情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

普天間移設で米国務長官が現行案受け入れ要請のため大使を呼んだというが、違うでしょう(^^)

2009-12-23 09:18:39 | 有事法制関連
 毎日新聞が昨日(2009年12月22日)の夕刊一面で、【クリントン米国務長官は21日、国務省に藤崎一郎駐米大使を急きょ呼び、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題に関する考えを伝えた。クリントン氏は日米合意計画が望ましいとの米側の立場に変わりがないことを改めて強調し、両国関係に深刻な影響を及ぼさないよう早期の受け入れを促した】という記事を掲載した(http://mainichi.jp/select/world/news/20091222k0000e030014000c.html)。【大使を突然、国務省に呼び出すのは極めて異例。鳩山政権の移設先決定の先延ばし方針について、米側が懸念を持っていることを裏付けたものといえる】(同紙)ということだ。しかし、これはやらせの可能性90%だね。

 国務長官という分単位のスケジュールで動いている人物が、アポもなしに日本の大使(こちらもきわめて多忙)を呼びつけるなんてことがあるはずがない。

 もし、そういう状態での呼び出しを受けたなら、【藤崎大使は会談後、異例の形での会談となったことについて「重く受け止めている」と記者団に語った】(同紙)り、【「日米関係を重視している立場から改めて考えを伝えたいと先方から話があった」と説明した】(同紙)りしないで、まずは、首相に報告するでしょう。

 ところが、首相は、【鳩山由紀夫首相は22日朝、クリントン長官と藤崎大使の会談について「たぶん、『日米関係は大変重要だ』という認識の中で、普天間(問題)に対する基本的な姿勢を示したのではないか」と述べた】(同紙)といっている。【たぶん】ってことは報告がまだってことでしょう(もちろん、鳩山首相が本音を言っているかどうかは不明だが、少なくとも、大使は長官との会見後まもなく、記者団に発表しているようであり、首相に報告する前にリークしたことは間違ないなさそうだ)。

 本当に重大な呼び出しで本当に重要な話があったら、おそらく、大使は仮に国務省に行ったことがばれたとしても、誰と会ったかさえ、ノーコメントで押し通すはずだ。それをしなかったのは、この会談が、辺野古移転を推し進めるために日本側からセッティングされたものだからだろう。

 つまり、(米国一国主義を通してきた外務省の代表たる)大使は、民主党が辺野古移転に躊躇していることを憂い(米国一国主義の先輩後輩の出世などがその憂いの原因だろう。国益よりも省益を、ということだ)、なんとか、従前どおりの植民地外交を継続しようと考え、事前に、国務省の役人に対し、

A:時間があったら大使が長官に会いたい、時間はいかなるときでも都合をつける。

B:会うときは、長官側呼び出した形にしてほしい

と頼んでいたのだろう。

 米国側にすれば、従前どおり、辺野古への移転が可能であれば、今後もそこを拠点として、沖縄の海兵隊訓練施設を利用できるし、空定員でも、一定の定員がいれば、思いやり予算を獲得できるのだから、日本側のオファーを断るはずがない…。

 で、【ワシントンは大雪の影響で21日も政府機関の多くが業務を停止していた】(同紙)ために、国務長官の日程が空いたので、急きょ、かねての約束通り、大使を呼び出した…っていうのが、本当のところだろう。

 そして、大使は、あいまいながらも、米側が怒っているかのようなコメントを発する→メディアは米側に確認をせず、そのコメントに基づいて報道をする→ますます、日本の世論が民主党批判となる→どこかで民主党が折れてくる→外務省はハッピー、米国もハッピー、日本の市民はアンハッピーってことだ。

 よって、本物のジャーナリストであれば、国務省の知り合いの役人にこの間の、猿芝居を告白させて、特ダネとして伝えるべきだろう。

 毎日新聞のように、なんらの分析もしないで、大使のセリフをそのまま大きく伝えるのはばかげている。少なくとも、国務省側のコメントをとれよ!

 あ、そうか、もしかして、毎日新聞記者の発案?NHK記者による神の国発言記者会見対策レジュメっていうのもあったしね(笑)

 ごめん、朝日新聞も同じ日の紙面で一面で「米国務長官不快感示す」という記事を国務長官側への取材なしに、大使の言葉だけで書いている。毎日新聞の発案じゃなく、ワシントン記者団の発案ってことでしょうかね…、マジに。
 

 ちなみに、クローリー国務省次官補は、12月15日の記者会見で、辺野古飛行場に関して日本政府が態度をはっきりさせてないことについて、「日本政府は、もう少し時間がほしいと伝えてきた。われわれは、喜んで待ちますよ」( The Japanese Government has indicated to us that they’d like a little more time to work through these issues and we’re happy to oblige.)と答えている。

 国務省が、本気で、急きょ、大使を呼び出して問いただすなんてありえないってことです…。

 上記記者会見は→http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2009/dec/133596.htm(上から3分の2くらいのところです)

 上記会見の翻訳は→http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/51307192.html


【関連記事】
「グアムに67機+9機を移転するという米国文書原文~普天間+岩国を十分カバー」(http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/0322e2681ac6a7d746c1330e408044a4)

「朝日新聞の米軍基地特集記事はプロパガンダ?~公開質問状、本日発送」(http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/d2a25bc47e365601dbb9546f4e66e7bc)

「日本の米軍基地維持費負担は世界の80%~みかじめ料を払うのはやめよう!」(http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/4efdf7f0142dc0f61376a9dedce10eea)

「国会図書館が米兵らに対する裁判権放棄に関する資料を隠した理由~ひき逃げ死亡事故の遺族らに説明してみよ」(http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/f3d52bb9d63bafb68956773b7b18be93)




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