Wilhelm-Wilhelm Mk2

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華氏451がもはや預言書どころではない

2023-06-13 | Weblog
レイ・ブラッドベリの名作「華氏451度」(1966)で、焚書官の上司ベイティーが主人公モンターグにつきつける未来社会の現状。まさに今の現実世界である。

以下早川文庫「華氏451度:伊藤典夫訳」より

「そして大衆の心をつかむほど、中身は単純化された。むかし本を気に入った人びとは、数は少ないながら、ここ、そこ、どこにでもいた。みんが違っていてもよかった。世の中は広々としていた。ところが、世の中は、詮索する目、ぶつかりあう肘、ののしりあう口で込み入ってきた。人口の二倍、三倍、四倍に増えた。ラジオ、雑誌、本は、練り粉で作ったプディングみたいな大味なレベルまで落ちた。」

「20世紀になると、フィルムの速度は速くなる、本は短くなる、圧縮される。タブロイド。いっさいがっさいがギャグやあっというオチに縮められてしまう

「「ハムレット」について世間で知られていることと言えば、『古典を完全読破した時代に追いつこう』と謳った本にある1ページのダイジェストがせいぜいだ。わかるか?保育園から大学へ、そしてまた保育園へ逆戻り。これが過去5世紀かそれ以上もつづいている知性のパターンなんだ」

フィルムもスピードアップだ・・中略・・・要約、概要、短縮、抄録、省略だ。政治だって?新聞記事は短い見出しの下に文章がたった2つ。しまいにはなにもかも空中分解だ。」

時間は足りない、仕事は重要だ、帰り道にはいたるところに快楽がまっている

人間は夜が明けて服を着るあいだ、ものを考えるたったそれだけの時間もなくしてしまった

民衆にはより多くのスポーツを。団体精神を育み、面白さを追求しよう。そうすれば人間、ものを考える必要がなくなる

本にはもっと漫画をいれろ、もっと写真をはさめ、心が吸収する量はどんどん減る。せっかち族が増えてくる

われわれの文明社会は巨大なものであるからこそ、少数派に不安を抱かせたり、心をかき乱したりしてはならんということだ



ジ・オ進捗

2023-06-01 | Weblog
HGUCジ・オがなかなかに酷い。
とりあえず、頭を作り直し、胸の奥行きを詰め、胴のボリュームを増し、両肩を胴に密着させました。少しずつ自分の思い描くジ・オに近づきつつありますが、まだまだ先は長い。


市販されたジ・オの立体物の中では下のMIA版完成フィギュアが一番本物に近いのではと感じた。他にはボークスから出ていたガレキも素晴らしい出来だと思う。
ジ・オのプラモが長らく再販されなかったのは、ただ単に出来がよくなくて、作り直そうと画策していたのではないのか?と勘繰ってしまう。
ジ・オ(MOBILE SUIT IN ACTION!! 完成フィギュア)