今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

定番のローライ35の巻

2019年12月25日 20時40分00秒 | ブログ

クリスマスも終わって、いよいよ年の瀬になりましたね。みなさんは仕事納めは今週末ですかね?  私も今日は別の仕事で外回りやら最後の通院などでバタバタとしておりました。では、定番となりつつありますローライ35の整備をして行きます。

例によってレバー当てのボッチが欠けています。あ~作らないと・・面倒だなぁ。

 

 

ご依頼内容に裏蓋の着脱渋い。とありましたが、点検をして行くと、なぜかトップカバーの背面の平面性が出ていませんね。内側に丸まったようになっていて、これが裏蓋が引っかかる原因でしょう。最初から、あるいは使用過程で変形したのかは分かりません。多少、修正をしておきます。

ローライ35は不具合はどれも一緒なんですね。まず、スローが粘る。ファインダーが曇っているなのでメンテナンスと清掃をしておきます。

 

この個体は過去に修理を受けていて、ファインダーのレンズが接着をされており、分解が大変でした。

 

レバー当てを製作して内側から熱カシメをしておきます。

 

 

あとはレンズと絞り関係の清掃をします。

 

 

シャッター羽根を分解してレンズの清掃をして行きます。

 

 

前玉の清掃とヘリコイドグリスの交換。

 

 

ピント調整をしてピントリングを取り付けます。

 

 

そこで、裏蓋との嵌合がどうもしっくりと来ない。点検するとあら~、ストラップ金具部分が陥没しています。カバーも外側に変形気味。

 

ははぁ、この部分が本体と干渉していたんです。修正をしておきます。

 

 

トップカバーにも打痕がありますので修正しておきます。

 

 

遮光用の毛糸が剥がれていますので接着しておきます。

 

 

いやはや、何とか良いコンデションになりました。

 

 

続いてローライ35Sをやります。作業は同じですので簡単にUPします。

 

 

シャッターの低速不良とファインダーの清掃を終えたところ。

 

 

ローライ35SのSonnarは直進ヘリコイドのためインナーとアウターのヘリコイドがありますが、アウター側のグリスがカラカラの状態です。

 

シャッターの機構はローライ35と同様です。

 

 

シャッター羽根の作動が軽く動くことを確認しておきます。

 

 

完成したシャッターユニットを本体に戻します。

 

 

で、この個体はトップカバー横の留めネジの右側が欠落していましたが、ネジの規格がM1.4と細く、PENのM1.7では代用が出来ません。そこで、2本共、市販の汎用ステンレスネジの頭を丸ナベに成形研磨をして使いました。https://amzn.to/361MEKw

2台共良いコンディションとなりました。

 

 

http://www.tomys800.sakura.ne.jp/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


PEN-D2+PEN-Sの巻

2019年12月23日 20時40分00秒 | ブログ

まずPEN-Sの限定修理。シャッターは問題ないので駒数ガラスの接着外れを再接着して欲しいとのご希望。トッフカバーより下がっていますね。

 

しかし、巻き上げの感触がガチャガチャですので、スプロケット軸とスプール軸の組み直しもすることになりました。

 

20万台の個体は古いので内部の汚れもあります。駒数板はカビが生えています。

 

 

左半分清掃してみたところ。

 

 

かなり曇りとすり傷がありますが、幸いクラックはありません。古い接着剤を取り除いて研磨してから再接着をします。

 

清掃注油をしてトップカバーを取り付けて終了。

 

 

外観はきれいなD2ですけど、シャッターは不良で露出計は殆ど針が振れません。

 

 

過去に分解歴はありますね。

 

 

問題は電池室の液漏れが重症で、電池室を留める3本のネジが、すでに過去に緩めようとしてスリ割りを壊しています。最初に私のところへ来てくれたら、9割以上の確率で取り除いたと思いますが、こうなっては私でも無理です。

ネジ頭を削り落として電池室を取り除きました。しかし、残ったネジ部を取り除かなければなりませんが、液漏れによる腐食で緩むがどうか・・

 

結局、右側は取り除くことに成功しましたが、左側は無理でした。そこで、ドリルで削り取ってからM1.4のタップを立ててあります。やれやれ、予想外の工数超過です。

そこで、gooブログのシステム変更により、入力が全く安定しません。画像を置いてテキスト文字を入れると画像が突然消えてしまったり、テキスト文字の色が突然青になったりと、修正しながらの入力のため、従来の倍の時間が掛かっています。他のブロガーの方たちからもクレームの声が多くあるようです。かと言って、他のブログに移行するわけにも行きませんからね。しばらく更新は少ないかも知れません。ご了承ください。

PEN-Sの000番シャッターを基本として1/500の追加改良と絞り機構などにより部品点数は多くなっていますね。この個体のシャッターは殆ど使われておらず、保管状態もよろしいです。

 

D2、D3の電池室は液漏れにより腐食が進んでいるものが殆どです。構成部品を一つずつ磨き出していきます。電池蓋のネジ部の腐食は導通不良の原因となるので、ガラスブラシで研磨をしてから組みます。

 

こんなところですね。本当は塗装から修復してあげたら良いのですが工数がありません。私のところにも状態の良い純正ネジはありませんが、使用できる程度のネジを使って組んであります。皿ねじM1.4 ピッチ0.3 長さ4mmですので、+頭の代替品でしたら入手が可能です。https://amzn.to/373kA9K

完成したシャッターユニットを組み込みました。

 

 

露出計も正常に作動するようになりましたね。

 

 

前玉とリング類を組み立てます。

 

 

D2はDの改良版で、レンズはDと同じですが、受光素子をCdsに変更してEV3~17へ測光範囲を広げています。D3などより現存数が少ないので貴重な個体ですが、電池室の液漏れが無ければ美品だったのですけどね。ちょっと惜しい個体です。#1125XX 1964年9月製。

http://www.tomys800.sakura.ne.jp/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ヴェラ 4 テッサー50mm付の巻

2019年12月21日 21時04分10秒 | ブログ

もう一台ヴェラがありました。4型テッサー50mm付の露出計が付いているタイプですね。ブェラと言えば、このカーキ色ですが、軍用という訳ではないのですよね。ブラックモデルよりは格段に存在感がありますけどね。

 露出メーターは元気に作動します。

 

 

問題は例のシャッター不調と巻上げリングの戻り不良。

 

 

それとテッサーレンズの曇りがありますので分解清掃をします。

 

 

前回UPしているので簡単に・・シャッターは基本的に分解が出来ないのでユニットの部分洗浄と注油でスローも安定しています。

 

接眼レンズが極端に曇っていますが・・

 

 

2枚のレンズは基本的に分解が出来ません。スリ割りに見えるのはアルミ本体をかカシメてあるのです

 

清掃しない訳にも行きませんのでカシメを外して分解をしました。

 

 

右端に露出計ユニットが完結してセットされています。チャージリンケージの清掃、注油とファインダーの清掃をしておきます。

 

清掃しておいたテッサーレンズを取り付けます。

 

 

巻上げリングを回すとギャーと異音を発していましたが、非常にスムーズになりました。シャッターユニットや接眼レンズなど、基本的に再分解を想定していないカメラなんですかね?

http://www.tomys800.sakura.ne.jp/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


クロスバイクのオートライト化の巻

2019年12月20日 08時20分00秒 | ブログ

(業務連絡)

12/19に「ハーフミラーと全反射ミラー」の購入ご希望のメールをezweb経由で頂きました方。ご返事メールを数度差し上げていますが全て戻って来てしまいます。「受信制限」などされていませんでしょうか? あるいは別のアドレスからご連絡を頂けると助かります。よろしくお願いいたします。

息子の安物クロスパイクの電池式ライトが寿命で壊れたので、それでは世話無しのハブダイナモによるオートライト化をすることにしましたよ。ハブダイナモはシマノのADHC2100NQNとライトはLP-C2250で、従来のタイプより出力を6V-0.9Wに押さえて負荷を軽くしたタイプとのことで、それによりライトのON/OFFはなく常時点灯する方式。シマノではHILMO(昼も?)と称している。欧米では昼間も点灯する規則があるようで、1970年代のバイクでも、北米に輸出するモデルは国内用よりバッテリーの充電能力を高めた仕様となっていたのと同じ事情でしょうね。https://amzn.to/2tEnTWB https://amzn.to/2Z80KqS

なるべく費用を抑えるため、リムは手持ちの中古を使うことにしてスポークは36本で入手が出来るAENQIを使います。

https://amzn.to/2Q2PeJj

では、ホイールを組みますよ。まずどこでも良いので1本スポークを通します。

 

 

6本組みのイタリアンですから左下に落とします。

 

 

まず縦振れを取りながらスポークをざっと締め込んで行きます。

 

 

次に横振れを取って追い込んでいきます。

 

 

スポークテンションを測ります。まだユルユルです。

 

 

組み上がったホイール。抵抗が少ないと期待したほど回転は軽くはなく、ゴリゴリ感は大きいです。モーターと同じようにフェライト磁石とローターが入っているのですから当然と言えば当然ですが、リムダイナモよりはモーメントの関係で軽くなるのかな? しかし、これでは玉当たりなどは出来ませんね。

 

新品のリムバンドをセットします。このリムは英式パルプ用なので、フランス式になっているリムバンドでは口金の穴径が小さいので広げておく必要があります。

 

接続のコネクターはJ2-Aタイプです。

 

 

ライトはハンドルに取り付けるコンパクトなモデルを選びましたが・・

 

 

サス付きのフロントフォークですと、配線が伸び縮みして断線の危険があるかも知れませんので、可動個所をループにしておきました。これで、電池交換からは開放されますが、残念なのは停止するとライトも消灯してしまうこと。パナ製には信号待ち程度の時間、点滅をするものも存在するようです。自分でホイール組みをしても、もう少しで安いママチャリが買えそうな費用は掛かるのは考えどころですね。

http://www.tomys800.sakura.ne.jp/

 

 

 


レンズがねぇ・・PEN-Wの巻

2019年12月19日 20時00分00秒 | ブログ

土曜日はさ。定期診察で新宿に行ってましたが、最近は休日ダイヤでも車内は混んでいるね。新宿駅の人波の半分は外国人観光客で国際化かも知れないけど、私にとっては段々行きにくいところになって行くね。クラカメブームの頃に新宿周りをしていた頃が懐かしいです。で、帰ってからは息子の安物クロスパイクのライトが故障をして、じゃあ、お手軽なハブダイナモ式に改造しようと思ったのですが、これが意外に費用が掛かります。シマノの新しいハブダイナモは従来より出力を下げて0.9Wとして、その分負荷を軽くした規格です。ライトの定格も0.9W(従来は3W程度)のHILMO(ヒルモ)を選びました。リムは手持ちの中古を再利用することにしてスポークの長さを計算しました。国産のホシは72本でないと流通していないみたいなのでアマゾンで中華製? の36本入りを手配中です。入手出来ましたらそちらもUPします。そのように遊んでいたものですからカメラのUPが遅れました。m(__)m

遥々沖縄から来ました。念願のPEN-Wとのことですがレンズが曇っていますねぇ。PEN-W #1081XXはレンズにウィークポイントがありまして、保管状態の悪かった個体はレンズの劣化が進みます。飛行機の雲中飛行のように真っ白になった個体もあります。きれいなレンズの個体も過去には数例見たこともありますけどね・・

 

ファインダーもかなり曇っています。ということは未分解ということでしょうから、それはそれで結構でした。その他、シャッターの不調と2回巻上げなどがありますが、どうでも良いことです。

 

画像の方が実際の印象より透過光の影響できれいに見えてしまいます。

 

 

前玉の水滴状の汚れと後玉のバルサム劣化のダブルです。経験的に清掃はほぼ難しいのですが、オーナーさんのご希望ですので作業を進めていきます。

 

gooblogへ入力方法を問い合わせて復帰しました。シャッターをすべて洗浄して組んで行きます。このシャッターは画像のバネ1本で作動をしています。

 

本体側を組んで行きます。スプロケット軸とスプール軸の潤滑が切れている個体が殆どで、ガチャガチャ的に動きをしている物が多いです。

 

完成したシャッターユニット。状態は非常に良いです。

 

 

レンズは出来るだけ清掃をしましたが、バルサムのやり直しをやってくれるところがあると良いのですけどね。

 

PEN-Wはレンズにウィークポイントがありますので、入手をされる場合は直接確認が鉄則なのですが、オークションなどではそうも行きませんね。しかし、レンズのコンディションについて事前の質問はされた方が良いと思います。

http://www.tomys800.sakura.ne.jp/