衣裳部門もミュージカルとプレイが別れておりますが
他の賞は同じカテゴリーなのでまとめてお伝えします!
まずはプレイ部門のノミネートから
Soutra Gilmour 「Cyrano de Bergerac」
Ann Roth 「The Nance」
Albert Wolsky 「The Heiress」
Catherine Zuber 「Golden Boy」
渋みのある作品ばかり。時代も古めの作品が多いですね。
ミュージカル部門は
Gregg Barnes 「Kinky Boots」
Rob Howell 「Matilda」
Dominique Lemieux 「Pippin」
William Ivey Long 「Cinderella」
こちらはバラエティーに富んでます。
どの作品も面白い衣裳ばかりでしたからね。
他の賞を眺めてみます。
[Drama Desk Award Outstanding Costume Design]
Amy Clark and Martin Pakledinaz 「Chaplin: The Musical」
Dominique Lemieux 「Pippin」
William Ivey Long 「Cinderella」
Chris March 「Chris March's The Butt-Cracker Suite! A Trailer Park Ballet」
Loren Shaw 「Restoration Comedy」
Paloma Young 「Natasha, Pierre & The Great Comet of 1812」
オフからのノミネートは全て見逃している。悔しいですね。
Amy Clark 普段はオフの作品で活躍していますが助手として沢山のオン作品にも参加しています。
「Fela!」「Wicked」「Sister Act」などで助手をつとめてます。
Martin Pakledinaz トニー賞を2つ獲得しています。
「Thoroughly Modern Millie」「Nice Work If You Can Get It」「Kiss Me, Kate」
などが有名ですが去年の7月に他界されています。
今回は助手との二人でノミネート。
白と黒を貴重にして甘美な衣裳は美しかった。
Chris March ファッションデザイナーとあいても活躍していて
マドンナ、ビヨンセ、レディー・ガガなどの衣裳も手がけているそうです。
Loren Shaw こちらもオフを中心に活躍する衣裳デザイナーです。
作品を観てないのでなんとも・・・
Paloma Young 「Peter and the Starcatcher」でトニーを獲得しています。
この作品見逃してるんですがまた再演が始まったので観に行かなくては。
お次は結果が出ている賞です。
[Outer Critics Circle Award Outstanding Costume Design (Play or Musical)]
Amy Clark & Martin Pakledinaz 「Chaplin」
Gregg Barnes 「Kinky Boots」
Dominique Lemieux 「Pippin」
William Ivey Long 「Cinderella」
William Ivey Long 「The Mystery of Edwin Drood」
こちらはトニーのノミネートから「Matilda」が抜けて
「Chaplin」と「The Mystery~」が入った感じですね。
Wiiliam Ivey Long は一人で2ノミネート。不思議な感じです。
こうして眺めると「Pippin」と「Cinderella」の評価がどの賞でも高い。
さて結果は・・・・
William Ivey Long 「Cinderella」
う~ん・・・あんまり納得できないかなあ。
詳しくは紹介で書きます。
ということで紹介していきます。
Soutra Gilmour 「Cyrano de Bergerac」
どうやらこの作品でオンブロードウェイデビューのようです。
イギリスでの活動が目立ちます。
セットや衣裳、プロジェクションなどなんでもこなすデザイナーです。
ただ今回オンの作品にも関わらずこの作品を見逃しています。
なのであまり書ける事がない。すみません。
この人の衣裳自体を観た事もないので。
Ann Roth 「The Nance」
今回で通算6度目のノミネート。
まだ一度も獲得していませんが担当作品は山のようにあります。
今期だけでも他に「I'll Eat You last: A Chat With Sue Mengers」「The Testament of Mary」を担当してます。
ストレートプレイの印象が強い方です。御年81歳。
オスカーは獲得してますがトニーはまだなんですね。
今回は猥雑なバーレスクのダンサー達の衣裳が印象的でした。
ファンシーでもありながら艶かしい。
ちょっとふざけた遊び心が可愛らしい衣裳が作品にマッチしてました。
キャリアの長さや今回のバラエティーを考えると
かなり有力じゃないんでしょうか。
Albert Wolsky 「The Heiress」
この方もご高齢です。御年82歳。
凄いですねえ。
オスカーを二度獲得してます。
しかも元々は Ann Roth さんのアシスタントだったとか。
歴史を感じます。でもトニーノミネートは今回が初めて。
映画での活躍の方が目立つようです。
今回は19世紀末のニューヨークの上流社会を感じさせる
上品で乾いた印象の衣裳でした。
艶やかさは表立って出てこないのだけど
それが返って内面を想像させてくれるいい塩梅。
とても俳優の魅力を引き出していたと思います。
ただどうしても時代物なんで制約がありますからね。
ちょっと受賞には物足りないかな。
Catherine Zuber 「Golden Boy」
なんと彼女は既に5つのトニー賞を獲得しています。
ノミネートは今回で11回目。
今を代表する衣裳デザイナーですね。
ミュージカルもプレイもオペラも手がけています。
今期は他にも「The Big Knife」「Dead Accounts」「An Enemy of People」を手がけてます。
代表作は「The Light In The Piazza」「The Cost of Utopia」「South Pacific」など。
今回はイタリア移民の一家のぬくもりやボクシング興行界の嫌らしさ
マフィアの危なさを上手く衣裳が表現していた気がします。
特にヒロインのフォルムは常に美しかった。
アールデコのポスターのような綺麗なフォルムは素敵でした。
ただもう5回もとってますからね。
今回はいいんじゃないかな。
素敵な衣裳でしたけど他の人にとってもらいたくなっちゃいますね。
というわけで予想としては
Ann Roth 「The Nance」
キャリアもさることながら今回はお茶目な感じがよかった。
遊び心を感じました。応援してます。
引き続きミュージカル部門。
Gregg Barnes 「Kinky Boots」
今回で4度目のノミネート。既に2回受賞しています。
代表作は「Follies」「Legally Blonde」「The Drowsy Chaperone」など。
今期は「ELF」も担当してました。
華やかなミュージカルが得意なイメージです。
今回はとにかくドラッグクイーン押しの作品なので
もうキラキラ、ビカビカ。
とっかえひっかえスパンコールの嵐でした。
イギリスが舞台ということもありややパンキッシュな要素もあって
なかなか楽しめました。作品にとてもマッチしてます。
彼の得意なテイストだったんだと思います。
とにかく派手。ある意味予想通りでした。
美しいわけではないけど元気の出る衣裳。
作品の勢もあるので可能性はありそうですね。
Rob Howell 「Matilda」
本人の紹介は美術部門でしてしまったので今回は割愛。
衣裳としては美術とともにこの作品の世界観をしっかり
つくりあげていました。
全体的に暗めのパステルカラーといった優しい印象で
逆にビビットな色が効果的に使われていて
色使いの繊細さ、バランスがいいなという印象です。
それぞれのキャラクターのデフォルメもわくわくさせてくれて
絵本の中の登場人物のようで素敵でした。
衣裳も素晴らしかったんだけど今回は美術の印象が強いですね。
衣裳単体で観たら他の作品の方がインパクトはあるのかな。
健闘して欲しいです。
Dominique Lemieux 「Pippin」
今回がブロードウェイデビュー作。
といっても既にキャリアは素晴らしいです。
シルク・ド・ソレイユの衣裳を数多くてがけています。
日本に来ている作品もほとんど彼女の衣裳です。
本当に今回の作品の衣裳は素晴らしかった。
そりゃサーカスですからサーカスの衣裳になりますよ。
艶やか、スタイリッシュ、遊び心などなど
色んな要素がごちゃ混ぜになりながらも
美しくバランスがとれてまとまっている。
色のバランスがとてもいい。
キャストの身体のラインを極限までに浮き立たせて
艶かしい美しさを生み出しています。
劇中劇という特殊な空間を
おふざけや美しい色使いで表現できていました。
個人的に衣裳単体でみたらとても印象的で
素晴らしい仕上がりだったと思います。
William Ivey Long 「Cinderella」
この方も11回目のノミネート。既に5回獲得してます。
今期は他にも「The Mystery of Edwin Drood」を担当してます。
代表作は「Catch Me If You Can」「Young Frankenstein」「Curtains」
「Grey Gardens」「Hairspray」「The Producers」などなど。
明るいコメディーミュージカルが得意な印象です。
今回はおとぎ話ということでいわゆる想像通り。
一応一番の見せ場がシンデレラの変身シーン。
まあ面白可笑しくくだらなくやってくれてました。
全体的にはまあイメージ通りでそんなに印象に残らなかった。
最後の結婚式のシーンは綺麗だったんだけど
なんというか衣裳が面白いとは感じなかったんです。
Outer Circle Award 獲得がいまいち解せない所以です。
というわけであまり可能性はないと思うんですけどね。
さあということで今回の予想は
Dominique Lemieux 「Pippin」
にしときます。作品の勢が凄いですから。
でも勢い的に言えば Gregg Barnes もあり得るのかな。
本当は Rob Howell を応援してますが・・
まあこんな感じですかね。
さてこれから先はあまり掴みにくい賞が続きます。
照明、音響、オーケストレーション。あと3部門!!
その頃には Drama Desk Award が発表されてしまうのですかね。
急いで書かなくては。