tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

為替政策: 行き過ぎた自由の再考(4)

2011年09月09日 12時11分20秒 | 経済
為替政策: 行き過ぎた自由 の再考(4)
 安住財務相は、G7で日本の立場をよく説明し、理解を得たいと、熱心に語っておられるようです。まさに初陣です、是非頑張っていただきたいと思います。そのためにも、今までの民主党とは違って、民主党の総意と、国民の賛同の上に立つ発言でなければ、なりません。

 今欧米は経済も経済学も、「マネー資本主義 」、「マネー経済学」に汚染されきっています。バーナンキさんや、欧州中央銀行にしても、世界経済のお荷物になっている経常赤字から脱出できない(するだけの意思の強固さの無い)国の実体経済の救済が、金融政策で可能、と考えているとしか思えません。

 こうした誤った経済政策が、実体経済についての経済学、経済政策をあいまいにし、流行する政治のポピュリズムとともに、安易に堕した人間生活を容認し、努力なしにより良い生活が実現できるような空しい夢を撒き散らしているというのが現実ではないでしょうか。

 「浪費している国を何で勤勉な国が援助しなければならないのか」というドイツ国民の声が、ユーロ圏諸国の中で、どちらかというと人気が無く、「ドイツのケチ」といわれかねないような雰囲気があるのと同じように、日本の貿易黒字のせいで、貿易赤字に悩んでいると思っている国に対し、日本が国際競争力が弱くなると困るから円高を止めてくれ、といっても、「日本はそう言うかもしれないけど、俺たちはもっと困っている」で済まされてしまう可能性は大きいと思われます。

  40年も赤字国のアメリカが、基軸通貨国であり続けるために作られて来た経済学、経済政策は世界をそうした考え方に塗り替えてしまったようです。
 これに対して日本は、いかなる説得と行動を試みようというのでしょうか。それぞれの国の利害を代表する人々の会議で、少数意見が過半数の意見を説得するのは容易ではないでしょう。

 日本の主張は、各国にこのように利益になりますと巧く主張できるでしょうか。それとも、日本は独自にこうした政策を採ります。結果を見て下さいというのでしょうか。
 良薬は口に苦し、です。苦い薬を飲みたくない国々が相手です。よほどの覚悟がないとダメでしょう。与野党と国民の支持を背に、100万人といえども我行かん、の気概が示せるでしょうか。

 一寸気になるのは、「具体的な財政再建策を示し、財政不安の払拭に努める」という日本人の生真面目さを付け加えている点で、その辺りがどういう辻褄になっているかです。
 国際投機資本は「それが出来るなら矢っ張り円は買いだ」と当然考えるだろうと思われるからです。


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