにもならない博物館や美術館がわんさと並んでいる。私営であれば経営が成り立たなければ閉館するのは当たり前、しかし公営だとしたら問題は大きい。税金を投入しているからである。無駄遣いといわれても仕方がない。
美術鑑賞が日本人に認められるようになったのは戦後ではないだろうか。欧米には昔からこのような考え方があったが、日本人の多くは生活に追われてそれどころではなかった、と云うのが本音だ。今生活が比較的安定してきた、と云うことから、美術愛好家などが多くなった、そこにバブルがあった。別に美術館や博物館があること自体が問題なのではない。目的が浅はかなのである。
もっと深い目で文化財の保護を考えないと、古いものがどんどんなくなってしまう。まだ残っているもので、文化財として貴重なものが多くある。失われた文化財の復旧には相当のお金も掛る。博物館や美術館を建設する前に文化財の保護にもっと力を注ぐべきである。お金の使い方がどうもちぐはぐに思える。閉館した美術館や博物館は、ただほっぽって置くのではなく高齢者の施設として生かせないものか。廃物利用である。
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