tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

トランプ氏とアメリカの再生

2016年12月08日 12時10分15秒 | 経済
トランプ氏とアメリカの再生
 ソフトバンクの孫正義氏がトランプ次期アメリカ大統領に会って、アメリカに5兆円余の投資をし5万人の雇用を創出すると約束して、トランプ氏は大変喜んだというニュースが飛び込んできました。

 TVで見ても、トランプ氏の表情は本当に嬉しそうで、孫氏のことを「マサ」と呼び、孫氏も人懐こい表情で親密感を示し、まさにビジネスマン同士の素晴らしい交歓のシーンという感じで拝見しました。

 こうした、まさに実体的な日米経済の交流は、現実的であるだけに、政治的交流に増して、我々にも実感できるものでしょう。
 こうした多様な側面から、今後の日米関係が多様な形で織り上げられていくことは極めて大事だと思われます。

 孫氏のアメリカの今後を読み、迅速に行動に出たこと、機を見るに敏といいましょうか、流石といいましょうか、驚くばかりです。

 アメリカを経済活動、ビジネスの場としてとらえると、今でも、ある意味では世界で最も素晴らしい場所でしょう。ビジネスだけではありません、ゴルフでも野球でも、やはりアメリカは能力ある人たちにとっては羨望のアリーナでしょう。

 ただ純粋に経済という立場で考えますと、これからのアメリカ経済の再生は、それでいいのかなという疑問も感じてしまうところです。
 世界の資本や経営能力がアメリカという舞台で活躍する。それがアメリカへの資本の流入を生み、雇用を生み出し、アメリカ経済は一見華やかに活況を呈するのですが、その舞台を支えるアメリカ自体の経済力はどうなのでしょうか。

 アメリカが今の万年赤字経済で世界中から借金しなければならないという経済から脱出し、 自力で世界に貢献できるような経済体質を作るためには、自らの力で十分な付加価値を生み出し、その中から自らの力で資本投下を行い、自らの労働力でコスト競争力のある企業、産業を持たなければならないのでしょう。

 いま中国は巨大な資本力を持っているようですが、人民元安を恐れています。人民元安で、海外からの資本の引き揚げを恐れるからです。
 中国は労働コストの安さで、海外資本を呼び込みました。アメリカはアメリカという「活躍の舞台」の魅力で、海外資本を呼び込むのでしょうか。

 トランプ氏がどんなアメリカを考えているのか、まだまだ分かっては来ませんが、「アメリカ・ファースト」の現実的な中身が何なのか、次第に見えてくるのではないでしょうか。注意深く見守ることが必要なようです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。