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情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

匿名発表が広がっている…

2005-03-26 22:04:52 | 匿名発表問題(警察→メディア)
 現在、警察が事件事故を報道する際、当事者(加害者、被害者)を匿名で発表するケースが増えているという。青森県警は、2003年4月、交通事故について、過失割合の少ない第二当事者(被害者など)について、匿名で発表するとの方針を打ち出した。
 メディアがプライバシーに配慮して、匿名で発表することは必要だと思うが、警察がメディアに匿名で発表するということは、警察の情報をメディアがチェックすることができなくなるっていう意味で非常に問題が大きい。
 有名なところでは桶川事件女子大生殺人事件。この事件では、警察が自らの不祥事を隠蔽するため、毎日遺族宅に滞在し、メディアが遺族と接触するのを防いだという。もし、そのまま、メディアが遺族に接触できないままだと、あの事件は、遊び慣れた女子大生の軽率な行為に問題があったということで片づけられたかもしれない。それを暴いたのは一雑誌記者だった。
 
 そもそも、青森県警は、2000年9月、青森署員が酒気帯び運転で電柱に衝突する事故を起こした際、この署員を逮捕しないまま、「任意捜査(逮捕しない場合)は匿名が原則。警察官も例外ではない」と言って、この署員の使命の公表を拒んだことがあるという。

 この匿名発表は、全国各地で広がっており、警視庁でもそういう傾向があるという。

 そんな流れの中で、人権擁護法案や憲法改正国民投票法案などメディアを規制する法律が提案されようとしている。

 監視されるべき国・行政側は、できるだけ情報をださないようにしつつ、他方で監視する側(メディア)を監視する権限を持とうとしている…。
 
 ライブドアとフジテレビの問題よりも深刻だぞぉ!!


以上、河北新報社2004年6月3日、毎日新聞2003年6月3日など参照。

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13 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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お礼 (dawn)
2005-03-26 23:32:46
はじめまして

trackback有難うございました。被害者は匿名でもいいと思いますが、加害者まで匿名と云うのは変ですね。dawnより
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匿名報道は必要 (情報流通促進計画)
2005-03-26 23:38:33
 個人的には、被害者も匿名ではあかんと思うのです。本文に記載した例は、まさに被害者側とメディアがコンタクトできるかどうかってところがポイントだったのです。



 もちろん、報道する際は、匿名でかまいません。むしろ匿名であるべきだと思います。



 しかし、警察の発表時点で匿名だと、被害者の被害の経緯や実態を検証することができなくなりますから…
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初めまして (適当人)
2005-03-27 00:37:26
 トラックバックありがとうございます。難しい問題ですね。加害者は無罪推定原則から説明がつきますが。不起訴の可能\性も考慮すれば合理性はなきにしも非ずと思いました。被害者に対しては、マスコミは捜査機関ではないし、あくまで企業であって、警察の違法行為を暴\くのは裁判所の役目という意図でしょうか。同じく不起訴の可能\性を考えるとそれなりに合理的かと…。
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刑事裁判 (情報流通促進計画)
2005-03-27 04:31:18
における有罪率99.9%の現状では、裁判所に警察の違法行為を暴くことを期待するのは非常に困難です。警察の失態をフォローしているというのが実態だと言っても過言ではありません。刑事事件に真摯に取り組んでいる弁護士の多くが同様の感想を持つはずです。繰り返しますが、報道は匿名で行われることが前提での議論です。
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Unknown (適当人)
2005-03-27 09:51:53
 報道は匿名で行われる事が前提での議論である事は承知しております。不要なマスコミの被害者達の身の回りの方々などに対するインタビューなどによって、被害者や加害者に与える影響や、不起訴の可能性を考えれば、それなりに合理性があるのではないかという趣旨のコメントです。分かりにくいコメントで申し訳なかったです。
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たしかに (情報流通促進計画)
2005-03-27 12:44:54
 メディアの取材方法に問題があると言われれば、そのとおりだと思います。その点、メディアの姿勢が問われていると思います。

 ただ、あえて言うと、被害者に一定の不利益が生じる可能性があっても、情報を警察が独占することは非常に危険だと思うのです。

 調書を偽造したり、領収書を偽造したりする方々ですから…。

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拝見しました (kamiyam_y)
2005-03-29 17:20:49
トラックバックありがとうございます。

メディアの公共性というなら、人権擁護法案こそ大問題ですね。政治家・国家権力に対する取材や報道を、人権をタテマエにして規制しうるわけですから。

警察による情報独占をおしすすめる方向、おっしゃるとおり危険だと思います。





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そうですよね (情報流通促進計画)
2005-03-29 18:14:59
人権擁護法案に、憲法改正擁護法案に、個人情報保護法に、有事立法に、…。息のしにくい社会が実はすぐそこまで来ているのかもしれません。
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こんにちは (高田昌幸)
2005-03-30 17:02:33
高田と申します。トラックバックをありがとうございました。情報流通促進計画さんのエントリを参考に私も少し、書いてみました。なんだか、まとまってない内容ですが、よろしくお願いします。それも含めて記事2本をTBさせてもらいました。これからもよろしくお願いします。
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よろしくお願いします (情報流通促進計画)
2005-03-30 20:19:30
 高田さんのエントリに記載されている「権力の監視という意識がない新聞記者が多い」という主旨の指摘には、驚きました。

 もちろん、得意不得意はあるから、あるテーマにピンとくるかどうかは人それぞれだと思うけれど、少なくとも、私の記者時代には、メディアの究極の目的は権力を監視するためであるというのは共通認識だったように思う。

 逮捕原稿より、市政の不正原稿に惹かれる人が多かったはず…とまではいえないかな。

 
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