『絹遺産研究会』リポート 第9号
時折、雨が強く降ったり、止んだりする天候の中、6名の参加により第9回の「絹遺産研究会」例会を9月13日(火)午後1時30分より3時40分まで、県庁10階101会議室において開催しました。
前半は「生糸商標に関する調査研究の進捗状況について」と題して質疑を含めて約50分間、T越朗会員の発表です。
2月例会の「富岡製糸場の商標と輸出動向」についての発表を踏まえて、その後の調査研究の進捗状況報告です。
1.先行研究事例をCiNii(学術情報ナビゲーター)により検索したところ、N野恭彦氏が「生糸商標誕生前後」という論文を発表されていることが分かり、同氏に連絡を入れたところお会いできることになった。
2.N野氏は東京農工大で製糸商標コレクション目録の整理担当をされており、公開の予定日およびデータの入手方法等についての確認および関連文献等についての情報も収集したい。
3.商標条例(明治17年6月公布)における生糸類の出願・登録状況中、県内出願第1号は勝山善三郎、第2号富岡製糸所、第3号碓氷社の順であり、登録はいずれも翌年6月8日である。また条例公布後3年間の日本全体の商標登録における生糸類の占める割合等について。
4.商標の使用状況
以上のような内容について発表されました。先行研究者のN野氏とは近々お会いできるようですので、次回の発表が楽しみです。
後半はフリートークの時間です。例会出席者6名のうち5名が9月6日(火)から26日(月)まで富岡製糸場東置繭所で開催されている、「群馬県」および「シルクカントリー群馬連絡協議会」共催の「富岡製糸場と絹産業遺産群企画展」の解説に参加しており感想を語り合う場となりました。
1.富岡製糸場来場者の半数以上が企画展を見学してくれており好評。
2. ほとんどの人が世界遺産は富岡製糸場だけと思っており、PR強化の必要性を痛感。
3. 今回の企画展で4資産ある事を知ると同時に富岡製糸場との関連を理解できたとの声多し。
4.蚕の一生のアクリル樹脂入り展示ケースや絹・木綿などの実物に触れ体感することが出来 好評。
5.今回4市町は後援となっているが、共催となって既存展示資料等との関連性も解説できればより見学者の理解が深められるのではないか。
等々の感想がありました。
その他、M田副会長より富岡製糸場東にある韮塚製糸場遺構の補修工事が始まっているとの報告がありました。
(N.T記)