【政府内に「テロ攻撃を未然に防ぐには、警察官らによる立ち入り制限や強制的な職務質問が必要だ」との見方が広がっているとして、重要施設の警備に関する警察官らの権限を強化するために警察官職務執行法(以下「警職法」という)の改正等が検討されている(読売新聞2004年11月28日付夕刊)】ことについて,山下幸夫弁護士が鋭い批判を加えている。
山下弁護士は,共謀罪反対などにも熱心に取り組んだ弁護士。
同弁護士は,【今回報道されている警職法の改正案はこれまでとは明らかに質を異にしている。
すなわち、一定の時期・エリアに限定されるとは言え、警察官に強制力を与えようというのであるから、行政警察活動のあり方を一変させるおそれがある。
司法警察活動については裁判官による司法的抑制という担保が一応あるのに対して、行政警察活動については第三者が一切チェックできないために、警察官による権限濫用や暴走を誰も止めることができなくなり、市民の人権の侵害が一層多発するおそれがある。
したがって、警職法につき報道されているような内容の改正がされれば、その性格を変えてしまい、市民を弾圧するための武器として用いられることになってしまうだろう。】
と指摘した上,
【警職法を改正して、行政警察活動に携わる警察官に対して、職務質問や同行に強制力を与えることは、警察官の権限を強化するだけであり、それと対抗する市民にとっては、正当な運動や活動に対して、警察官が権限を濫用・暴走して、より多くの市民の弾圧を生むというマイナスの結果しかもたらさないと考えられる。】
と警鐘を鳴らしている。
職質が濫用され,警察の点数稼ぎとなっているのは以前にも指摘したことがあるが,道歩いていていきなり職質され,それを拒否したら公務執行妨害で逮捕だなんて,それじゃぁ,町を歩けないよ。拒否するほうがおかしいって?!拒否してなくても拒否したと警察が口裏を合わせたら,おしまいでしょう…。いまでさえ,「転び公妨」(捜査員が容疑をかけた人物の前でわざと転び、公務執行妨害や傷害などの罪名をつけて無理に逮捕すること)という方法があるが,職質に強制力が付与されたら,逃げたぞって警察官が叫んだかと思ったらその場で逮捕されたっていう事例が出てくるんでしょうね。
関連記事:警察官の職務質問が「強制」になる?
山下弁護士は,共謀罪反対などにも熱心に取り組んだ弁護士。
同弁護士は,【今回報道されている警職法の改正案はこれまでとは明らかに質を異にしている。
すなわち、一定の時期・エリアに限定されるとは言え、警察官に強制力を与えようというのであるから、行政警察活動のあり方を一変させるおそれがある。
司法警察活動については裁判官による司法的抑制という担保が一応あるのに対して、行政警察活動については第三者が一切チェックできないために、警察官による権限濫用や暴走を誰も止めることができなくなり、市民の人権の侵害が一層多発するおそれがある。
したがって、警職法につき報道されているような内容の改正がされれば、その性格を変えてしまい、市民を弾圧するための武器として用いられることになってしまうだろう。】
と指摘した上,
【警職法を改正して、行政警察活動に携わる警察官に対して、職務質問や同行に強制力を与えることは、警察官の権限を強化するだけであり、それと対抗する市民にとっては、正当な運動や活動に対して、警察官が権限を濫用・暴走して、より多くの市民の弾圧を生むというマイナスの結果しかもたらさないと考えられる。】
と警鐘を鳴らしている。
職質が濫用され,警察の点数稼ぎとなっているのは以前にも指摘したことがあるが,道歩いていていきなり職質され,それを拒否したら公務執行妨害で逮捕だなんて,それじゃぁ,町を歩けないよ。拒否するほうがおかしいって?!拒否してなくても拒否したと警察が口裏を合わせたら,おしまいでしょう…。いまでさえ,「転び公妨」(捜査員が容疑をかけた人物の前でわざと転び、公務執行妨害や傷害などの罪名をつけて無理に逮捕すること)という方法があるが,職質に強制力が付与されたら,逃げたぞって警察官が叫んだかと思ったらその場で逮捕されたっていう事例が出てくるんでしょうね。
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というのも、職質に強制力がないことを知らない市民が多く、職質されると素直に応じる人が多いことが一つ。
もう一つは職質を理由もなく逃れようとする行為自体が何らかの犯罪に関与していると見なしても良い、という警察官の誤解があるからです。
こういった誤解をなくすために正しい警職法を周知するか、もしくは本当に強制力を与えてしまうか、どちらかが望まれると思います。ただし、警察官の恣意的な職質については、特別公務員暴行陵虐罪等が適用されますので、「警察官が嫌がらせで職質できるようになるから危険だ!」なんて言うことはできません。