情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

東証がarrowhead稼働「いかに速く相場情報を得て、いかに速く発注するか」~もう止めようよ

2010-01-05 11:15:38 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 東証が、2010年の頭から、富士通が構築した株式売買の新システム「arrowhead(アローヘッド)」を稼働させたそうな。このarrowheadの処理は非常に早く、従来、顧客が注文して情報がマーケットに送信され、1つの取引処理が完了するまでに2、3秒かかっていたらしいが、新システムでは5ミリ秒(1ミリ秒は1秒の1000分の1)となり、500倍程度短縮するんだそうだ。そして、各種の情報配信はそれよりも早い3ミリ秒だという。

 もうこうなると、株取引っていうのは、値動きなどの情報をいかに早く入手し、それを基にいかに早く発注するかという、単なるゲームだっていうことがよく分かる。

 しかも、このミリ秒の世界になると、顧客から東証までの伝達時間をいかに短くするかっていうのが勝負になるため、顧客ができるだけ東証に近い方がよいということになる。

 そこで、東証は、取引参加者等のサーバーを取引所のデータセンター等に設置し、物理的な距離を短縮させることにより、取引時間をミリ秒単位で短縮するコロケーションサービスというものを提供している。

 このコロケーション、東証が導入を発表した時点で、すでに米国では、

【取引参加者等の機器(自動発注サーバー等)と売買システムや相場報道システム等との物理的距離を極小化することで、レイテンシー(ネットワーク機器におけるデータ授受の遅延)の低下を実現させるため、取引所のデータセンター又はネットワークのアクセスポイント(AP)に近接する場所に設置し接続することです。売買システムや相場報道システムが高速化して10ミリセカンド(千分の1秒)以下で処理できるなど世界中の証券市場のシステムは超高速化しているため、「いかに速く相場情報を得て、いかに速く発注するか」が極めて重要視されています。この速度を究極的に速める方法として、コロケーションが主に米国証券市場でここ数年急速に発達し、複雑なプログラムを組んで大量に多数の銘柄を高速で売買する証券会社、自己売買専門業者、ヘッジファンド等は、こうしたプログラムのアプリケーションを搭載した機器を取引所データセンター内にコロケーションしています。】

ということだったらしい(http://www.tse.or.jp/news/200808/080826_a.html)。

 そのコロケーションが今回の新システム稼働でさらに威力を発揮するということだろう。

 こういうシステムで金を儲けることで何か、それ以外の市民に利益があるのだろうか?

 合法的に搾取するシステムでしかないのではないだろうか?

 本来の株式の持つ互助的な仕組みに立ち返り、株の売買は、買った後は、1週間は売れないとか、一日に1回しか売買できないとか、1か月以内に売買したら税金を加算するとか、そういう規制をするべきではないだろうか。

 それは不当な規制だって?そうかな、たとえば、日本が活躍したスキーの複合やジャンプだって、伝統国の都合でルールが変わったんじゃなかったっけ?ルールっていうのは、そういうもんで、普遍的なものがあるわけでもないけれども、損をしている人が声を上げない限り変わらない。逆に声を上げれば変わりうる。

 値動きや会社の発表情報を素早く知ることで素早く儲ける…ここにお金が集まるってことはどこかでお金が失われているって言うことだ。

 道徳論をぶっている産経新聞や日の丸君が代賛成論者は、このコンピュータシステムの素早さによる金儲けシステム~何物も生み出さない~のおかしさは問題視しないのだろうか。

 このパソコンさえ置いておけば儲かる(と思われる)システムっていうものの存在が、金(カネ)至上主義に与えている影響は非常に大きいと思うんですが…。


※画像は、colocationで画面検索をかけたら出てきた面白CM(http://adsoftheworld.com/node/19077)。ルームシェアの広告を見て訪問した彼が目にしたリビングやお風呂は…。最後に洗濯機が出てくるんですが、東証がコロケーションで貸し出しているスペースは、この倍の幅の80センチ(ちなみに奥行110センチ、高さ220センチ)のようだ。




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