情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

恥を知れ~在日朝鮮人女性に関する公安情報リークに飛びついたメディアよ、反省せよ!

2007-10-07 13:45:20 | メディア(知るための手段のあり方)
 薬事法違反で強制捜査された在日北朝鮮の女性が、不起訴となっていたのを、月刊マスコミ9月号で紹介されているのを読んで初めて知った。強制捜査されたときの報道にはフレームアップされたような印象があり、えん罪を疑っていたが、毎日、東京を除く各紙は、強制捜査報道は大きかったが、不起訴報道はベタだったという。安倍政権下での北朝鮮敵視政策の尻馬に乗った報道をしたことへの反省とこの女性の名誉回復に向けた措置をとるよう求めませんか?

 強制捜査時の報道は、次のようだった。

■■引用開始■■
朝鮮総連を強制捜査 点滴薬大量輸出 薬事法違反の疑い

 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の関係団体「在日本朝鮮人科学技術協会」(科協)幹部の親族の女性(74)が点滴薬を不正に入手した事件で、警視庁公安部は27日、薬事法違反(医薬品無許可授与)容疑で、総連東京都本部(文京区)など6カ所を一斉捜索した。万景峰号は総連の祖国訪問事業として往来しており、警察当局は全容解明には総連施設の強制捜査が必要と判断。親族に点滴薬を譲渡したのは耳鼻咽喉(いんこう)科の医師(59)で、公安部は北で需要の多い点滴薬の調達をめぐる指示系統や介在組織の捜査も進める。

■■引用終了■■

■■引用開始■■ 

社会総連「科協」幹部親族 点滴薬、大量輸出図る 生物兵器に転用可能

 朝鮮総連の関係団体「在日本朝鮮人科学技術協会」(科協)幹部の親族が、万景峰号で北朝鮮に大量の点滴薬を不正に持ち出そうとしていたことが26日、警察当局の調べで分かった。点滴薬は生物兵器に必須の細菌培養に転用が可能で、朝鮮人民軍では栄養補給用として不足しているとされる。北朝鮮当局が日本の医薬品を送るよう関係組織に指示していた疑いもあり、警察当局は「軍用物資」調達の一環とみて、薬事法違反容疑で捜査に乗り出し、背後関係の解明を進める。

 科協幹部の親族は今年5月中旬、新潟港に入港する万景峰号にアミノ酸点滴薬を持ち込もうとした。大量の点滴薬を衣装ケースの底に敷き詰めるようにして手荷物として申請したが、持ち込み可能な上限額(30万円)を超えていたため、東京税関に許可されず、点滴薬を置いたまま乗船した。

 税関は厚生労働省と警察当局に連絡。警察当局が点滴薬の入手ルートを捜査した結果、科協幹部の親族が不正入手していた疑いが強まった。薬事法の規定では、医師から処方箋(せん)の交付を受けておらず、販売許可もない個人や業者は、処方箋指定医薬品の購入や譲り受けはできない。

 税関当局によると、6月にも大量の医薬品を持ち込もうとした男が不許可になったという。祖国訪問に利用される万景峰号を使った医薬品の持ち出しが常態化していたとみられる。

 警察当局によると、アミノ酸点滴薬からアミノ酸を抽出して細菌培養に応用することは技術的に可能で、生物兵器開発に利用される恐れがある。また、北は経済的困窮から兵士の栄養状態が悪く、栄養補給用の点滴薬も不足しているという。

 今年6月、点滴薬を不正に販売した薬事法違反容疑で、神奈川県警に摘発された都内の医薬品販売会社は、北朝鮮貿易を専門とする複数の商社を介し、医薬品を大量破壊兵器開発の懸念がある外国ユーザーリストに掲載された北の企業「ルンラ888貿易会社」などに輸出していた。

 日本での医薬品調達は、北朝鮮の朝日友好医療事業公社や、朝鮮労働党傘下の保健担当工作員らが指示しているとされる。同県警が摘発した事件でも、役員が科協会員だった商社が介在しており、警察当局は、日本の先端技術知識を本国に流出させていた疑いが判明している科協の関係者が、医薬品持ち出しにも関与していた疑いもあるとみて、介在組織や指示系統の解明を目指す。

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そして不起訴を伝える毎日新聞の記事は次のとおり。

■■引用開始■■
北朝鮮・医薬品輸出:「薬は次男のため」 起訴猶予の女性、捜査批判

 ◇万景峰号、点滴薬事件

 処方せんなしに医薬品を売買したとして、警視庁公安部に薬事法違反(無許可販売)容疑で書類送検され、不起訴(起訴猶予)となった東京都世田谷区、在日朝鮮人で元飲食店経営、朴順粉(パクスンブン)さん(75)が取材に応じ「組織的背景は全くない」と北朝鮮の関与を疑った捜査を批判した。

 朴さんは06年5月、貨客船「万景峰(マンギョンボン)号」に、処方せんなしで点滴薬「強力モリアミンS」(200ミリリットル)60パックと肝臓疾患薬「強力ネオミノファーゲンC」4箱を持ち込もうとして新潟税関に見とがめられた。点滴薬5パックのみ持参を認められ、渡航した。

 この点滴薬を巡っては、神奈川県警が同6月、医薬品販売会社社長が8100パックを北朝鮮系貿易会社に処方せんなしで販売したとして同容疑で書類送検(昨年8月、起訴猶予)するなど、組織的な背景が疑われた。警視庁公安部は同11月、朴さんの自宅と薬を販売した近所の耳鼻科病院、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)東京都本部などを捜索した。

 薬について、朴さんは「私は甲状腺がんの手術を受けるなど体が弱く、訪問中の体調管理と、肝炎になった元医師の次男にあげようと思った。その3年前にも持参したが、薬事法改正(05年4月)で持ち出しができなくなったことを知らなかった」と説明した。

 朴さんの夫(84)が科学者らでつくる「在日本朝鮮人科学技術協会」(科協)の顧問だったため、北朝鮮軍関係の指示があった可能性が指摘されたが「30年ほど前に、名目上顧問になっただけ。93年に体を悪くして全く会合にも行っていない」と話し「総連施設を捜索したいがために、私を利用したのではないか」と捜査を批判した。

 捜索の後、自宅には「出て行け」「歩くと殺すぞ」など嫌がらせの電話が20本近くかかった。近くの喫茶店に「この町には北朝鮮のスパイがいる」と話す中年女性たちがいて、あぜんとしたこともあったという。しかし「『町から出て行こうか』と弱音を吐いた時、近くの日本の人たちが『私たちが守るから』と声を掛けてくれ、救われた」と振り返った。

 警視庁は今年6月初め、朴さんと薬を販売した医師を書類送検したが、東京地検は同下旬「組織的要請に応えたという認定はできなかった」と、起訴猶予処分とした。

 事件を巡っては、朝鮮総連東京都本部などが「捜索は政治的弾圧」などとして、国と都に1250万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 23日の第2回口頭弁論で都側は「捜索には必要性があり、事件との関連性も疑われた」と反論している。

■■引用終了■■


各紙はこのような場合、きちんと不起訴を伝え、かつ、ウェブサイトのトップページに訂正・謝罪のコーナーを設け、名誉回復がきちんとなされるように配慮するべきだ。

そもそも、薬事法違反を生活安全部ではなく、公安が扱っていること自体がおかしいわけで、書いている記者だって、えん罪の可能性はあるかも、と思っていたはずだ。

真偽を見分け、危ない情報のフレームアップには乗らないような見識をもって報道してほしい。


【追記】
すみません、逮捕ではなく強制捜査でしたので、その旨訂正しました。

また、某通信社がもはや起訴できるはずもない状況での書類送検を報道していたことが分かったので、その記事も下記引用します。この記事を書いた時点で、不起訴となることが決まっていた、書いた記者はそのことをかみしめてほしい。


■■引用開始■■
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の傘下団体「在日本朝鮮人科学技術協会(科協)」幹部の親族の在日朝鮮人の女(74)=東京都世田谷区=が、耳鼻咽喉(いんこう)科の医師の男(59)=同=から無許可で医薬品を譲り受けたとして、警視庁公安部は5日、薬事法違反(無許可販売)容疑などで、女と医師を書類送検した。
 公安部は昨年11月、女や医師の自宅、朝鮮総連東京都本部(文京区)などを家宅捜索し、解明を続けていた。
 調べによると、女は昨年4月下旬、無許可と知りながら、医師に低栄養状態に効果のある点滴薬の譲渡を指示した疑い。
 医師は5月下旬、薬局の開設許可を受けずに点滴薬を女に譲渡した疑い。
 女は点滴薬だけでなく、肝臓治療薬のアンプルも北朝鮮の貨客船「万景峰号」で同国に無申告のまま手荷物として輸出しようとしたが、税関に摘発されて持ち出せなかった。
■■引用終了■■









★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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