つれづれ日記

不動産鑑定士 佐藤栄一が仕事や生活で感じたことをつづります

平成23年の福島県地価調査について(用途別2…商業地)

2011-09-26 12:26:09 | 不動産評価(専門)
今日は、「商業地」の動きについて述べます。

平成23年地価調査で、福島県の「商業地」の対前年平均変動率は▲7.5%となり、昨年の▲4.6%と比較して下落率が拡大しました。

その中で、郡山市磐梯熱海の商業地(郡山(県)5-10)が、▲15%となり、商業地としては全国一の下落率を記録しました。

この地点は県内を代表する温泉街です。

県内の温泉街は、放射線量の多少に関わらず「風評」によって客足が減少しています。8月までは避難所として利用されていた旅館も多かったのですが、8月末で避難所としての利用が閉鎖されたため、これからの先行きを心配する声が多く聞かれます。

県内の温泉街や観光地は、実際には放射線量が心配のない低いレベルのところが多いので、正確な情報に基づいて多くの方に訪れていただきたいと思います。

一般の商業地についても、進出を予定していた県外資本の店舗が震災後に出店を見合わせたりする動きもあり、全般に厳しい状況です。

県内に流入してきている震災支援の人たち(各業種の応援部隊の方々)によって、一部の繁華街は夜の賑わいが増しているという現象も生じていますが、経済の下支え要因としては弱いと思われます。


(9月20日付の「序」も併せてご覧ください。今回の地価調査の意味合いを掲載しております。)