労基法39条では、「使用者は、その雇入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない」と規定しています。
8割出勤が要件ですが、欠勤が2割を超えるためには週1日以上の欠勤ですから、かなりゆるい要件です。しかし年休を取得するためには、会社に希望する時季を指定しなければなりません。これが年休の請求になるわけですが、この請求をしなければ会社は年休を与えなくても違法とはなりません。
この年休の請求に対して、会社から拒否されることがあります。これは年休の取得を拒否されたのではなく、法的には年休取得時季の変更を求められたことになります。年休は、会社の都合で与えないとすることはできない、労基法上の会社の義務規定だからです。万が一就業規則に年休規定がなかったとしても、年休を請求することができるのです。
もし会社から年休の取得を拒否された場合には、時季をずらすための調整をした上で、年休の時季を確定させてください。この変更後の年休の時季は、労使双方ともに、再変更はできません。
年休の請求時に、年休取得の理由を聞かれる場合があります。あるいは自発的に、理由を伝えることもあるでしょう。しかし年休は当然に与えられる休暇ですから、取得に理由は必要ありません。会社から聞かれた場合には、もっともらしい理由を適当に答えておけばいいのです。それが後でうそだとわかったとしても、そもそも理由に答える必要はないのですから、問題となる余地はありません。
ですから、自分からあえて理由を告げる必要ありませんし、むしろ不用意に理由を告げることで、余計な詮索をされる可能性もあります。
もし離職の際に、年休が残っているようであれば、まとめて請求しても、会社は拒否することはできません。時季の変更ができないからです。と言っても、離職時の引継ぎは労働契約上の義務となっていますから、もし年休を取得したとしても、引継ぎをしっかり行わなければ、懲戒処分などのペナルティーも考えられますので注意が必要です。
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