情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

最高裁が秘密警察国家への道を許容!~信じがたい判断に呆然、そして激しく怒!

2009-08-13 23:47:49 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 今日、机の上を整理していて、少し前の最高裁判決がでてきた。いや~、久しぶりに最高裁の判決で驚かせていただきました。まさに、時代錯誤も甚だしい!

 法務省から警察庁に出所情報が提供される制度の運用をめぐり、対象となる罪名などの公開を弁護士が新潟県に求めた訴訟の判決で、最高裁第1小法廷が7月9日に下したもの。一審、二審は、非公開とした県の処分を取り消していたが、最高裁はそれを破棄、弁護士の請求を棄却した。

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090710090023.pdf

  出所情報提供制度については、2005年に開始されたが、その際、警察庁は通達「凶悪重大犯罪などに係る出所情報の活用について」を全国の警察本部に発していた。争点は、この通達に記載された対象罪名を公開すると、新潟県条例で規定された「公開すると捜査に支障を及ぼす」ことになるか否かだった。及ぼすとするならば、非公開を認めることとなる。

 東京高裁は、

(1)本件通達に基づく出所情報活用の制度の対象が二十数罪種に及び,対象者は出所者全体の8割程度の数になること,すなわち,出所者の大部分が上記制度の対象にされていることは,報道等により公表されているのであるから,重い犯罪を犯して刑に服したという自覚のある者は,「出所者の入所罪名」及び「出所者の出所事由の種別」に係る情報が公にされるのを待つまでもなく,自分がこの制度の対象とされていることを当然に認識し又は認識し得る状況にあるものと考えるのが自然である。そうすると,上記情報が公にされることによって初めて,重い犯罪を犯して刑に服したという自覚のある出所者が警察への対抗措置を講ずることになるとは認め難い。

(2) 本件文書のうち「出所情報ファイルの有効活用」に係る情報の記録された部分は,わずか3行程度にすぎず,本件通達が警察内部の運用指針を示したものであり,個別具体的な犯罪の捜査に関するものではないことを考慮すると,上記情報に,これを公開すると犯罪の捜査等に支障を及ぼすおそれのある内容が含まれていると考えることは困難である

として、非公開を認めなかった。

 つまり、重罪と思われる犯罪で受刑した者は、出所情報に掲載されていることはほとんどわかっているから、いまさら、罪名を明らかにしたとて支障はない、ということで、至極当然のことだ。

 これに対し、最高裁は、

(1)「出所者の入所罪名」及び「出所者の出所事由の種別」に係る情報が公にされた場合には,出所者は,自分が出所情報ファイルの記録対象となり出所情報の活用の対象とされるかどうかなどについて,単なる推測にとどまらず,より確実な判別をすることが可能になるということができる。

(2)さらに,前記事実関係等によれば,本件通達は,提供された出所情報を犯罪捜査に利用することとし,その有効活用等を図ることを求めるものであるから,「出所情報ファイルの有効活用」に係る情報を公にすることは,一定の限度においてではあるとしても,出所情報ファイルを活用した捜査の方法を明かす結果を招くものといわざるを得ない。

(3)そして,犯罪を企てている出所者が,自分が出所情報ファイルの記録対象となっていることなどを確実に知った場合には,上記の入所罪名等の情報が広く送付されていることをも知ることとなって,より周到に犯罪を計画し,より細心の注意を払ってそれを実行しようとする可能性を否定することはできない。また,犯罪を企てている出所者が,その出所情報を活用した捜査の方法をその一端でも知ったときは,その方法の裏をかくような対抗策に出る可能性があることも否めない。

として、罪名などの情報を公にすると犯罪の捜査等に支障を及ぼすとして、非公開を認めた。

 アンビリーバボー!

 ええか、警察は、われわれの税金で出所者情報を管理しているんやでぇ!そしたら、どういう情報を管理しているかを知るのは当然やろ。もしかしたら、重罪なんていいつつ、軽犯罪まで管理して無駄な税金を使っているかも知れんやろ!油断したら、すぐに予算を拡大し、天下り先をつくるんやから。

 それに、そもそも、出所者側かて、自分の出所情報が警察に管理されているのか、どうかを知る権利くらいある!もう刑務所で罪を償ったんやから、本来は通常人と同じ扱いのはずや。それにもかかわらず、情報を管理されているんやから、どういう情報なのか、自分が管理されているのか、ぐらい教えたるのが、当然や!

 え~、【犯罪を企てている出所者が,自分が出所情報ファイルの記録対象となっていることなどを確実に知った場合には,上記の入所罪名等の情報が広く送付されていることをも知ることとなって,より周到に犯罪を計画し,より細心の注意を払ってそれを実行しようとする可能性を否定することはできない】やて!

 ドあほ!出所者は犯罪予備軍か!裁判所が刑務所に被告人を送るのは、更生を図るためやろが!そしたら、出所者を犯罪予備軍扱いすんな!

 犯罪を企てている者を全部管理しなきゃいかんなら、盛りのついた若もんは、全部●◎に勃起探知機でもつけさせろ、っての。ほんまにアホか!

 なんでもかんでも警察のことを秘密にしよったら、そのうち日本はゲシュタポ国家や!

★画像は、子ども対象・暴力的性犯罪に係る受刑者の場合にいかなる情報が収集されているかを示すものだ。これだけの情報が開示されているのに…。 




【PR】






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。


最新の画像もっと見る