情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

小沢幹事長会見:大メディアが触れないこと、変えたこと~マスメディアは記者会見開放がそんなにお嫌い?

2010-02-02 07:34:11 | メディア(知るための手段のあり方)
 昨日(2月1日)の小沢幹事長会見でなぜ、大メディアが検察官の尻馬に乗って、リーク情報による小沢追い落としキャンペーンを繰り広げるのかが、はっきりと分かる事件があった。それは、小沢幹事長が、各省庁での会見について記者クラブ所属社以外のジャーナリストにも開放をするべきだと首相に伝える旨発言したことを大メディアが無視した事件だ。そう、これはもう、事件と呼ぶしかない。市民の知る権利をここまで蹂躙するマスメディアは報道の自由を単なる商売の自由としてしか考えていないということがはっきりしたのだ。2010年2月1日、この日のことは忘れない!

 ★朝日がネットで会見全文紹介する中で触れているとの情報をいただきました(http://www.asahi.com/politics/update/0201/TKY201002010310.html)。ただし、テーマとして取り上げてはいない…★産経本紙は、記者会見詳報の最後に、今後も自分の会見は開放したいということだけ書いてある。本来記事として価値のある、「首相に開放するよう進言する」趣旨の発言は書かれていない。それって小沢個人に会見を迫るための言質に過ぎないのでは?完全に趣旨を変遷させている。★衛星CS放送のアサヒニュースターの夕方6時からの「速報!記者会見」では、ちゃんと放送したとの情報をいただきました。頑張れ、朝日ニュースター!★



 まず、小沢会見のビデオを確認してほしい。

 民主党の頁(http://www.dpj.or.jp/news/?num=17638)から、


<ビデオ>
 300k
 http://asx.pod.tv/dpj/free/2010/20100201ozawa_v300.asx
 56k
 http://asx.pod.tv/dpj/free/2010/20100201ozawa_v56.asx

 のいずれかを視聴することができる。


 冒頭発言の後、最初の質問が記者会見に関するものだ。

 お忙しい方は、6分40秒あたりからだけでも見て欲しい。

 小沢幹事長は、これまで自ら記者会見を完全に開放してきたことを改めて説明し、今後もそうすることについて話したうえ、内閣、各省庁の記者会見についても、機会があれば、(首相に対し)そうやってほしい、開放するべきだという意見が出たことを伝えたい旨、明確に述べた。小沢幹事長が、各省庁における記者会見の開放に向けて、前向きな発言をしたことは非常に大きい。旧弊を打破する重大な発言であった。


 ところが、大メディアは、この発言を完全に無視している。例えば、共同通信は、小沢会見の要旨を次のように紹介している(http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010020101000775.html)。

◆◆小沢幹事長の会見要旨の引用開始◆◆ 

 小沢一郎民主党幹事長の記者会見要旨は次の通り。

 ▽冒頭発言

 先週、弁護人を通じて検察当局からもう一度話を聴きたいという要請があった。昨日(1月31日)、都内で3時間余り、いろいろな事項について説明を求められ、知っている限りの事実、記憶している事実を包み隠すことなく、すべて申し上げた。内容は、先日(の聴取)とほぼ同じだった。公正、公平な捜査については可能な限り協力してきたつもりだし、今後も協力していく意思に変わりはない。できるだけ早い機会に真実が明らかになることを望んでいる。

 ▽質疑応答

 記者 今回の事件の土地購入とは別に、資金管理団体から資金の出し入れがあったか。

 小沢氏 私の知る限り、記憶にある限りの答えをした。個々の問答についてはまだ捜査中なので、私が申し上げるのは適切ではないと思う。

 記者 秘書が不正献金を受け取った可能性は。内部調査をしたか。

 小沢氏 検証のしようがない。そのようなお金は受け取っていないと秘書たちも主張していると聞いている。

 記者 閣僚や党内から進退を含めた対応を求める声が相次いでいる。

 小沢氏 私が直接聞いているわけではない。そのことは別として、私自身が刑事責任を問われることになれば、それは非常に責任は重いと思う。私は闇献金とか裏金とか不正な金は一切受け取っていない。その意味で刑事責任を問われるという事態は想定していない。

 記者 資産を家族名義にしたと説明しているが、贈与税は支払ったのか。土地購入の原資の説明が変化している。

 小沢氏 女房や子どもの名義にして預金していたことは事実だが、資金は私のお金であり、女房、子どもに贈与したという認識はない。心臓病で四十数日間も入院したことが心理的に影響したのかと思っている。原資についての説明を変えたつもりはない。あえて説明する必要性は感じていなかったが、不正な金を土地購入に充てたという報道が出て、はっきり自己資金だと言うべきだろうと判断した。

◆◆引用終了◆◆

 記者会見のことはまったく触れられていない。もちろん、疑惑に関することを要約しただけだという言い訳はできるだろう。では、それ以外のところで、別の記事の形で取り上げないのはなぜか?

 これに正面から答えることのできるマスメディアはあるのか?

 その一方、時事通信は、「小沢氏、会見時間は17分=一方的に打ち切る」という見出しをつけたミスリーディングな報道をしている。この日の会見は最初から10分程度ということで開始されており、一方的に打ち切るという表現は正確ではない。

 小沢批判をする場合にはミスリーディングしてでも表現の自由について大々的に取り上げ、記者クラブに所属しない者の表現の自由を保障しようとした小沢発言は封殺する。


 小沢を失脚させたいのは、検察を含む官僚だけでなく、マスメディアもだってことがはっきりしたと言ってよいのではないだろうか。「記者クラブによる情報独占」を維持する利権をはじめとする様々な利権(格安電波使用料、地デジに伴う公費支出、キー局による地方局系列化、押し紙問題、再販・特殊指定問題…)を求めるマスメディアが、①放送行政に独立行政委員会がないこと、②新聞テレビが系列化していること(クロスオーナーシップ)、③広告代理店が寡占状態であること(一業種一社制の不採用)などの構造によって、政府にコントロールされてきた。民主党は、それらの旧弊を一気に打破しようとしているのだから、狙われる理由は十分にある。

 この日の小沢会見について、「立件されたら辞任」と発言したという趣旨で大々的に展開したマスメディアも多い。しかし、正確には、上記共同通信のとおり、「私自身が刑事責任を問われることになれば、それは非常に責任は重いと思う」と言っただけで、刑事責任を問われるというのが、どのレベルのことを指すのか、いかなる犯罪に関するものについてどのような責任をとるのか、まったくはっきりしていない。本来、「それはどういう意味か」と詰めたうえで報道するのが当たり前なのに、あいまいな発言に飛びついて(時間がなかったという言い訳は通らない。この後もうひとり聞いているのだから、大声で、責任とはどういう意味か、と聞くことは簡単だった)、立件したら(逮捕あるいは起訴)、辞任というように世論を誘導しようとしている。

 起訴なんて、無罪覚悟でやれば、簡単にできてしまう。いま、検察は、先日出所した三井環氏による裏金疑惑の本格追及と、検事総長が政治家の職となること、取調べの全面可視化について、非常に恐れている、とネットなどではどんどん情報が流れている。大きくはずれてはいないはずだ。

 そういう事情を抱える検察が行う恣意的な捜査、それを支えるマスメディア、その共犯的世論醸成によって、与党幹事長職が左右されてはならない。



 正直、怒りよりも悲しみが先に立つ。

 でも、怒らなければ、社会は変わらない!

 この「記者会見開放問題無視事件」をより多くの方に伝えていただきたい。リアルでも、仮想空間でも!

 



【ツイッターアカウント】yamebun


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