世界一面白いミュージカルの作り方

早稲田発小劇場系ミュージカルプロデュースユニットTipTapのブログです。
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演劇ができること

2011-03-20 02:24:11 | tiptap
主宰の上田です。
地震から一週間が経ちました。
あまりにも色んな事が起きすぎてあっという間の一週間でした。
テレビやネットで伝えられる被災地の情報を
ただただ受け取る毎日。
いかに自分が恵まれているかを痛感させられます。

いとも簡単に一瞬で生きるか死ぬかの境界線を引かれてしまう。
仮に助かっても大切な物を失ってしまう。
家族、恋人、友達、仲間を失い孤独に苛まれる恐怖。
それでも必死に生き抜く姿に
テレビを見ながら涙がこぼれてきます。

元々国際公務員を目指していた私が芝居を志したのは
経済的、物理的な援助だけでは人は救えない。
心を豊かにしなければ人を根本的には救えないと思ったからです。
しかし今回の震災を目の当たりにして
そんなきれいごとを言ってはいけないと自責の念にかられました。

目の前で人が助けを求めている時
何よりも必要なのは物理的な援助です。

優先順位を間違えてはいけない。
停電してしまう恐れがある中
芝居で電力を消費していいものでしょうか?
企業や個人が節電に協力して停電を回避しようとしているのに
私達演劇人が興行のために大量の電気を消費するのは
何か間違っている気がします。

確かに演劇は人を救います。人の心を豊かにします。
しかしそれは人の命や生活を救える物では有りません。
被災者の心を癒すことはできるかもしれない。
でもそれにはまず被災者が生活できる環境があってのことでしょう。

僕の務める会社では今日も明日も幕が開きます。
色々協議の結果だと思います。
観劇して頂くお客様に元気を与えているのは確かです。
こんなご時世ですから芝居をみて幸せになってもらえるのは嬉しい事です。
でも一方ではこれからの生活すらままならない被災者の事を考えると
元気を与える相手が違う気がしてなりません。

今演劇にできる事はなんなのか?

野田秀樹さんが「劇場の灯を消してはいけない」と語ってました。
間違ってはいないと思います。
でもそれは被災者からしたらただの演劇人のエゴに見えるかもしれない。
文化という鎧に守られて東京という安全な場所から
高みの見物をしていると思われても仕方が無い。

「劇場の灯を消してはいけない」

極論で言ってしまえば灯と電気は違います。
芝居を上演し続けることに意味はあると思います。
でもそれは演出家がやりたい事をやる芝居である必要はありません。
誰にも迷惑をかけず今できる状態で上演し続ける。

言うは易しですけどね。難しいのは百も承知。
これもまたきれいごとです。
商業演劇である以上利益をあげてなんぼですから。

だからこそ僕たちのような
中途半端な非営利演劇人が
演劇ができることを考えなくてはと思います。


















コメント (1)
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