情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

聖火騒動にみる日本の表現の自由規制のひどさ~国際人権規約を教科書に掲載しよう!

2008-04-09 06:51:03 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 中国のチベット弾圧に抗議する活動が、欧米を中心とする市民の間で盛んに行われているが、ロンドンやパリの聖火に対する抗議活動の自由さを見るにつけ、日本の市民デモに対する規制の激しさが悲しくなった。日本では、市民が聖火に近寄ることもできないだろう。

 まだ、サウンドデモ不当弾圧の映像をみていない人はまず、これをみてほしい。
http://www.labornetjp.org/Video/ram?file=2006/20060430prec
(映像:realplayerが必要)


 市民的及び政治的権利に関する国際規約、いわゆる国際人権B規約(自由権規約)と呼ばれる条約があるのはご存じの方も多いと思うが、この具体的な条文について呼んだことがある方はどのくらいいるだろうか?

 昭和54年に作成されたこの規約は、50条あまりの条文からなっており、時間がかかるわけではない。この規約を「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」(A規約)とあわせ、中学、高校で必ず学習するようにはできないものだろうか?

 というか、国際常識とすべきこの条約を教育もしないで、安全保障理事会の常任理事国になりたいだなんて片腹痛いって感じだ。日本が独自に理事国としての役割を果たすためには、自国の市民が国際規約くらい常識として知っているくらいにならないといかんでしょう。真の意味での国際性が養われるはずだ。君が代斉唱などに抵抗する運動をする方は、対案として人権規約を教材とする真の国際人教育を提言してはいかがでしょうか?

 条文にあたると(※1)、日本の状況が必ずしも先進国だって胸を張れないものであることがよくわかる。

まずは、問題の集会結社の自由について

「第21条
平和的な集会の権利は、認められる。この権利の行使については、法律で定める制限であって国の安全若しくは公共の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳の保護又は他の者の権利及び自由の保護のため民主的社会において必要なもの以外のいかなる制限も課することができない。」


サウンドデモに対する警察のありようが、この条文に触れることは明白だ。



次に、好戦的言論、差別言論について

「第20条
1 戦争のためのいかなる宣伝も、法律で禁止する。

2 差別、敵意又は暴力の扇動となる国民的、人種的又は宗教的憎悪の唱道は、法律で禁止する。」

…これは日本ではひどい状況。いわゆるネット右翼が、北朝鮮暴発説などをまき散らし、特亜などと書き連ねる。ここは、ネット右翼がプロ市民、ブサヨと蔑称される側において特定の国民的、人種的又は宗教的憎悪の唱道がなされていないのと比較すると顕著ではないだろうか?特亜などと騒ぐことは、国際人権条約にもとるような行為であることを理解してほしい。



「第10条
1 自由を奪われたすべての者は、人道的にかつ人間の固有の尊厳を尊重して、取り扱われる」
…名古屋刑務所の消火水による直腸破壊「殺人」、徳島刑務所の直腸陵虐など


「第14条
3 (g) 自己に不利益な供述又は有罪の自白を強要されないこと。」
…踏み字事件、富山冤罪事件など


「第19条
1 すべての者は、干渉されることなく意見を持つ権利を有する。

2 すべての者は、表現の自由についての権利を有する。この権利には、口頭、手書き若しくは印刷、芸術の形態又は自ら選択する他の方法により、国境とのかかわりなく、あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由を含む。」
…ビラまき逮捕など


国際人権規約の輪読会などをぜひ行ってほしい。 


※1:http://www.nichibenren.or.jp/ja/kokusai/humanrights_library/treaty/liberty_convention.html


画像は、http://www.mkimpo.com/diary/2006/mayday_06-04-30.htmlより。


◆関連イベント情報

日本弁護士連合会主催シンポジウム
国連拷問禁止委員会勧告実現のために今何をすべきか
-自白強要や非人道的処遇を許す、わが国の人権状況につきつけられたもの-

 国連拷問禁止委員会は、2007年5月、取調べの可視化の実現、代用監獄の制度
見直しや、死刑制度及び入管行政などをはじめとした、我が国の主要な人権問題
について改革を厳しく勧告しました。にもかかわらず、日本政府は、勧告に対応
した改革に向けた姿勢を見せていません。
 そこで、今回の日本政府報告書審査において、主査として中心的役割を果たし
た、マリーニョ・メネンデス氏をお招きし、委員会が日本政府に何を求めたのか
等につき、基調講演をして頂き、日本の人権状況改善のために、取り組むべき課
題を明確にしたいと考えています。どうぞ奮ってご参加ください。
日程: 2008年4月11日(金)
    時間:18:00~20:30
    場所:弁護士会館2階 講堂クレオBC
    
    プログラム(予定):
      1.基調講演 マリーニョ・メネンデス氏
        (国連拷問禁止委員会日本政府報告書審査 主査)
      2.パネルディスカッション
         パネリスト マリーニョ・メネンデス
          今井 直(宇都宮大学教授)
          海渡 雄一(日弁連拷問等禁止条約に関する協議会事務局長)
      3. 質疑応答
      4. まとめ

◎お問い合わせ先:日弁連国際課・酒巻 TEL:03-3580-9741





★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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6 コメント

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昨日 (作務)
2008-04-09 09:57:23
昨日、日本語と中国語で喚いて行った輩がいまして、曰わく「中国人は飢えていたチベット人を助けてやったんだ」との事。
改めて、国家による洗脳教育の恐ろしさを実感しました。
そして、日本に於ける右翼と云う連中と彼ら、中国政府に「愛国教育」をされた人間との共通点、ソックリさに改めて驚かされます!

両者「愛国教育」と云う名前の「人間破壊教育」を受け、顔の無い悪魔の戦闘員として世に送り出されている。

中国 日本 北朝鮮… 東アジアの独裁3兄弟。
日本はアメリカなどにより、偽装民主的にラッピングされているので、もしかしたら最大にタチが悪いのかも知れません。
私はかつて、1990年代始め頃、オウム真理教の一派のオカルトの儀式の場に巻き込まれて、本当に参った時期がありまして、カルトの恐ろしさを身をもって実感しました。
中国政府も日本の日の丸 君が代強制の「愛国心教育」も、全く同質な狂気です。
それは、世界を破滅させるに充分な凶器だとも思いますね。
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人権規約以外に、子供の権利条約も! (田仁)
2008-04-09 22:14:45
お馴染み、教育(利権)改革の時、随分この条約にも違反してましたし、今、例の改悪教基法を細分化して肉付けの真っ最中ですから、違反もリアルに細分化中です。
靖国原理主義与党に’60年代以降の時代経過、特に国連の議場は存在していないも同然ですのでね。
「ブッ沈む」こと、9・11以降のネオコン路線は、’6~70年代の米エネルギー政策の焼き直しなので、靖国原理主義与党には親和性が強いようで、嬉々として右傾化してました。
今も「新冷戦」とか言って粋がっちゃって!
BRICSなんて新興国は旧東側や旧第三世界で構成されてる事実をモノともせず、エコの排出権取引(実体経済でない)で「新冷戦」が実現可能って思い上がってます。
ま、牛乳が間もなく高級品になると囁かれる昨今、実体経済にシッペ返しされなきゃイイですがね…。
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作務さん、マヤ・アステカ同様…。 (田仁)
2008-04-10 00:38:26
西蔵仏教の法具は、人骨製が割と見られます。
長い白い数珠が細かな人骨製とか、杯が逆さドクロとか、杓杖に大腿骨とか。
一方、やはりマヤ・アステカ同様、医療方面で見るべきモノがあります。
西蔵は主に薬草方面で、穿頭骨など外科手術方面じゃないですが。
宗教奴隷制度の、ドラスティックな人体観の両面で、文化論的に興味深いです。
歴代には、暗殺されたダライ・ラマも存在し、現ダライ・ラマの父君も暗殺説が濃厚とか。
ま、何事も極端は危険で、車椅子の聖火ランナーに中身入りペット・ボトルを投擲とか、善意でも危険行為です。
中国の強攻策が原因とは言え、下半身に問題を抱えるリチャード・ギアが水を得た魚みたいなのは、やはりヤな感じが…。
丁度、児童ポルノ法の背後に蠢く、エクパットやインターネット・ホットライン・センターや天下り警察官僚みたいに!ですが。
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ショックです。 (少数意見)
2008-04-10 06:31:46
メーデー・デモの様子を初めて見ました。サウンドカーの没収、警察がデモ隊を先導し、常にスピーカーで指示を与え、指示に従わない場合は逮捕し、デモ参加者が犯罪者であり、警察がいかにそれらの「悪者」を規制しているかを歩行者に対し宣伝する警察の姿、おぞましいです。

日本における集会の自由、言論の自由の位置付けは?
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中庸 ですね。 (作務)
2008-04-10 08:50:33
私も以前は ほどほど と云う感覚が判らず、随分と自分を浪費する生き方をしていました。
「寸止め」で生きる事の大切さを、結構最近になり知った様な気がします。
ところで、私が体験したオウム真理教の儀式ですが、ドクロやそういったアイテムは登場しませんでした。が、一言、こう言われた事が鮮明に記憶に残っています。
「シャンバラまで歩いて行こう…」と。

(第十一の予言~シャンバラの秘密~この本は今、非常にタイムリーな内容です。)

洗脳、刷り込み教育の恐ろしさは大きな教訓となり、私の中に残っています。
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悪者怖善人普通 (伊賀 敏)
2008-04-10 23:56:32
人権抑圧される人が世界のいたるところにいる、日本にも沢山いる。 中にはあきらめてしまう人もいる。 戦い続ける人もいる。 声を上げても聞いてもらえない人もいる、絶望感に打ちひしがれる人もいる。 彼らを力ずくで暴力でひどい目に合わせている輩は大抵が権力者である。 権力者は事が公になったら大きな建物の陰に隠れて、きつね目で覗き見しながら、おさまるのをじっと待つ。 まるで冤罪死刑判決を出した最高裁判所長官が最高裁の大きな建物の陰から世間をチラチラ見ているかのように。 やくざ国家中国の主席胡錦涛も物陰から世界の動向をびびり目でおどおどしながらのぞき見ている。 恥ずかしい人間だ。 
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