情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

ワルは警察だけじゃない、検察もグルだった!~志布志事件でっち上げの真実…全市民必読!

2010-01-29 01:53:27 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 まったく存在しなかった公職選挙法違反事件がでっちあげられた志布志事件。この事件の闇はさらに奥深かった。合同捜査会議で語られた真実、警察がでっちあげた事件を検察が後押しする驚愕の事実…。小沢に対する検察捜査に疑問を抱くあなた、そして、検察官が不法なことなんてするはずがないと信じているあなた、この本を読むと、警察・検察がいかに暴走しやすい組織であるか、取り調べの可視化がなぜ必要なのか、分かるはずだ。

 筆者は、鹿児島総局長として、記者を叱咤激励し、志布志事件の問題点を明るみに出した朝日新聞梶山天記者(特別報道センター所属)。被告人全員無罪から3年たった今、当時の関係者を徹底取材して志布志事件の全貌を把握した。その驚くべき真実=検察の問題点を世に問う書『「違法」捜査 志布志でっち上げの真実』(角川学芸出版、予価2100円)を2月10日発行する。

 この志布志事件、あれだけえん罪として報道されたにもかかわらず、警察庁が作成した「富山事件及び志布志事件における警察捜査の問題点等について」というレポートでは、富山事件については、冤罪であることを前提として、なぜ、捜査段階で無実であることがわからなかったのか、という方向で書かれているにもかかわらず、志布志事件については、無罪となったのは捜査の不備であり、適切な捜査を行っていたら有罪となったかも知れないことを前提としたものとなっていた。

 犯罪が現実に発生したが、犯人ではない人を刑務所に送った富山事件と、そもそも犯罪など発生していないにもかかわらず、犯人をでっち上げた志布志事件。より反省すべきが後者であることは明白だったにもかかわらず…。

 当時の反省しない警察の姿とそれを支える当時の自民党鳩山法相の姿を前に、【鳩山法相「冤罪」発言は、志布志事件「実行説」を前提とする確信犯~反省しない警察へのエールと判明 】(http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/14165ad6102455728ec00c8edf58bf59)という記事で、

【本件被疑者の中には、会合出席者の服装や会合での料理や酒の種類、現金在中の封筒の特徴等についてまで詳細に供述している者がおり、当該供述について、取調べ官も供述調書を作成しているが、判決では、会合で初めて会い名前すら知らなかった者の服装等についてまで供述し、また、会合でのつまみの種類だけでなく皿の形状や数等についてまで詳細に言及されている点は、「詳細すぎてかえって不自然との感が否めない」だけでなく、酒を飲まない被告人が出されたビールの銘柄まで供述している点も、「真に記憶に基づく供述であるのか、疑問である」と指摘されたところである。
 買収事案の背景となった会合について迫真性のある具体的かつ詳細な供述を得ることは、この種の捜査上極めて重要であり、供述内容が詳細であること自体を決して問題視すべきものではないが、具体的かつ詳細な供述内容が客観的事実と矛盾しないか、自然性が担保されているかといった幹部による供述の信用性の吟味が十分でなかったと言わざるを得ない。】(13頁)といかにも幹部の指導でもう少し現実的な調書すれば有罪となったのにと言わんばかりの勢いだ。

などと指摘した。

しかし、なぜ、富山事件では反省できるのに、志布志事件では反省しないのか、その疑問は解けなかった。


 その疑問が今回の梶山記者の著作で氷解したような気がする。

 検察官が、いや、検察庁が、でっち上げであることを知りながらも、いったん、起訴した以上、最後まで行く、そう決めたために、突っ走ることとなった事件だけに、警察だけに完全なでっち上げであることを認めさせることができず、このような表現で落ち着いたのだろう。

 警察・検察リテラシーを高めるために本書は必読だ。

 この書を一人でも多くの人に伝えてほしい。

 そして、ただちに、予約をしてほしい。

 そうすれば、さらに大きく取り上げられることになるはずだ。

 何度も冤罪が発生したが、制度的改善には至らなかった。今度こそ、この書を広めることで、日本の暴走警察・暴走検察に歯止めをかけるための有効な手段、取り調べの可視化を実現させよう!

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