情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

住宅性能評価機関の責任も問うべきでは?~欠陥があったときは忘れずに…

2009-05-10 16:44:25 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 いや、何も問題ない家にお住まいの方には、関係ないんだけど、住宅性能評価制度って知っていますか?平成11年に公布された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)でつくられた制度で、国に登録した住宅性能評価機関が、住宅の耐火、防音、耐震などの10分野について、国が示す一定の基準にしたがって、性能をランク付けるものだ。国は、この制度によって、住宅の品質を比較することができるという。まぁ、確かに、ランク付けが正確に行われている限りはそうだが、ランク付けが正確に行われているかどうかなんて、買った素人には分からない。そうだとすると、どういうことが起こりうるか、想像つきますよね。そう、ランク偽装、これまでに何例か発覚しているようだが、私自身の相談例にもあった。

 と、ここで、疑問に思う人もいるはずだ。ランク付けが間違っていたならば、当然、評価機関が責任をとるのだろうから、故意の偽装はしないのではないか?と。

 ところが、性能評価機関が行った評価が虚偽だった場合に、その機関に責任を負わせるような条文は品確法にはないのが実態だ。

 それどころか、品確法上は、登録住宅性能評価機関が交付した住宅性能評価書やその写しを、新築住宅の請負契約書や売買契約書に添付などすると、住宅性能評価書の記載内容を契約したものとみなされるとはいうものの、「ただし、契約書面で、契約内容としないことを明記した場合はこの限りではない」とされている。

 しかも、性能評価機関は、建築会社との間で契約をしているだけで、注文者との間で契約を結んではいないため、保証するような契約もない。


 というわけで、建築業者側が性能評価機関側に強く偽装を求めたら、場合によっては、評価機関はそれに応じるかもしれない。以前に同じようなこともあったとおりに。

 では、実際に、裁判になったらどうなるか?

 住宅性能評価機関等連絡協議会らが作成したQ&A(http://www.hyouka.gr.jp/teikyo_joho/qa_list.php)によると、 

【耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)について等級3と評価された住宅が等級1の地震により倒壊した場合のように、性能評価された等級を満足しない結果が生じた場合の責任は誰に帰するか。】という質問に対し、

【一概には言えませんが、請負契約の内容と異なった施工の場合は請負人の責任、評価ミスならば評価機関の責任もあるなど、ケースバイケースで判断すべきものと考えます。】と回答しており、裁判で争われた場合には、責任を取らざるを得ない場合があることを認識しているようだ。

 とはいえ、裁判で争われるケースは少ないだろう。というのも、第一義的な責任は建築会社にあるため、訴える相手は、建築会社となることが多いだろうからだ。

 しかし、それでは、なかなか、偽装をランク付けをする悪質業者を駆逐することはできない。

 そこで、住宅の欠陥で訴訟を考えている皆さん、もし、住宅性能評価のランク付けにも問題があるならば、建築業者のみならず、住宅性能評価機関も訴えよう。同時に、国土交通省に対し、こんな評価機関がいる、なぜ、法律で評価機関の責任を定めないのか、こんな業者がいるようでは国家的詐欺だ~、と申告し、悪質業者駆逐と法改正を実現させよう。

 一生に一度の買い物で、泣く人をこれ以上増やさないためにも…。

【追記】
 ペンネームあゆさんから、次のようなコメントをいただきました。

【先日偶然別の件でしりたくなり何人かの建設業者にききました。住宅の通知簿で第三機関がやってきてあれこれ検査するそうです。申請には何十万もかかるそうです。
「とってもいいけどそれは販売価格に上乗せされますよ。」
と言う事でした。
何十万かかり責任不明瞭???!!】

きっちりと責任を負うなら、何十万円はかかることもあるかなとは思うんです。でも、なかには、極めて安価なのもあるそうで、それこそ、本当に調べているのか、という疑問もわいてきます。もちろん、安価だからだめとか、高いから安心とかいうつもりはまったくなく、ぼられているかもしれないし、リーゾナブルだけかもしれないし…。ホンに、建築の世界は不思議ワールドですね(悪徳業者を相手にすることが多いから特にそう感じるのかもしれませんが…)。




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