情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

地上デジタル放送に批判的な意見が報道されないのはなぜって思った方へ

2008-08-29 07:02:06 | メディア(知るための手段のあり方)
 地デジになって何がメリットなの~?新しいテレビを買わなきゃダメ~?とキャバクラ嬢に聞かれて、「それはね、君のように美しい人をより美しく、そうでない人はそれなりに」っていう古いギャグを持ち出したテレビマンの方は多いと思うが、そういうギャグでごまかすくらいしかメリットがないのは明かだ。

 そもそも、放送の規格をインターネットのデジタル形式と統一するといっても、それは放送する側がデジタルで放送番組を制作することで足りるわけだ。だって、規格を統一したって、放送を受信したわれわれは、著作権の問題があるから、放送番組を加工することはできないのだから、規格を統一する意味はない。しかも、コピー回数の制限さえかけられている。

 要は、放送する側がDVDやインターネットでの2次利用に使うために、デジタルでの制作することは意味があることだろうが、放送する際には、そのデジタルで作成したものをアナログで流せばよかっぺ!わざわざ、地デジ放送するためにNHKの予算(受信料)などを使って中継局整備にじゃぶじゃぶ金を使う必要があるとは到底思えない。

 …メリットがないけど、まぁ、地デジになっても、そんなに困ることないじゃん…

 というキャバクラ嬢に『いや、そう思ってもらえればありがたいが、テレビを交換するのもあんた、地デジのための設備投資にかかるお金を負担するのも実質的にはやはりあんただよ』と内心つぶやいたテレビマンも多いだろう。

 でも、不思議でしょ、こんなにおかしな話が大きく報道されないのは…。

 結局、日本では、テレビと新聞が系列化しているから、テレビの悪口を報道することはできない。しか~も、新聞は将来かなり厳しい経営になるから、テレビに頼らざるを得ない面もある。

 各国では、地デジ批判がきちんとされており、チューナーなどがほぼ無料で配布されるなど、それなりの対応がされているようだし、そもそも、地デジ方式に違いがあり、受信者の負担の大きさも違うという(この点、詳しい人は教えて下さい)。それは、テレビとは資本関係・提携関係のない新聞がきっちりと地デジ問題を批判することができるからだ。




 地デジまっしぐらの日本の現状を見ると、第2次世界大戦に突入していった日本と重なる。

 市民に情報を開示せず、かつ、先を考えずにとにかく突っ走り、突っ走った以上は簡単には後に引けないってことで走り続ける…。市民も既成事実を前にまぁ、仕方ないかと異議を唱えない。

…まじめな話、地デジで政府とテレビ・新聞の利権構造は深まるばかりなり~。マスメディアを政府から独立させるために、放送・通信を管轄する独立行政委員会の設置を求めよう! 

 
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1 コメント

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デジタル放送について (たにむら)
2008-08-29 09:16:28
海外でも、デジタルハイビジョン放送に移行しつつありますが、それを地上デジタルで担おうと言うのが日本の特異なところです(後は、フィンランドとアメリカの一部くらい?)。

ヨーロッパでは、通信衛星による放送が主流です。
その理由は
・送信コストが安い
・受信者負担が少ない
からです。

日本の設備を例に話しますと、通信衛星(CS)での放送なら1chの放送コストは300万円程度。放送衛星(BS)でも5000万円程度です。
これで全国にくまなく放送できますので、地デジと比べて、圧倒的に費用対効果で勝っています。

受信側は、パラボラと衛星放送受信機があれば良く、汎用普及品なので、これまた安いのです。パラボラはたかだか5000円程度だし、CSチューナーもやはり、数千円で買えます。販促の意味もあって、無料で配られたりしてますし。

その点、地デジは、中継塔をやたらと建てないといけないから設備コストが高く、そこまでやってもカバーできないエリアが残ります。
地デジの受信設備も、概ね既存の汎用品(UHFアンテナなど)なのですが、チューナーが「安く配布する」という割には高いですよね。
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