情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

軍隊がタブーな国は普通じゃない?~なら、天皇制廃止論もタブーでなくそうよ~皇軍再建を憂う

2008-01-31 11:44:13 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 実は、広島の出身でして、原爆のことについては8月6日、必ず、夏休みにもかかわらず全校登校して、悲惨さを学んできました。なので、東京に来て、戦争の悲惨さを生で伝える施設がないことを知って、ショックを受けました。戦争の悲惨さに肉薄させ続けない限り、新しい世代は戦争のことを軽く考えるのは間違いないからです。そういうこともあって、日本に住む人は、先の大戦について本当に反省をしているのかなって思うことがある。先日、ニューヨークタイムズなどに寄稿している記者の取材を受けたときも、そんな話になった。

 どうですか、皆さんは、日本の市民はあの戦争について反省していると思いますか。

 私は反省していないと思う。それもまったく、全然、ナッシングアトオール。これで反省しているから、首相が靖国行くくらいでぎゃあぎゃあ言うなっていうのは、完全な逆ギレだ。

 軍隊が暴走し、マスコミがあおり、国家神道が精神的支えとなった先の大戦の構図。これら登場人物に戦後、何らかの変化があったといえるだろうか。

 ①軍隊は旧軍とどこが違うのか、②マスコミは戦争中のマスコミとどう違うのか、③宗教と政治の関係は戦争中とどこが違うのか…。これについて、ここが変化しているから十分に反省していることになる、と説明できる人がいたら、ぜひ、ご説明をお願いしたい。もちろん、③については、憲法上政教分離の原則が取り入れられたため、戦前の状況とは大きく変わっている。この点は大きな進歩だった。しかし、他方で、国家神道が支えた天皇制は存続し、君が代、日の丸が学校で掲げられ、歌われるようになっている。抵抗する教員は首を切られる…。もはや、政教分離の原則も形骸化しているといわざるを得ないのではないだろうか。

 軍隊を民主的にするシステムは海外では現に存在する。それは軍人の労働組合であり、オンブズマン制度である。日本はそれらをまったく取り入れていないし、そういう問題を議論することもない。

マスコミについては、テレビ新聞が系列化することで政府と癒着することを防ぐ制度が海外にはある。しかし、日本ではその制度は形骸化され、完全に系列化してしまった。

政教分離でいえば、肝心な天皇制をどうするかという問題には手はつけられていない。「天皇陛下万歳」と言わされて死んでいった多くの方の悲劇の再現を防ぐためにはどうするか、それを考えるうえで、天皇制については廃止方向で検討することも当然ではないだろうか。軍隊についてこれまでタブーだったが、海外派遣も実現した今、やっと「普通の国」になったとテレビに出ている評論家は言う。しかし、天皇制廃止については、テレビの世界ではタブーだ。どこが普通の国なのか?皇軍を再建しようとしているってことじゃないのか?

天皇制を維持することのメリットとデメリットを語ること、なぜ古墳の発掘がいまだに許可されないのか、その理由を議論すること(個人的には古墳が暴かれると天皇の正統性に傷がつくからだと推測している)、そういうことをテレビで語ることをタブーにしたまま、軍隊を海外に派遣することが、近隣諸国にとってどういうインパクトを持つのか、少し考えれば分かりそうなもんだ。

日本の市民は反省しているか?あなたはどう思いますか?







★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
多分ね。日本人は反省してない。でしょ? (田仁)
2008-01-31 16:16:38
少なくとも頭では全く。感情では「兎に角、怖いもの!」と刷り込まれた分はあるにせよ。感情面でしかないから、60年経つと薄れたりするんですよ?普遍の「道理」に昇華してれば、そうそう容易に揺らいだりする筈がないです。
現在の珍妙な揺り戻しについては、日刊ベリタの資料室「<佐藤優現象>批判」をご覧ください。
http://gskim.blog102.fc2.com/
よく分析されてますが、日本の裏面については描かれてないです。私は多分、銭だと読んでるんですけどね?左が金で右に買われたと。
右は兎に角、裏社会と直結しているから、特に今のようなカルト・マルチ商法・ヤクザ金融が全盛の詐欺偽造景気の直後では、銭が懐でウンウン唸っている状態ですのでね。
左は当然、体感不況の煽りをマトモに喰らっていて、文字通り「被害者が更に加害者に擦り寄る、刹那の生存を求めて」との反吐が出るような構図だ、と。
右派が国民から総スカンを喰らう時期、右派の寵児が左派を装う等して、生き残りを図るのが日本の「伝統芸能」ですから。
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そもそも (imacoco)
2008-01-31 21:59:53
「反省」などする必要もないし、それどころか大東亜戦争は聖戦だったのだから、悪いのは日教組と平和憲法だ!! と云う連中が、戦後の政治を牛耳ってきたわけでしょ!?

反省どころか民主主義の「スタートライン」にも立っていないのが、この日本国だと思いますね。

ところで、政権交代が成ったとしたら、靖国潰しは可能になるでしょうか…!? (公明党は出しゃばらなくなるんでしょうけど)
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原因と結果。 (東西南北)
2008-02-01 00:17:48
 人民の人間らしさを抑圧しているのは、会社あっての労働者、国家権力あっての人民という制度としくみ。だから、人民は労働者あっての会社、人民あっての国家権力という事実関係を認識する学習運動を徹底するしかないと思う。

 こうなれば会社の横暴、国家権力の横暴に対する怒りがでてくる。今は、会社あっての労働者、国家権力あっての人民、という意識が植え付けられている。

 反省するのは会社資本を管理、所有する人々と権力者であるが、彼らの横暴を押さえ込むのは人民であり、労働者ですが、会社と権力の抑圧と弾圧が陰湿かつ執拗であり、人民は恐怖によって支配されている現状だと思います。

 それにしても、社会保障の充実を望む人民が社会保障の削減を実現していく自民党と公明党に協力し、投票するというのは自民党と公明党の恐怖と利権が絶妙に人民の思想と行動を支配してるんですね。

 マスコミ界も同じではないでしょうか?労働組合潰しと出世、金の組み合わせが原因して報道がイマイチなんだと思います。どこの会社でも労働組合潰しは凄まじいんじゃないでしょうか?それで労働者は会社あっての自分だ、と恐怖して思考停止にさせられるんじゃないでしょうか?共産党と聞いただけで顔面蒼白になる雰囲気ですからね。
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左風嘘はファシズムのはじまり (薩摩長州)
2008-02-01 22:22:20
コミュンテの裏切りがまずかったのでしょうが、天皇制の延命を許し、その代償に占領国から与えられた「民主主義」をかくもありがたく拝受したことは反省の契機とはなりえなかったことの証左でしょう。国民自らが勝ち取った民主主義じゃないから。

今話題のサトウチャンはムネオ問題でパクられたとき、獄中で懇々と宇野を学んだそうな。かくのごとき右が左の仮面をかぶって世にはばかると、右も左も一網打尽の地引き網。若者に手近な武器をもたせて突撃させながら、自分は華々しく政界にうってでるなら、正真正銘のファシズムの一丁あがり。そんな嘘を一蹴するような確固たる左のありがたいお言葉が必要かも。
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