今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

ローライフレックスTのメンテナンスの巻

2023年04月29日 14時30分00秒 | ブログ

今日辺りからゴールデンウィークに入ったのでしょうか? 旅行に出かける予定の方も多いと思います。コロナによって観光地や旅館などが影響を受けて疲弊していますので、海外資本に買収される前に経営の立て直しをして欲しいと思います。私も日帰り近場の行楽はしてみようかと思います。で、書くことも無い作業をしています。ローライフレックスTのメンテナンス。びっくりするようなきれいな個体ですが、裏蓋を外すレバーが折れています。交換用の部品が付いて来ましたが、すり傷があるのが残念です。

取付けようとネジを差し込んでみるとネジが入らない。良く観察すると微妙にネジ孔の大きさが異なります。ネジ孔を修正して取り付けます。

 

スクリーンやミラーも殆ど傷がありません。清掃のみをしておきます。

 

 

問題はシャッターです。低速が止まります。

 

 

スローガバナーのがガンギ車ですが、油切れでアンクルとの作動がスムーズに動かないのです。スローガバナーを分離して超音波洗浄後に注油をしておきます。その他レンズの清掃をしておきます。

 

いつも苦手なのがシンクロの取り外しと組立。たぶん専用工具があるはずですが、それが無い場合は四苦八苦します。良くこのような構造にしてあるものだと思います。専用工具を作ろうと思います。

 

固定用のリングナットを取り付けるためのレンチは製作してあるのです。

 

 

これは、古いモデルですがエンドウ製のNスケールEF58です。東海道線の特急「つばめ」などを牽引した通称「青大将」塗装機。HO専門メーカーがNに参入するために製作したものか? は知りませんが、デティールではカトーのプラ製EF58に負けますが、金属モデルの存在感はちゃんとあるのがお気に入りです。屋根回りのグレー塗装や前面のつかみ棒などは銀河モデルのパーツでデティールアップをしてあります。標準塗装機も所有していますが、今となってはレアなモデルかも知れませんね。現在立川にあるエンドウではなく、少し離れた位置に所在したエンドウ店舗でデッドストックとして売られていたもので、1輌 5,000円だったと記憶しています。

このEF10は国鉄最初の大型貨物機関車で、ワールド工芸の真鍮組み立てキットを組み立てたもの。ウィンドウケースに提示してあるため屋上にホコリが積もっている。EF53などの旅客用機関車よりは低速(ギヤ比)なので先台車は1軸になっているので、私の好きなデッキが少し短い。

これはEF13で同じくワールド工芸のキットを組み立てたもの。デッキの手すりや開放テコなどは真鍮線の手曲げで製作した。戦時設計の凸型だったものを戦後にEF58の旧車体に載せ替えられた姿。これらの車体組み立てはすべて裸眼で行っていたということ。今では考えられない。

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-ローライフレックス2.8Aのメンテナンスの巻

2023年04月27日 18時30分00秒 | ブログ

中古店様の在庫をメンテナンスしています。指摘された部分のメンテナンスをする限定修理ですが、このローライフレックス2.8Aはファインダー部分の汚れが多いです。フードを分離して見ると・・フードの開閉にテンションを掛けているローラーと板バネが激しく錆びていますね。本来は黒染めをやり直した方が良いですが、今回は錆を落として注油をして組みます。

スクリーンも汚れと黄ばみがありますので洗浄します。

 

 

ミラーは交換指示です。大判のミラーから切り出して交換しました。

 

 

レンズの清掃とシャッターの注油をしてあります。巻上げクランクは軽くスムーズですが、蝶番の部分のダンパーが利かずプラプラになります。

 

どう見てもベーク製に見えますが、この部品が摩耗しているのです。厚みを修正をして組み直します。

 

交換したミラーは返却のため保護シートを貼っておきましたら・・あらら、蒸着メッキが剥がれてしまいました。こんなに弱っているんですね。

 

で、空いた時間でボールドウィンです。製作した後ろのカプラースカートがスッキリし過ぎているのが気になっていたので、YouTubeの本物を参考にボルトを表現してみました。φ0.5の孔を開けて真鍮線を植え込んでからヤスリで削って表現します。部品としてボルトの頭を表現した部品も売られていますけどね。高いですから・・

本体に取付けたところ。中々良い感じ・・

 

 

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変更前ユニットのPEN-FVの巻

2023年04月25日 11時00分00秒 | ブログ

ここ数日は気温が上がったり下がったりで自律神経に影響してか体調が良くありません。まぁ、連休も近いですからボチボチやりますね。PEN-FV ##1141XX (1968.2月製)はFVの生産開始からちょうど1年目の個体と思われますが、ユニット的には変更前のユニットが使われている頃でセルフタイマーもギっギッギッって言うやつです。この頃の個体は意外に巻き上げは軽くスムーズなんですが、逆に言えばシャッターのメインバネが弱いと言うことです。で、生産の古い個体に良く見ますが、裏蓋を閉めた時の感触が「あれっ」と感じるのはラッチの動き渋くなると裏蓋側のラッチの強度が弱くて飛び越しているんですね。これを知らずに使い続けている個体もあります。側に削られた形跡が無いか確認してみてください。当たりを修正しておきます。

一見未分解に見えますが、過去に修理を受けている記録があります。何をしたのかは不明です。

 

オーナーさんからのご指摘は「セルフタイマーが壊れている」とのことでした。セルフレバーが途中で止まっているからそう思われたのでしょう。しかし、これは故障ではありません。この問題で故障と思い込みクレームを頂戴したこともありますが、巻き上げが完全に完了していない状態でセルフタイマーを掛けてしまうと画像のような状態で止まり、にっちもさっちも動けなくなります。この場合は、セルフレバーを巻き上げ方向に少し力を掛けながら巻き上げレバーを巻いてもらえば状態から離脱できます。設計上の問題です。

分解をして行くと「ポロッ」っとスプロケットギヤが取れて来ました。まだ触ってもいないのにです。これも稀にありますね。頭が薄いためにスリ割りを切られているネジ部の厚みが非常に薄いのです。ネジ部はスプロケット軸内に残ったままです。取り除いて別のネジを使います。

シャッターユニットは変更前のバネが強化される前のユニットです。シャッター幕に問題はありません。

 

古い個体はプリズムの曇りがありますね。これ、不用意に拭き上げをするとコーティングが剥がれてしまうことが多いです。

 

まぁ、何とか剥がさずに清掃しました。シャッターも調子は良いです。

 

 

それより問題なのは接眼プリズムの曇りです。モルトが原因ですが、モルト側左半分は助かりません。清掃で剥離します。

 

セルフレバーが若干お辞儀気味なので調整しました。これでメカの組立完成。

 

 

付属の40mmを清掃しています。前縁のフィルターリングは塗装されているようですので全て溶かして清掃しました。

 

25mmは里帰りレンズですね。よってレンズの状態は良好ですが、絞りリングが斜めになっていますね。当初はリングの上下入れ替えで確実に収まっていないのかと思いましたが・・

 

稀にこの不具合もありますね。ピンのリングに対してのカシメが外れてしまったのです。そもそもF用レンズでは無かった機構ですのでFT用として無理な設計をしてあり、カシメが非常に不完全になり易いのです。

 

再カシメをしておきますが、一度外れたカシメは利きません。接着剤併用としてあります。

 

絞りリングは水平になりましたね。リングは上下入れ替えない方が良いです。

 

 

FVとレンズ2本は完成。変更前のユニット仕様ですが、調子は非常によろしいと思います。

 

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キヤノン・デミのメンテナンスの巻

2023年04月22日 12時30分00秒 | ブログ

また、PEN-FTが事情で作業中止となりお帰りになりましたので予定が狂いました。オーナーさんとの認識の違いはトラブルの元ですので曖昧のまま作業はしません。で、次はキヤノン・デミでした。シャッター羽根の張付きやすい機種ですが洗浄をして行きます。で、左のちっこい旧型電機は・・

これも30年以上前に製作したED14です。小学生の頃、兄が所有していたカワイモデルのED14が大好きで、デティールアップパーツのメーカーだった銀河モデルからNゲージの真鍮キットが発売になるとTMS(鉄道模型雑誌)の広告で知り、すぐに電話をしましたら「まだ量産品は出来ていない、先行試作品なら出せる」とのことでしたのですぐに注文した個体です。N(9mm)ゲージでも真鍮製の車体を作って見たかったのです。デッキの手すりは真鍮線の手曲げに変更していますが、非常に良い雰囲気のモデルで、HO(16番)のカワイ製ED14よりも実機に近いシルエットをしており、お気に入りです。その銀河モデルの社長さんもお亡くなりになったと知りました。業界最古のカワイモデルも廃業されたようですし、立川で老舗の鉄道模型店「キョーサン」さんも2月で廃業されたようです。IMONなどの通販ショップに押されたのでしょうかね? 立川に残るのは「エンドウ」ですが、こちらは自社の製品や部品がメインですから、欲しい部品が揃いません。カトーやトミックスから16番のプラ車体が発売されていて非常に良く出来てはいますが、Nの拡大版にしか見えません。私たち世代は鉄道模型は金属モデルなんですね。

私も所有しているカラーデミ青です。トップカバー面にへこみがありますね。修正をしておきます。

 

 

トップカバーを外して巻上げ系の清掃、メーターの点検、ファインダーの清掃などをして行きます。

 

 

実像式の凝ったファインダー。接眼部を左にオフセットしたかったんでしょうね。レンズが曇っている個体が多いですが、この個体は接眼レンズのコーティングが劣化していますが、まぁ、使えレベルになります。

 

撮影レンズの方は前玉がコーティングの劣化とガラスのすり傷があり曇っています。別のレンズと交換した方が良いので、将来の交換を前提に組んでおきます。カラーデミなので潰せませんからね。

 

影を忘れました。シャッターのメンテナンスをして本体に取り付けたところ。留めネジ4本のうち3本が欠落した状態でしたので、4本共PENのネジM1.7(少し短く頭が大きい)を流用しました。同じ目的のネジなので問題ありません。テストの結果、手動絞りレバーの自動復帰がしない不具合有り。ダイヤルが⚡B以外の位置(EE)にある時はレバーにロックが掛からず戻るはずが引っかかって戻らない。レバーが付いている絞りリングに変形があるので修正をしましたが、リターンバネも弱っていて完治はしない。

前玉はこのようになっています。フィルターを装着していなかったための中央凸部分のキズとコーティングの劣化。これは交換する必要があります。

 

カバーを洗浄してモルトを貼りましたが、私はキヤノンデミとオートハーフのモルト貼りが苦手です。研磨をした圧板を付けます。

 

デミはレンズの分解には化粧プレートを剥がす必要がありますが、無理に剥がしてヨレヨレになっている個体が多いです。いずれ前玉を交換する必要があるので軽く貼っておきますよ。

 

きれいになりましたね。私も所有するぐらい青デミは好きですが、PENに比べて構造が複雑で部品点数も多いので工数的には厳しいカメラです。

 

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初期型なのに調子良いPEN-FTの巻

2023年04月20日 09時30分00秒 | ブログ

PEN-FTが2台続けて作業中止となりまして間が空きました。ボールドウィンですが、ロッドを作り直しても動輪の回転が引っかかる症状が直りませんでした。最後は蒸気機関車の動輪の「位相」を疑うしかありません。左右の動輪のロッドピンには90°の位相が付けられています。専用の測定器など所有していませんので、分度器で後ろ側の動輪のロッドピンを12時の位置にセットした時の手前の動輪のロッドピン位置を見ます。本来は0°であるはずが5~10°程度ズレているように見えますね。動輪をプーラーで抜いて修正をしてみることにします。

で、販売用のPEN-FT #1429XXです。初期型ですが非常にコンデションが良くきれいです。露出計も元気に振れています。返ってそれが変なのですけどね。この頃の露出計はダウンしていても不思議ではないからです。

 

トップカバーを外してみます。あ~やっぱりね。Cdsユニットが基板別体タイプに換装されています。この部品は生産の最後期の個体に使われているのと、SSでの補修用として修理に入って来た個体に取付けられたと考えています。この個体のオーナーさんもSSで露出計修理を依頼されたと考えられ、SSでの正規の修理を施されている個体と思います。

Cds部分はそれまでのユニットとは全く別物です。ファインダーからの逆光防止用のグリッドもありません。生前に米谷さんにこのユニットのことをお尋ねしましたが「そんなものは無い」と言っておられました。たぶん、生産技術辺りが担当してご存じではないのでしょうね。

接眼プリズムの清掃とモルトの交換をして取り付けます。

 

 

ハーフミラーも金色コートですから後期の部品です。Cdsユニットと同時に交換されたのでしょう。端から腐食が始まっていますが視野外なので清掃で再使用とします。

 

別体式になった基板を新たにネジ孔を加工して取付けています。

 

 

このように収まりますね。このユニットは補修用として後期に生産されたものですから新しいので作動は非常に良いです。返って交換されていてラッキーな個体です。

 

この42mmはFTの付属品として販売されるのかな? 私が欲しいくらい非常に状態が良いです。持病のレンズの曇りも全くありません。絞り羽根に油が付着した程度ですので清掃をしておきます。

 

元々コンデションの良い個体でしたし販売用のメンテナンスですから工賃を掛けられないため限定の修理でした。

 

カメラの作業が終わってから、動輪をプーラーで抜いて位相合わせをしました。考えてみたらHOのレールは所有していないので006P電池でテストをします。嘘のように軽く動きます。

 

集電ブラシからモーターまで配線して取りあえず組立完成。

 

 

つぼみ堂のボールドウィンは安全弁などが省略されているのでパーツは用意してありますが、あまりデティールアップをするとオリジナルでは無くなってしまうので考え中です。あとはボディーの塗装や下回りの黒染め処理をしようかと思っていますが、手直し修正もあるのでしばらくこの状態で良いかと。手前は30年以上前に真鍮キットで組み立てたコッペルですが9mmレールで走ります。1/87 HOナローなのかな? 昔はHOゲージは1/80でレールは16.5mmと思っていましたけど、最近は1/87や13mmとかスケールの種類が増えて良く分かりません。

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