情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

日弁連の弁護実践ポイントからも明らかな取調の可視化の必要性

2008-08-14 18:55:59 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 日弁連のFAXニュースの最新号に取調の一部録画試行に対して必要となる弁護のポイントが掲載されている。そのポイントを読むと、検察庁が実践している取調の一部可視化(自白部分のみを録画すること)のでたらめさがかなりはっきりしてくるので、ポイントのうち、取調官に対する証人尋問に関するものを紹介する。

 日弁連は、被告人を取り調べた捜査官に対して、次のような尋問をするようすすめている。

 ①自白に転じる前に、全過程録画の申し入れがあったこと

 ②全過程録画が可能・容易なものであったこと

 ③にもかかわらず、一部録画しかなされなかったこと

 ④(事案によっては)自白に転じた後、録画がなされるまでに、期間があったこと
 
 ⑤(その間)録画することに物理的な支障がなかったこと

 ⑥自白に転じた場面を録画することが、任意性(自白が本心でなされたこと)立証を行う上で効果的・効率的であること

 ⑦自白に転じた場面を録画していたとしても、何ら問題はないこと

 ⑧録画がなされるまでの間に、取調べに関し、苦情の申し出があったこと

 ⑨にもかかわらず、十分な調査がなされなかったこと

 ⑩被疑者ノート(身柄を拘束された被疑者がどのような取調があったかを克明に記すためのノート)に記載された事実の存在

 ①~⑨までがイエスであり、⑩で、例えば、自白しなければ、「お前の子供を学校から呼んでお前のことを聞く。そのときに学校の先生に何と説明しようかな。父ちゃんが警察に逮捕されているって言うわけにはいかんだろうが、警察からだってことは伝えるのは仕方ないなぁ」などと言われたなんていうことが記載されていたなどということについて尋問をした場合、どう考えても、自白が任意になされたという立証がなされたとは言えないのではないだろうか。

 全過程を録画できるにも拘わらず録画しない…普通の社会のルールなら、それだけで、信用できないってことになるだろう…。

 現在日弁連は、取調の全過程の録画を求めて署名運動をしているので、宣伝して下さい(http://www.nichibenren.or.jp/ja/committee/list/investigation/shomei.html)。
 
 また、可視化の必要性がよく分かるドキュメンタリー「つくられる自白 -志布志の悲劇-」も2450円で発売されているので、よろしければご購入下さい(http://www.nichibenren.or.jp/ja/updates/080805.html)。



★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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1 コメント

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Unknown (真実)
2008-08-14 20:52:33
2450円も払うぐらいなら食糧支援しますわ。

本題ですが警察組織に要望したところであまり効果がないのでは?
もっと上部組織に要望しなけりゃね~
頑張れ日本弁護士連合会!
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