情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

東京裁判の否定運動の先にあるものは…?

2009-04-29 14:31:19 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 『パール判事の日本無罪論』(田中正明著・小学館文庫)なる本を買うことで、東京裁判否定の意思表明をしようという動きがあるようだ。インターネットは「アマゾン」、書店は「紀ノ国屋」をメインに予約(投票)を開始することで、売れ筋の本ということにしようという思惑があるようだ。なかなか賢いねぇ。

 まぁ、販促運動であるかどうかはさておき、この運動には二つの疑問がある。

 一つは、否定する人たちの将来の世界観がどのようなものか、ということだ。

 東京裁判を手続き上問題があるなどとして、否定するのは、市民としてであれば、勝手といえば、勝手だろう。

 しかし、彼らは、否定の先にどのような世界を思い描いているのだろうか?東京裁判を否定する世論が形成されれば、満足なのだろうか?それとも、否定することで、何か、社会を変革しようとしているのだろうか。もし、そうだとすれば、それは捨て置けない。

 そもそも、個人的には、東京裁判なんてどうでもよいと思っている。もちろん、戦争以外の選択肢をつぶした責任者には、きちんと責任をとってほしいが、「将来」という意味で、重要なのは憲法9条によって、新しい仕組みをつくることに挑戦しているということだ。

 軍事費という無駄な費用を使わず、市民のために予算が使われ、日本が繁栄する。その姿を見る諸外国の市民は、軍事費に予算を使わないことによる繁栄をうらやましく思い、軍事費の削減を要求する。徐々に軍縮が進む。他方で、国境の壁が徐々に低くなり、軍備の必要性がさらに減っていく。さらに、軍縮が進む。このようなプロセスを経て、世界恒久平和の途が実現する…。

 日本は、そのためのモデル国となる!

 もちろん、その過程では、他の国よりも軍事費削減の分だけ有利な政策をとることでき、金持ちではない普通の市民にとって望ましい政治が実現する。

 これこそが、第2次大戦で亡くなった多くの犠牲者に報いる途のはずだ。

 いったい、東京裁判否定論者は、どのような世界を実現しようとしているのだろうか…。


 もう一つの疑問は、この東京裁判否定運動に、政治家が参画していることだ。

 なぜ、戦争肯定とも受け止められかねないこの運動に参画することができるのだろうか。不思議だ。落選したいといっているようなモンではないのか?

 こうなったら、どの政治家が、どいう発言をしているか、全部、英訳して、世界に発信してはどうだろうか?

 そうそう、石原発言だって、これまでの人種差別的、性差別的な表現を翻訳して、国際オリンピック委員会のメンバーに知らせてはどうだろうか?ああいう発言をしている首長がいるところで、オリンピックなんて、喜劇としか言いようがない。
 
 日本を愛する者として、このような石原や東京裁判否定運動に賛同する政治家、NHKに圧力を掛ける発言を繰り返す安部のような、日本の世界的評判を落とすような「反日政治家」は許し難い。

 韓国は、国内の民主的制度を整え、ついには、国連事務総長の職を手にいれた。それに引き替え、日本では、民主的制度がまったく不十分だ(選挙運動の著しい制限、人権機関の未設置、取調の可視化が未実現、真の内部告発保護法がない、アクセス権が法的に整備されていない…)。

 昭和天皇の誕生日に、日本を愛する者として、真の意味での「反日政治家」の落選運動を呼びかけたい。




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★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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