情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

こんな勝手な紙切れを見逃して良いのか~納得できない「岩国市新市庁舎建設助成金停止理由書面」

2007-11-24 05:58:34 | 有事法制関連
 やはり防衛省に格上げしたのが間違いだったというほかない。自衛隊の横暴を防ぐには、防衛庁に格下げするしかないのではないだろうか。ここのところ、しつこく書いている岩国市新市庁舎の助成金支払停止問題で、防衛省側が岩国市への支払を中止した理由を説明する書面を見て、そう思わざる得なかった。まずは、全文を読んでほしい(※1)。

■■引用開始■■
                                                               防衛施設庁

     平成19年度岩国市庁舎整備補助金について

1 岩国市庁舎建設については、SACO最終報告に盛り込まれた普天間飛行場のKC-130の岩国飛行場への移駐受入れに伴うSACO関連事業として、移駐による騒音増加を陪まえた騒音の影響を緩和するとともに、受入れに対する地元の理解と協力を促進し、円滑に処理するため、平成15年度から実施してきたところである。

2 平成19年度予算概算要求においては、2十2最終取りまとめにおいて、岩国飛行場に移駐するKC-130は、海上自衛隊鹿屋基地やグアムにローテーションで展開することになったほか、厚木飛行場から岩国飛行場への米空母艦載機の移駐が新たに盛り込まれたことから、SACO最終報告の内容が修正されたため、米軍再編関連経費として検討してきたところである。

3 その結果、KC-130の岩国飛行場への移駐の内容が、貴市にとって負担軽減となるように変更された現時点においては、KC-130による騒音が当初予定より軽減されることとなるため、従来どおり市庁舎への補助を継続することは適当ではなく、むしろ米軍再編の一環として米空母艦載機の厚木飛行場から岩国移駐が計画され、それに伴って岩国飛行場における騒音が増大することなどの影響を考慮して補助を継続することが適当と考えている。

4 しかしながら、空母艦載機の岩国移駐を含む米軍再編については、地元の現状を考慮すれば、市庁舎への補助の前提となる岩国飛行場における騒音の増大などの影響を考慮することができないため、当該補助を継続することは困難であり、平成19年度予算への計上を見合わせることとしたものである。
                                 以上

■■引用終了■■

反戦な家づくりさんも指摘されているが(※2)、普天間から岩国に移転するKC-130が別の基地やグアムにも展開されることになり、KC-130の飛ぶ回数が少しだけったから、約束はチャラにして補助金はゼロにする。ただし、厚木基地の空母艦載機の飛行隊を受け入れてくれれば、補助金はだしてやる。しかし、市民の9割が受け入れに反対し、市長も反対する現状(※3)では、びた一文も補助金は出せん…ということだ。

これって本来は国会でさえ、決めることができないはずだ。

憲法第95条には次のように書いてある。

【一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない】

防衛施設庁が、米軍再編に伴う補助金として引用しているものは、今年5月に成立した米軍再編特措法に伴うものであり、形式的には【一の地方公共団体のみに適用される特別法】ではないが、この法律ができたことをもって、従来の市庁舎助成金を支払わないというのであれば、その部分だけを取り上げるならば、実質的には、【一の地方公共団体のみに適用される特別法】とみなすことができる。

もし、これを国会で決議しようとしたら、おそらく、かなり紛糾する事態になるだろう。

しかし、米軍再編特措法5条1項(※4)によって、防衛大臣が米軍基地の周辺地域について、【住民の生活の安定に及ぼす影響の増加の程度及びその範囲を考慮し】、【駐留軍等の再編の円滑かつ確実な実施に資するため必要である】ものを、【再編関連特定周辺市町村】として指定した上、同法6条(※5)によって、国が【住民の生活の安定に及ぼす影響の増加の程度及びその範囲を考慮し】、基地再編の【進捗状況及びその実施から経過した期間に応じ】て支払うことができるという仕組みになっており、防衛大臣のさじ加減で、支払う支払わないを決めることができる。

 これって、法律ですら違憲の疑義があることを通達でやってしまおうというもので、憲法をないがしろにするものだ。防衛庁時代であれば、内閣府として予算が決定されていたが、防衛省に格上げされたことで、内閣府の枠からはずれたために、早くもやりたい放題始めたっという感じだ。

 軍隊がいかに民主主義と相反するものか、このことからよく分かる。このまま放置すると、何をしでかすか分からない。

 地元では、【“国の仕打ちに怒りの1万人集会 in 錦帯橋” 日時:12月1日(土)14:00~(雨天決行) 場所:岩国錦帯橋下河原
いまや民主主義と地方自治存亡の危機です。
しかし、今は岩国市という自治体の存立の危機とも言える平成19年度予算が円満に執行出来るよう、『岩国市庁舎補助金問題』一点に絞った市民の思いを国に、そして全国の人々に広く示す時だと思っています。
もとより、「1万人集会」自身、壮大な「呼びかけ」であり、私たちだけでこれを成功させる力は有りません。
ぜひ、全国の意識ある皆様にこの「熱き思い」を受け止めて頂き、運動の輪を大きく広げて下さいますようお願いし、ご案内させて頂きます】という動きがある(※6)。

 駆け付けられる人は現地に!駆け付けられない人は350円寄付運動(※7)へ参加を!


※1:http://www5f.biglobe.ne.jp/~iwakuni/iwakuni/sinchoushahojokin.htm

※2:http://sensouhantai.blog25.fc2.com/blog-entry-458.html

※3:http://www.nikkansports.com/ns/general/p-so-tp0-060313-0002.html

※4:【第5条1項】防衛大臣は、再編関連特定防衛施設の周辺地域をその区域とする市町村(政令で定める範囲内のものに限る。)について、前条第一項各号に掲げる事由による当該再編関連特定防衛施設の周辺地域における住民の生活の安定に及ぼす影響の増加の程度及びその範囲を考慮し、当該市町村において再編関連特別事業(公共用の施設の整備その他の住民の生活の利便性の向上及び産業の振興に寄与する事業であって、政令で定めるものをいう。次条において同じ。)を行うことが当該再編関連特定防衛施設における駐留軍等の再編の円滑かつ確実な実施に資するため必要であると認めるときは、当該市町村を再編関連特定周辺市町村として指定することができる。

※5:【第6条】国は、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、再編関連特定周辺市町村に係る再編関連特定防衛施設における駐留軍等の再編による住民の生活の安定に及ぼす影響の増加の程度及びその範囲を考慮し、当該駐留軍等の再編の実施に向けた措置の進捗状況及びその実施から経過した期間に応じ、当該再編関連特定周辺市町村に対し、再編関連特別事業に係る経費に充てるため、再編交付金を交付することができる。

※6:http://iwakuni-kaze.weblogs.jp/blog/

※7:http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/1024e23b6593bae40d90381a6048177b

【参考記事】
3選禁止画策は、やはり地方自治つぶしが狙い!~岩国米軍基地問題で政府が補助金を突然カット http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/24277692a5e5c2e38934cac71074a55c

防衛省と闘う岩国に1000万人が350円ずつ寄付しよう!~防衛省のアメとムチ政策にノーを!  http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/922eb33512f2b19ee9bbf45a1ee411bb
  
岩国市新市庁舎建設勝手連を立ち上げました~近く「基地誘致交付金」に抗議する寄付募集開始! http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/1c474b87b9a8ac73dc5b5aa2f63a03df
 
【関連イベント】
■□再びやります!国会前ヒューマンチェーン!11月27日□■

いらない!インド洋派兵・給油新法 国会前ヒューマンチェーン(第3波)やります。

これ以上アフガンの人びとを殺傷させないために、
自衛隊を米国の戦争に加担させないために、
今こそ、私たちの大きな大きな声が必要なのです。
友人、知人に声をかけ、国会前にあつまりましょう。

テロ特措法が失効し、海上自衛隊がインド洋から帰ってきます。しかし与党は米国の要求で、なんとしてもインド洋での給油を継続する考えです

この臨時国会を大幅に延長して「給油新法案」の衆院での再議決をねらっています。
こんな暴挙は許せません。

現職閣僚を含む防衛省がらみの一大疑獄の構造も明らかになってきました。
福田内閣は責任をとるべきです。

世論は、「給油くらいいいんじゃないの」に傾きつつあります。今が、踏ん張り時です。
おおいそぎで声をあげ、行動を起こしましょう!
そして、「給油新法案反対!」「戦争加担反対!」の流れをつくりましょう!

みなさん!
寒くなりましたので、暖かくしてお出かけください。

★国会前ヒューマンチェーン★

日時●11月27日(火)18:30~19:30

場所●参議院議員会館前路上

内容:キャンドル ヒューマンチェーン<コール>
    リレートーク<国会議員・呼びかけ人など>

主催:ヒューマンチェーン呼びかけ人一同






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
再格下げ! (imacoco)
2007-11-24 10:47:54
政権交代が成る事を信じて、野党各党に防衛庁への際格下げの要求をするべきです!
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ついでに (田仁)
2007-11-24 16:00:24
くどいようですが、焼け太りに武器禁輸三原則を外そうとしてやがりますゼ。
程が有る!と思うのは、庶民の切実な気持ちと信じますが…。
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平和の集会でPR (杉浦ひとみ)
2007-11-25 00:55:36
24日、平和の集会を開催しました。コスタリカに学ぶ会、東京大空襲訴訟原告ら、重慶訴訟支援者らが一同に会して、齊藤貴男さんのお話を聞き、平和の作り方を考える集会を開きました。
この中で、ヤメ蚊さんの、この岩国の募金について伝えてきました。
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一方で東京新聞が報じてますのは… (田仁)
2007-11-25 13:31:16
米軍再編交付金45億円 防衛省が配分内定 横須賀市に5.8億円
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2007112302066679.html)。
イザ、原子力空母の事故とか、米兵犯罪の被害とか、でたらコレで割に合うのか?って、先ず合わないと思うんですけど…。
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