民主党の設立経過を見ると、確かに複数の政党の寄り集まりだ。しかし、だからと言って、内部紛争に明け暮れていては何もできないし、何かやろうとしてもまともに進めなくなる。どの政党も同じだが、内部紛争をどのように減らし、どのように一致団結して進むかである。一人の政治家の力によって、政党そのものが左右されるのは仕方がないかもしれないが、政権政党であるということを忘れていないか。纏め役がいるのかいないのかもはっきりしなくなった今、民主党にとって何が必要なのか、誰も考えないのか。
来年は総選挙の年である。このまま解散をしないで来年まで持ちこたえられれば、4年間の任期が終了して総選挙に突入する。民主党にとって次の選挙でどこまで票を確保できるかである。今のままだと、130人程度しか当選しないだろう。問題は、どこが政権政党になるかだ。もし自民党が過半数を取れなければ、どこの党との連立政権となるか。連立政権となれば問題になるのが、政策協定になる。各党には夫々主張してきたものが存在し、それを実行するのが主眼である。
今の日本をどこに持っていくのか。特に周辺国との関係は極めて難しくなってきている。中国は、日本の領土に侵略しようと懸命になっている。いつ尖閣諸島の一つの島に中国人が上陸するか、予断を許さない状況だ。これをもし許したら既成事実として国際社会に中国が大きな声を出して宣伝するだろう。「侵略ではなく、領土の保全だ」と。国連の常任理事国である中国は、安全保障理事会で自国の正当性を主張して、自国に不利なことはすべて拒否権を行使するであろう。一度失った領土は再び日本には戻らない。戦争でも起きない限り戻らないのである。
民主党政権で、政権をとってから一体何が行われたのか。内部紛争に明け暮れていたような感じがする。もっとしっかりした政党かと思っていたが、やはり寄席集まりの政党のなれの果てなのか。内部紛争がここまで来ると、日本をどうするか、などという議論などできるわけがない。国土が侵略されようとしているのに、この体たらくではどうしようもない。但し、次の政権政党は、羊の皮を被ったオオカミかもしれない。そのことを国民が読み切れるかどうかである。表面的なことしか見えないと、選挙後にとんでもないことに遭遇することになる。後の祭りでは済まされないのである。