tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

ギリシャ・ユーロ・国際投機資本

2010年05月07日 11時50分31秒 | 経済
ギリシャ・ユーロ・国際投機資本
 ギリシャ問題で、世界の経済がゆれています。

 ゆれているといっても、実体経済がゆれているわけではありません。日本の状況を見てもそうですが、企業の決算状況が発表され、まあまあ順調な回復基調が見えてきているように思えます。

 それなのに、株価は毎日暴落を続けています。この一両日の株価の動きは実体経済と関係ないことが明らかです。アジア経済も、世界経済も、何とかリーマンショックから立ち直って、まともな動きをはじめようと努力しているところです。

 ギリシャの財政状態が不安になっても、それはユーロ圏やIMFが協力すれば、そんなひどいことにはならない程度の規模でしょう。実体経済に注目すれば世界を震撼させるような巨大な問題ではありません。

 問題は、この問題を捉えて、あぶく銭を儲けたい国際投機資本が、針小棒大に危機感を煽り、PIIGSなどといわれる他の国にも飛び火したら大変などといいううわさを撒き散らして、自分たちに有利な投機環境を整えようとしていることです。

 投機マネーは、マーケットが平穏では仕事になりません。乱高下があってこそ、ビジネスチャンスが生まれるのです。ですから乱高下を起こしたいわけです。ギリシャという火種を利用して、ユーロを売りぬき、ユーロの下落で巨利を得る事を当然考えるでしょう。現にユーロは大幅に下がっています。多分空売りのせいでしょう。
 自分たちの手で問題を起こしそれで利益を得る。それはインサイダー取引よりも悪質です。

 問題は、投機資金が巨大( レバレッジ過大?)なため、行きすぎた投機の動きが実体経済の正常な活動をマネーマーケットを通じて破壊することです。実体経済を犠牲にしてあぶく銭を儲ける動きが再び起きつつあることは明らかでしょう。G20の投機抑制の申し合わせはどうなっているのでしょうか、ボルカー・ルールの適用はどうなっているのでしょうか。

 ユーロ下落で、ドイツを始め、ユーロ圏各国は、大幅なコスト低減で、国際的には大変有利な状態になっていると思います。それによる実体経済の回復、そのシナリオを明示することで、無用な危機感を煽ってキャピタルゲインを稼ごうとする投機資本の思惑が実現しなくなるような、賢い政策は取れないものでしょうか。

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