情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

議員だけは相続税を脱税できるままにしておこう、という自民党に投票するのはいったいどういう人?

2009-06-10 08:12:05 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 国会議員の世襲制限について自民党が事実上先送りし、小泉家の世襲も安泰となった。現在の制度の問題点は、単に親族が地盤を引き継ぐことを放置しているというだけでなく、政治資金の受け皿である資金管理団体について、親族間で継承することが可能としていることが問題だ。ようは、政治家は相続税を脱税できるってこと。それが政治をファミリービジネスにしている最大の原因だろう。この脱税システムをまずなくすことが重要だ。

 政治資金規制法をみてみると、政治資金を管理する資金管理団体についての規定はあるが(19条)、いかなる場合にその団体が解散するか、などということは規定されていない。

 ただし、19条1項には、

 【公職の候補者は、その者がその代表者である政治団体(第3条第1項第3号の規定に該当するもの、第5条第1項の規定により政治団体とみなされるもの及びその者以外の者を推薦し又は支持することを本来の目的とするものを除く。)のうちから、一の政治団体をその者のために政治資金の拠出を受けるべき政治団体として指定することができる。】

 とあるから、特定の候補者が活動をするための団体であり、代表者が死亡すれば、当然、解散するのが普通のようにも思える。


 ところが、19条2項の

 【公職の候補者は、前項の指定をしたときは、その指定の日から7日以内に、文書で、その旨、その者に係る公職の種類並びにその指定をした政治団体(以下「資金管理団体」という。)の名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名を、当該政治団体の第6条第1項各号の区分に応じ、当該各号に掲げる都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に届け出なければならない。】

という規定を受けた3項には、

【前項の規定による届出(以下「資金管理団体の届出」という。)をした者は、次の各号のいずれかに該当するときは、当該各号に定める日から7日以内に、同項の規定の例により、その旨(第3号に該当するときは、その異動に係る事項)を届け出なければならない。
1.第1項の指定を取り消したときその取消しの日
2.資金管理団体の届出をした者が公職の候補者でなくなり、若しくは当該資金管理団体の代表者でなくなり、又は当該資金管理団体が解散し、若しくは第1項に規定する政治団体でなくなつたときその事実が生じた日
3.前項の規定により届け出た事項に異動があつたときその異動の日】

とある。
 
 つまり、【資金管理団体の届出をした者が(中略)当該資金管理団体の代表者でなくなり】(3項2号)という場合が予定されている。つまり、代表者を変更することが可能なのだ。そして、この変更には単に届け出で足りる。

 これこそが相続税脱税マジックだ。

 公職の候補者は、自らの資金管理団体には、無制限で寄付をすることができる。そして、その寄付を移した先の資金管理団体の代表者を子供にしてしまえば、「はい、相続税の合法的脱税の完成」というわけだ。

 冒頭の届け出書は、京都府のウェブサイトからダウンロードしたものだが、このような形で簡単に相続税脱税ができるというわけだ。(例として皮肉った、小泉某氏の「新」「旧」を逆にしてしまったが、ご勘弁)

 産経新聞ウェブ版(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090531-00000541-san-pol)でも

 【総務省政治資金課によると、政治資金規正法には「相続」についての定めがなく、仮に資金管理団体そのものを子供に継がせても、「ただ単に代表者の名前が代わるだけ」(同課)との解釈で、相続税がかかるわけではない。

 また、子供が別の資金管理団体をつくり、そこへ資金を移す場合も、政治団体間の寄付は年間5000万円まで認められており、税金はかからないという。

 小渕優子少子化担当相の場合、父の恵三元首相の死後、平成12年から13年にかけ、別の政治団体を経由した寄付という形を取り、約1億2000万円が優子氏の資金管理団体に移された。

 世襲に批判的な木原衆院議員は「今の時代、選挙資金集めは難しく、(世襲に比べて)資金面ではやはり大きな不利があった」と自らの選挙を振り返り、「政治家への寄付は個人の政治活動に帰属するお金。それを親族が『相続』して政治活動をするのはおかしい。いったん国庫に信託するなどの規制が必要」と訴える。】

という解説がなされている。



 民主党は、この政治資金団体の親族間の移動を禁止するなど、相続税脱税問題に真剣に取り組もうとしている。

 しかし、自民党はまったくやる気がない。

 自分たちの相続税を脱税するシステムを温存させるような政党に、私たちの生活を委ねていいはずはない。

これだけのことが明らかになってもまだ自民党に投票する人って、マゾ?


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