温暖化の影響でしょうか、近年の春は「麗らかな」という天気が少なくなって雨や強風が多い気候になっていますね。しかし、やっと桜も咲いてお花見シーズン真っ盛りというところでしょうか。うちの奥さんも娘と井の頭公園に出掛けましたが私は残ってカメラ修理です。PEN-FVは変更前のユニットが使われている個体が多いですが、この#1101XXもすべての仕様がPEN-FTで言っても12万台付近の初期生産機になります。PEN-FVの発売は1967年2月とのことですが、この個体は1967年5月の生産ですから製造開始から4か月目ですね。
セルフタイマーユニットも当然「ジッジッジッ」と巻き上がる初期型が使われています。
FTの中期まではボトムキャップは文字通りアルミのキャップ(以後はシール)でしたが、接着が剥離しているケースがあります。前期型のFT(V)を所有されている方は一度アンダーカバーを外して点検してみることをお勧めします。
良く見ると、チャージギヤの両方に割れたベークのOリングがが付着しています。ベーク製はFVでは使わないシンクロの絶縁用かセルフタイマーのリンケージの裏側に接着されている規制用のOリングかのどちらかでしょう。
プリズムのコーティング汚れですが、慎重に清掃をしてコーティングは守られました。
セルフタイマーの作動域が足りずシャッターが切れません。前期のタイマーリンケージはシャッターのタイミングをネジで調整できるようになっています。
これは元々強度不足なのですが、圧板と板バネを留めるリベット(上側)が外れていました。まだ新品のストックも所有していますが、M1.4ネジによって補修しておきました。この時代のオリンパスカメラに共通の欠点で、無理に圧板を引っ張ったりすると簡単にリベット(ハトメ)が取れますのでご注意ください。
付属の60mmをメンテナンスしておきますが、経験的にPEN用のズイコーレンズはコーティングのカビなどは殆ど清掃ができないことが多いです。このレンズも後玉に・・
元々は60mm狙いの仕入れだったようですが、FV本体も調子良く仕上がっています。
トミーのリペイント (tomys800.sakura.ne.jp)