tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

自粛ムードと経済の関係

2011年04月05日 11時56分46秒 | 経済
自粛ムードと経済の関係
 石原都知事が、花見を自粛しようといったようです。震災直後、多くの人も、被災者のことを考えれば、花見などで浮かれていられるものではないとお感じだったと思います。
 選抜高校野球は、被災地の人々を元気付けようということで、思い切って開催され、純粋で真剣なプレーが「元気を出そう日本」の気持ちを強くしました。

 昨日ですか、岩手県の酒造会社が「花見をやってください、そこで岩手産のお酒を飲んで下さい、自粛は我々にとって二次災害です」と発信しているというニュースを見ました。
 経済という面から見れば、自粛ムードは不可避的に再建を遅らせる効果を持ちます。

 先日、近所の方から、「南相馬市のコメ作り農家で、風評被害もあり昨年収穫のコメが売れず困っている、無農薬米なので少し高いが、是非ネットの輪を広げて買ってあげたい」という話しがありました。

 ビジネスにとっては、自粛ムードも風評被害も与える影響は同じです。生産したものが売れないとビジネスは継続していきません。「生産→販売→代金回収→仕入れ→生産」というサイクルが回るからこそ、ビジネスは回転していくのです。 一度この連鎖が切れると、回復は容易ではありません。東日本大震災では、いたるところでこの連鎖が断ち切られ、多くの企業、事業者がダメージ受け、それが雇用に、家計の所得維持に、日々の生活に甚大な被害を及ぼしているのが現状です。

 亡くなられた方々に弔意を表し、被害を受けた方々お見舞いの心、救援物資、義援金は人間の良心の発現そのものです。
 しかし、同時にビジネスにとっては、客が来て呉れること、製品やサービスが売れることがより大きな支援になるのです。もちろん買い溜め云々は、別次元の話しですが、心の整理がついてくる段階から、(ピーク電力の抑制だけは別ですが)出来るだけ早く、通常の日常生活を回復することも大変大事ではないでしょうか。

 今日の経済社会は、企業によって支えられています。大企業から個人企業まで、企業の元気が出るかどうかは売上次第です。そして、企業に元気が出れば、それは雇用を通じて、広く社会に均霑していきます。被災地の中小企業での、従業員も社長も一丸となった積極的な再建への取り組みの様子なども、連日報道されています。

 被災者の方々への義援金については、心を動かされるような報道が毎日入ってきます。 
 もうひとつの被災地支援、日本経済復旧支援として、被災地の企業を始め広く企業の売上に貢献するような元気な消費活動を、我々の日常生活の中で考えてみることも大事ではないでしょうか。


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1 コメント

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とても魅力的な記事でした。 (職務経歴書の見本)
2011-04-06 16:28:58
また遊びにきます。
ありがとうございます。
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