情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

日本で認められている遺伝子組み換えトウモロコシの使用をオーストリアが禁止決定

2008-08-13 11:28:33 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 グリーンピースのプレスリリース(http://www.greenpeace.or.jp/press/releases/pr20080804gm_html)によると、【オーストリア政府は7月24日、米国の大手農業化学企業モンサント社が開発した殺虫性遺伝子組み換えトウモロコシ(MON863)は、同社が提出した研究データでは食品の安全性を確認するのに不十分として輸入と国内での加工禁止を発表した】という。このMON863については、日本では、単一の品種以外に、MON863の掛け合わせ品種を含む4種が食品・飼料への使用を認められ国内に流通しているらしい。そこで、オーストリア政府の決定を受けて、グリーンピース・ジャパンは、日本のトウモロコシ輸入量に占めるMON863の割合の情報開示を求めるため、8月1日、農林水産省に行政文書開示請求書を提出したという。
 
 すばやい動きを評価したい。他方で、オーストリア政府の決定について一切報道しようとしないメディアの姿勢には疑問を呈せざるを得ない。

 産地の偽装についてあれだけ盛んに書くのに、外国政府の重大な決定は完全に無視する…。米国企業の悪口は書けないってことなのだろうか?

 グリーンピース・ジャパン遺伝子組み換え問題担当の棚橋さちよさんによると、「オーストリアを含め、欧州連合(EU)内でMON863の栽培が許されている国は一つもない」という。
 
 そして、日本でも「遺伝子組み換え作物の商業栽培は認可されているが、消費者の強い反対により国内での商業栽培は一切行われていない」のが現状だという。

 それにもかかわらず、今回のオーストリア政府の決定を報道しないのはなぜだろうか?

 グリーンピース・ジャパンによると、【モンサント社が開発したMON863はフランス・カン大学など専門家チームの研究により2007年3月、ラットを使った実験で肝臓と腎臓への毒性作用をもつ可能性があることが確認された。この研究は、モンサント社がEUでの販売許可の申請用に欧州委員会に提出したMON863の安全性調査報告書を専門家らがあらためて審査したもので、モンサント社が作成した同報告書は、グリーンピースが起こした訴訟によって公開された】という。

 遺伝子組み換え食品の危険性について、棚橋さんは、「MON863のほか、EU6カ国で禁止規制のある遺伝子組み換えトウモロコシ(MON810)も日本では認可され、流通している。子どもが食べるチョコレート菓子から大人が飲むビールまで、遺伝子組み換え原料が使われていても、商品への表示義務が非常にゆるく設定されていている日本では、どの遺伝子組み換え作物が食品として使用されているか消費者はわかりづらい。」と指摘し、「安全性に不安が残る遺伝子組み換え原料の使用は、消費者に正しく伝えるために表示してほしい」と、訴えている。

 日本で実施されている遺伝子組み換え食品表示制度は、消費者に正確な情報を提供するものではなく、本来食品表示によって守られるべき消費者の知る権利・選ぶ権利が奪われているため、グリーンピースでは、「遺伝子組み換え食品表示の法改正を求める100万人署名」を100以上の賛同団体とともに進め、政府に食品表示の法改正を求めているらしい。

 私も早速署名します(メンバーの弁護人だからってわけではないって注記をするまでもないって感じもしますが、念のため)。





★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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