情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

警察が不正確な情報を誤っていると知りつつ、あるいは意図的に提供することがある…

2009-06-21 21:20:14 | メディア(知るための手段のあり方)
 今日はデレク・フォルホーフ教授から自著のテキストをもらい、それについて少し「講義」をしてもらった。テキストの中には、欧州人権裁判所の面白そうな判例などが記載してあったが、まずは、欧州評議会の「刑事手続きに関するメディアを通じた情報に関する規定に関する加盟国への勧告」(Recommendation Rec(2003)13 of the Committee of Ministers to member states on the provision of information through the media in relation to criminal proceedings )が目に入った。

 「メディアを通した情報」という言い回しがそもそも憎いよね、情報を得る主体は、メディアそのものではなく、メディアを通して情報を得る市民なんだ、っていうことが伝わってくる。

 ちょっと中を見てみると、勧告(https://wcd.coe.int/ViewDoc.jsp?Ref=Rec(2003)13&Language=lanEnglish&Ver=original&Site=COE&BackColorInternet=DBDCF2&BackColorIntranet=FDC864&BackColorLogged=FDC864)の原則3に、

「司法機関と警察は、確認された情報と妥当な想定に基づいている情報のみをメディアに提供するべきである。 後者の場合では、想定に基づくことを明確にメディアに示すべきである」

とある。

 むむむっと思って、この勧告の解説(http://www.ebu.ch/CMSimages/en/leg_ref_coe_r2003_13_criminal_proceedings_100703_tcm6-5020.pdf)を読んでみると、

 不正確な情報が提供される恐れについて、「この原則は、不正確な情報が不正確と知りつつ、あるいは意図的に提供されることを防ぐことができる」(this Principle shall prevent that inaccurate information is provided knowingly or even on purpose)と書かれている。

 公式的な文書に、警察などが不正確な情報を情報操作のために、意図的にメディアに流すことがあることを明記してあるわけだ。

 欧州評議会では、そういう事実を認めたうえで、それに対処する方法が検討されたわけだ。

 このテキスト、面白すぎる~でも、日本の現状が脳裏に浮かぶと、悲しくなってしまうなぁ…。


 
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